俳優の内野聖陽が主演し、大森寿美男が監督と脚本を手掛ける「連続ドラマWゴールドサンセット」(全6話)が、2025年にWOWOWで放送・配信されることが決定した。本編映像を使用した特報(https://youtu.be/Lt84RjPze-c)が公開された。
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原作は、白尾悠氏による同名小説(小学館刊)。内野扮する謎の男をはじめ、心に傷を抱えた人々が人生を見つめ直すヒューマンドラマが描かれる。内野が主演を務めた「黒い家」(99)、NHK大河ドラマ「風林火山」(07)、特集ドラマ「どこにもない国」(17)で脚本を手掛けた大森が、監督と脚本を担う。
内野が演じるのは、古いアパートに住む謎の老人・阿久津勇。一人大声を上げたり、どこかおかしな振る舞いで、隣人の女子中学生にも不審がられる始末だが、次第にその振る舞いの理由と、彼の過去が明らかになっていく。
阿久津が出会う心に傷を負った女子中学生、彼女が出会う人生崖っぷちの中年女性、そして過去の職場でのトラウマを抱える女性、大切な人に優しい嘘をつき続ける青年。どこかに生きづらさを抱える人々が不思議な糸に操られて、劇団「トーラスシアター」との出会いを通し、一つの物語に結び付けられていく。
内野は、「これは、シニア世代の煌めくような瞬間がオムニバスのようになった作品です。僕に課された役は、若い頃に犯した過ちから、まさに地獄の淵から這い上がろうとしているような男」と説明し、「さまざまなシニア世代の生き直し、再生していこうという思いが、時に切なく美しい話だと思います。また、演劇というものの効用が改めて問い直されてもいいと思えるような話だと思います」とコメントを寄せた。
劇中に登場する劇団「トーラスシアター」は、演出家・蜷川幸雄氏が晩年に力を注いだ“55歳以上”が参加資格の劇団「さいたまゴールド・シアター」にインスパイアされたもの。登場人物の悩みとシンクロする劇中に登場する戯曲のセリフも見どころとなっている。
内野と原作者の白尾氏、大森監督のコメントは以下の通り。
【内野聖陽】
●本作の主演が決まった時の印象。また実際に演じてみて
これは、シニア世代の煌めくような瞬間がオムニバスのようになった作品です。
僕に課された役は、若い頃に犯した過ちから、まさに地獄の淵から這い上がろうとしているような男。
シェイクスピアの『リア王』に自分の人生を重ね合わせ、シニア劇団で演じることで、人生の許しを乞おうとしています。非常にタフな精神のいる役だなと感じました。そして、演劇一本を立ち上げるパワーが必要な作品で、なんという挑戦的な話だろうと思いました。
人生を一度諦めているような人物で、リアを演じることでしか、外界と接点を持てなくなっているような役なので、生きたいという思いを心に秘めて、人と交わらない緊張感が大変でした。自分は生きることを許されていないと自認している男で、リアを演じ切ることで、贖罪を果たそうとしている。こういう野心作は初めてで、なかなか大変でしたね。しかし、本当の演劇のように稽古を日々重ねてくださったので、シニア劇団が本当に自分のコミュニティーのように感じられるところまでなれたのはうれしかったですね。
●今まで脚本作品でタッグを組まれてきた大森さんと、今回脚本・監督でご一緒されて
原作はありますが、シナリオ化が大森さんなので、いろんなシーンの要求がはっきりしている反面、とても深いイメージに基づいて演出されるので、理想が高く、期待に応えられたかどうか。でも感動的なシーンは沢山あります。
普通のプロが毎晩演じる公演というより、役者をやめた人間が一夜限りで演じる一世一代のもので、なおかつそれが、自分の罪の贖罪になっていく、そこが難しかったところですね。
●視聴者へのメッセージ
さまざまなシニア世代の生き直し、再生していこうという思いが、時に切なく美しい話だと思います。
また、演劇というものの効用が改めて問い直されてもいいと思えるような話だとも思います。
【白尾悠(原作者)】
●本作の映像化が決まった時お気持ち
喜び10%、疑心90%くらいでした。一般的に映像化はまず実現しないと聞いていたので、ぬか喜びになるのが怖かったのです。監督・脚本が大森寿美男さん、主演が内野聖陽さん、製作がWOWOWさんなんて、素直に信じるには豪華過ぎます。
●本作をご覧になったご感想
素晴らしい俳優さんたちによって登場人物たちが“生きて”いる様に大興奮です!小説にあまり登場しないキャラクター含め、皆が一筋縄ではいかない人間味に溢れていて、映画的な映像と相まって、本当に見応えのあるドラマでした。
●視聴者へのメッセージ
私のように、普通の中高年たちが織りなす深い人間ドラマが観たい方、演技派俳優たちの競演が観たい方、シェイクスピアや演劇全般が好きな方、これは私達が待っていたドラマです!少し違う展開のある原作小説と併せ、ぜひ最終回までご覧ください。
【大森寿美男(脚本・監督)】
●本作の映像化が決まった時の気持ち
まず白尾悠さんの素晴らしい小説を読んで、これは他人事ではないと思いました。表現と日常の親和性のようなものが描かれていて、しかも、演劇という特殊な世界に関わる人の話でありながら、それはすべての人に当てはまることを浮き彫りにされていました。これを映像化できることに喜びを感じ、表現と共に生きる我々にとっては、その存在価値を問われたようにも思え、全身全霊をかけた作品にすることを覚悟しました。
●脚本作品で今までタッグを組んできた内野聖陽さんが、主人公・阿久津を演じると決まったときの気持ち
ある一人の人間、一人の役者の一生を描くにあたって、幅広い年齢を演じ、奥深い人の強さや弱さを体現できるのは内野聖陽さんしかいないと即座に思いました。これまでの経験から、揺るぎない信頼をもって、シェイクスピアという高い壁にも立ち向かい、共に悩み、共に闘うことで、ようやく、この作品は成立すると思っていました。その期待以上に、内野さんは阿久津の人生を生き抜いてくれました。
●視聴者へのメッセージ
これは、有名な物語の世界をめぐりながらも、ささやかな日常を必死に生きる、どこにでもいる人々の物語です。内野さんだけではなく、さまざまな人が主役といえるこの物語で、それを表現するのに理想的な素晴らしいキャストに集結してもらえました。その一人一人の魅力を伝えることが、そのままテーマになると信じ、最強のスタッフと創り上げました。ご期待ください。
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