亡き父の写真を忍ばせ戦う日々シード復帰目指す木戸愛が“最遅”の生涯3億円到達「私らしくていいかな」

ジャンボ邸で腕を磨く木戸愛がシード復帰へ前進している(撮影:福田文平)

亡き父の写真を忍ばせ戦う日々シード復帰目指す木戸愛が“最遅”の生涯3億円到達「私らしくていいかな」

10月20日(日) 18:01

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<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日◇20日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6506ヤード・パー72>

5位から出た木戸愛が、トータル9アンダーで今季3度目のトップ10入りとなる7位になった。5バーディ・4ボギー・1ダブルボギーの「73」とスコアは1つ落としたが、強風のなか、粘りのゴルフで上位をキープし、メルセデス・ランキングは54位から50位にアップ。5季ぶりのシード復活が見えてきた34歳は、17、18番の上がり連続ボギーを悔しがったが、今季自己最高位のフィニッシュに充実感を漂わせた。



木戸愛といえば…やはりこの“美脚”がトレードマーク【写真】


「リーダーボードはあえて一度も見ていないけど、結構いい位置にいるのかなと思っていた。最後はちょっと悔しかったけど、ベストを尽くすことはできた。すごい緊張感のなか、最後までやれたことはすごく大きかったし、自信になりました」

これで賞金512万4000円を獲得し、生涯獲得賞金は3億円を突破した。2008年のプロテストに一発合格し、今年でプロ17年目。1988年のツアー制度施行後にプロとなった選手では最も遅い、475試合での到達だった。そのことを聞くと、「まったく知りませんでした。本当ですか。プロとしてゴルフをやっているのだから、現役でいる限りは1円でも多く稼ぎたい。でも、長くやっているんですね。475試合ですか…。私らしくていいかな」と笑った。

昨年8月に男子プロの神農洋平と結婚した。そのころから半ば押しかけ状態で、尾崎将司が主宰する「ジャンボ尾崎アカデミー」に通い、正式に弟子として迎え入れられた。12月には元プロレスラーで最愛の父・修さんが死去。この1年で環境は大きく変わったが、「いろんなことをひっくるめて、強い気持ちの自分がいる。いい方向に進んでいきたいと思います」と前を向くことができている。

師匠のいるジャンボ邸にはオフは週5日、シーズン中も「なるべく毎週通いたい」と足しげく訪れている。助言は一つ。「結果よりも自分の決めたことをやり通せ」。例えばスイングならば「思い切って振る!」。そのことを心に刻み、今週もやり通した。

「最近は本当にゴルフが良くなった。今年も残り少なくなってきたけど、最後の最後までチャレンンジしたいです」

2012年の「サマンサタバサレディース」でツアー初優勝。2勝目は遠いが、この日は10、11番で連続バーディを奪った終盤に、一時は首位に1打差まで詰め寄った。3打差を逆転し2勝目を挙げていれば、ツアー史上最長となる12年90日ぶりのブランクVだったが、お楽しみは次の機会に取っておく。

コースメモの表紙は、昨年の父の日に修さんと一緒に写った写真を忍ばせて戦う日々。12月に35歳となるベテランはゆっくり、そして確実に今も成長を続けている。(文・臼杵孝志)


<ゴルフ情報ALBA Net>
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