「まさに自業自得」“あおり運転”してきたアルファードが、事故を起こして警察に捕まるまで

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「まさに自業自得」“あおり運転”してきたアルファードが、事故を起こして警察に捕まるまで

10月21日(月) 8:51

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ニュースなどで頻繁に取り上げられる「あおり運転」。被害者の精神的苦痛は深刻であり、トラウマにもなりかねない。

自動車損害保険を扱うチューリッヒ保険は今年、『2024年あおり運転実態調査』を実施。あおり運転をされたことがあるドライバーは72.5%であった。昨年の53.5%よりも大幅に上昇し、この半年間でも24.1%と多くのドライバーがあおり運転に遭遇していることがわかった。

今回は、ドライブレコーダーの重要性を痛感した2人のエピソードを紹介する。

あおり運転のプレッシャーに押しつぶされそうだった

田舎の夜道を走っていた竹田翔さん(仮名・30代)。背後から迫ってくるスポーツカーに気がついたという。

「急速に車間距離が詰まる感覚に、恐怖で胸が締めつけられました。周囲にほとんど明かりがなく、暗闇の中で冷静を保とうとしましたが、スポーツカーの運転は明らかに異常でした」

1車線しかない道路では先に通すこともできず、ただ恐怖を感じながら運転を続けていた竹田さん。

「スポーツカーは何度も急接近しては、パッシングを繰り返しました。プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、心を落ち着かせて運転をしていました」

ようやく前方には分岐が見えてきて、竹田さんは側道に入ることにした。しかし……。

「スポーツカーは私の後を追ってきました。エンジンやクラクションの音が、ますます迫ってきたんです」

そして、目の前の道が急カーブに差しかかった瞬間……。

スポーツカーがイノシシに衝突して大破

竹田さんは慎重にブレーキを踏み、カーブを曲がり切ろうとしたのだが、後方で大きな音が鳴り響いた。

「振り返ると、スポーツカーが側道の脇にいたイノシシに衝突したようです。思わず目を背けました。イノシシはその場で動けなくなり、スポーツカーも大破していました」

竹田さんはすぐに警察に連絡をした。しかし相手の運転手は、「仲間を呼ぶ! 絶対に弁償しろ!」と怒鳴ってくる。竹田さんが恐怖を感じていると、そこに警察官が到着した。竹田さんと相手が、それぞれ別の警察官から事情聴取を受けることになったという。

「私はあおり運転のことも含めて、丁寧に説明しました。話を聞いた警察官が相手に確認すると、『証拠もないのに何言ってるんだ。名誉棄損で訴えるぞ! ばかやろう!』と再び怒鳴りつけてきました」

そこで竹田さんはドライブレコーダーのSDカードを警察官に渡した。すると、相手の態度が急変。「落ち着いて話しましょう」と言ってきたのだとか。

しかしその後、警察のパトカーに連行されていったそうだ。

「お互いに怪我がなかったのは幸いでしたね。ドライブレコーダーの重要性を再確認した瞬間でした」

「どけ!」と言わんばかりの勢いに恐怖

高速道路を運転中、あおり運転に遭遇した梅田直人さん(仮名・30代)。仕事で取引先に向かう途中だったという。

「あの日の道路の混雑ぶりは今でも忘れられません。3車線とも車がひしめき合い、なかなか前に進めない状況だったので焦りました」

そのとき、梅田さんの車の後方から近づいてきたのはアルファードだった。運転手は何度も車線変更を繰り返し、イライラしているようすだったそうだ。

「私の車が走る中央車線にぴったりと車間距離を詰めてきました。まるで、『どけ!』と言わんばかりの勢いに恐怖を感じました」

渋滞しているので当然、道を譲ることは不可能だった。「このままでは危険だ」と梅田さんは思ったものの、淡々と運転を続けるしかなかったと話す。しかし、アルファードはますますエスカレート。そして、次の瞬間……。

アルファードが後ろから追突!

梅田さんの車に衝撃が走った。なんとアルファードが後部に激突したのだ。

「私はすぐに警察に通報しました。警察が到着するまでの間、相手は私に詰め寄ってきて、『早くしろ! お前のせいで予定がつぶれる』と怒鳴り散らしていたんです。家族連れだったようですが、どうやらUSJに遊びに行く道中だったようですね」

警察官が状況の説明を求めると、相手は「急に減速されたから避けられなかった」と主張した。だが、梅田さんの車にはドライブレコーダーが搭載されており、その主張は覆されることに……。

ドライブレコーダーの映像には、アルファードが執拗に梅田さんの車を追尾し、追突するようすが記録されていたという。

「ドライブレコーダーの映像を見た警察官は、相手の主張が間違っていると判断しました。後日、保険会社から10対0で相手に責任があると、連絡がきたんです。その結果には正直安堵しました」

あおり運転してきた相手は、USJに行くどころか、事故現場での処理に時間がかかり、楽しいはずの1日が台無しになったことだろう。「自業自得とはまさにこのことだ」と梅田さんは思ったそうだ。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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