プラスファニチャーカンパニーはこのほど、「職場の居心地WEB調査」と題し、デスクワークが中心の日本全国の会社員500名を対象に「オフィスの収納」についてのWEB調査を実施しました。
■「これってうちの会社だけ?」「他社は何か工夫してる?」
他社の状況を知れば、自社の改善ポイントが見えてくる。
同社が展開する「職場の居心地WEB調査」では、職場の居心地に関連する身近なテーマでウェブ調査を行い、その結果をレポートしていきます。
今回のテーマは……
【フリアドオフィスの“収納”問題】
皆さんは、オフィスの収納庫をどのくらい活用していますか?
コロナ禍を契機にリモートワークやフリーアドレス制の導入が進んだことで、「以前ほどロッカーの扉を開けなくなった」という人も多いのではないでしょうか。
そこで実施された今回の調査。会社員500名を対象に「コロナ禍前後で収納庫の利用頻度が変化したか」や、「フリーアドレス経験者とそうでない人との収納庫に対する意識の違い」などを聞いています。
■コロナ禍前より「書庫」「クリアキャビネット」「倉庫」の利用頻度が低下
はじめに、オフィスにある主な収納庫の種類を取り上げ「コロナ禍前後で利用頻度に変化があったか」を尋ねました。「(頻度が)高くなった」と「低くなった」の差が5ポイント以上ある項目を赤文字としています。
いずれの項目も約7割の人が「変わらない」と回答していますが、「書庫」「クリアキャビネット(主に文房具や書類などを保管する、中身の見えるクリアケースのキャビネット)」「倉庫」については、コロナ禍前と比較して「利用頻度が低くなった」と感じている人が多いようです。
※実際の設問では、それぞれの収納庫のイメージを持ちやすいよう写真を見ながら回答してもらいました。
■収納庫の利用頻度が低くなった理由は「電子化が進んだ」から
次に、いずれかの収納庫の利用頻度が「低くなった」と回答した183名を対象に理由を尋ねたところ、約4割以上の人が「ペーパーレス化・電子化が進んだから」「リモートワーク・ハイブリッドワークが進んだから」と回答しました。
ペーパーレス化が促進されたことで、「書庫」「クリアキャビネット」「倉庫」など、主に書類の保管に使う収納庫の利用頻度が低くなったと感じている人が多いようですね。
■フリーアドレス経験者は「個人用ロッカー」を求める傾向に
次に、それぞれの収納庫について必要だと思うかと尋ね、フリーアドレス形式のオフィスで働いた経験のある群とない群とで集計しました。
赤枠部の「個人用ロッカー」では、フリーアドレス経験ありの人がそうでない人と比較して「あった方が良い」が10ポイント以上高い結果となりました。
続いて「デスクキャビネット」「デスクトレー」については、フリーアドレス形式のオフィスには設置されない場合がほとんどですが、フリーアドレス経験ありの人も約8割が「あった方が良い」と回答していました。
「クリアキャビネット」については、フリーアドレス経験なしの人が、ありの人と比較して5ポイント高い結果となりました。
フリーアドレス制のオフィスで働いた経験がある人は、「個人用ロッカー」の必要性を強く感じているようですね。
また、フリーアドレス制のオフィスでは通常設置されない「デスクキャビネット」「デスクトレー」について、フリーアドレス経験者の8割が「あった方が良い」と回答しており、自席がないことによる不便さを感じている人も多いようです。
「クリアキャビネット」については、フリーアドレス導入済みのオフィスでは同時にペーパーレス化も進んでいる場合が多いと考えられるため、ポイントに差が開いたのではと推察できます。
■個人用ロッカーには書類や文房具を保管している人が多い
続いて、ロッカーやキャビネットなど個人で保管・管理する収納庫に入れているものを具体的に尋ねたところ、「資料」が55.6%で最も高く、次に「文房具」47.6%、「個人の私物」40.6%、「書籍」31.2%と続きました。
やはり書類や文房具を保管している人が多いようですね。
4割の人が選択した「個人の私物」について、残念ながらこのアンケートの中では内訳まではわかりませんでしたが、調査担当者が社内でヒアリングしたところ「眼鏡」や「タンブラー」「紅茶」などが挙がりました。
ロッカーの中にある「仕事とは関係ない私物」について、世代別などで追加調査を行っても面白そうです。
■オフィスの収納庫に関する困り事や、改善してほしいことは?
◇【フリーアドレス未経験者】
収納場所が足りない、収納庫が狭い
・「全体的に収納場所が不足していると感じます」
・「定型的な書類やノートブックパソコン等の収納には適しているが、それ以外のちょっと嵩張るようなものは、入りきらないことが多く、不便である」
・「個人ロッカーが縦長なので、冬場に厚手のコートを入れると、他に物を入れるスペースがなくなってしまう」
・「個人の収納も考えたオフィス設計をしてもらいたい」
共有の収納スペースが不足している
・「個人のスペースより、共通で使うものを収納できるスペースが欲しい」
デザインをお洒落にしてほしい
・「収納が足りない お洒落さがなく仕事へのやる気が出ない」
・「デザインをオシャレにしてもらいたい」
雨の日の傘置き場に困っている
・「雨の時の乾燥室がないので干す場所に困ること」
・「雨の日の傘などを置く場所が無い」
デスク周りにカバンを置く場所がない
・「カバンを置く場所がない。個人ロッカーはありますが、カバンをしまうと私物を取り出すために毎回ロッカーに行って開け閉めしないといけない」
・「デスク周りに私物を置けるスペースがなく、地面に直置きしているのを何とかしたい」
◇【フリーアドレス経験者】
以前より収納庫が減り、不便になった
・「ペーパーレス化に合わせて収納スペースが減って収納庫まで遠くなった」
・「せめて個人専用デスクは復活させてほしい」
・「フリーアドレスになり、私物を移動する手間が増えた」
・「フロア移転時にフリーアドレス化された上、ロッカーが個人から部門割当となり使える収納が減った。そのため一時的な荷物は段ボール収納で賄っている」
自分のデスクがなくなってしまい不便になった
・「フリーアドレスが増えて、自分のデスクスペースが減ったこと」
・「フリーアドレスになった為、自分好みのデスク周りにカスタマイズ出来なくなった」
デスク周りにカバンを置く場所がない
・「自分の机のそばに鞄などを置ける収納があるとうれしい」
・「自分のデスクだけでは足らないので私物カバンを収納する場所がデスク周りに欲しい」
・「自分のデスク横に簡易ロッカーがほしい」
収納庫のデザインを良くしてほしい
・「できるだけ同じメーカーのもので統一すること」
・「収納庫自体のデザインを良くしてほしい」
イベント時や繁忙期に一時的に使える収納スペースが欲しい
・「イベント時の臨時の場所はほしい。個人スペースだけでは足りないことが多い」
・「普段は収納に困らないが、決算期の締め間際など、書類が増えて収納スペースの不足が起こる」
+αのアイデアがほしい
・「異動やレイアウト変更時の引っ越し負担が減るようなアイデアが欲しい」
「収納庫が足りない、狭い」という困り事は共通してあるようですね。
また、「デザインを良くしてほしい(お洒落さがなくやる気が出ない)」という声も挙がっており、オフィスの中で視界の面積を多く占める収納庫だからこそ、見栄えにこだわってほしいという意見もあるようです。
「デスク周りにカバンを置く場所がほしい」については、フリーアドレス経験者・未経験者の両方に見られましたが、特に経験者からの声が多い印象でした。
「自分のデスク横に簡易ロッカーがほしい」など、デスクキャビネットの復活を望むような声も散見されました。
■全体のまとめ
アンケートの結果、「ペーパーレス化・電子化」や「リモートワーク・ハイブリッドワーク」が進んだことで、コロナ前と比較して「書庫」や「倉庫」の利用頻度が低くなったと感じている人が多いことがわかりました。
また、フリーアドレス経験者は、未経験者よりも「個人用ロッカー」の必要性を感じている人の割合が10ポイント以上高く、経験者の約8割が「デスクキャビネット」「デスクトレー」があった方が良いと回答しました。
収納に関する困り事については「デスク周りにカバンを置く場所がない」など具体的な要望も集まっており、レイアウト変更時の参考にできそうですね。
■調査概要
方法:インターネット調査
回収日:2024年7月24日
対象:デスクワークが中心で、従業員数100名以上の職場で働く勤続年数3年以上の会社員(フルリモートワークを除く)
サンプル数:500人
(エボル)
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