ミヒャエル・ハネケに師事した気鋭監督ジェシカ・ハウスナーが、ミア・ワシコウスカ(「アリス・イン・ワンダーランド」)を主演に迎えたスリラー「クラブゼロ」の本編映像と、ポップな色遣いが中毒性の高い魅力を放つ場面写真14点がお披露目。映像には、“最新の健康法”を学ぶ名門校の生徒たちが互いを監視し、誰も何も食べないという不穏なランチが切り取られている。
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【動画】「クラブゼロ」本編映像
物語の中心となるのは、名門校に赴任してきた栄養学の教師ノヴァク(ワシコウスカ)。彼女は「意識的な食事(conscious eating)」という、「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」という食事法を、生徒たちに教える。無垢な生徒たちは彼女の教えにのめり込んでいき、事態は次第にエスカレート。親たちが異変に気付き始めた頃には時すでに遅く、生徒たちはノヴァクとともに「クラブゼロ」と呼ばれる謎のクラブに参加することになる。生徒たちが最後に選択する究極の健康法とは?そしてノヴァクの目的とは――?
本編映像では、生徒たちがランチタイムに「意識的な食事」を実践。彼らは、プレートにのせられた食事を、ただひたすら細かく刻み続ける。そして刻んだものを口元まで運ぶが、周囲の顔色を伺いながら、再びプレートに戻していく。食べるのか食べないのか、まるで互いを探り合い、監視するような様子が映し出され、束の間の休息であるはずのランチタイムに張り詰めた緊張感が漂っている。栄養学を熱心に学ぶ彼らに対し、校長も気遣う素振りを見せながらも、その“異変”には気付かない。映像の最後では、生徒たちが不気味にほほ笑んでおり、底知れない狂気に満ちた世界観が伝わる仕上がりだ。
場面写真には、ノヴァクを中心に、皆で輪になり手をつなぎながら心を整えるシーンや、生徒のフレッドとノヴァクがふたりきりで瞑想を行う姿などが切り取られ、生徒たちが最新の健康法にハマっていくさまが垣間見える。極端に食事をコントロールしようとする我が子を心配する親たちや、痩せこけて正気を失っているかのような表情で一点を見つめる生徒エルサも確認できる。
メガホンをとるのは、物議を醸すテーマと鮮烈なビジュアルで強いインパクトを放つ作品を次々と発表するハウスナー監督。本作を含む4作品が、カンヌ国際映画祭に選出されており、コンペティション部門には「リトル・ジョー」に続き、2度目の出品となった。ノヴァクを演じるのは、「クリムゾン・ピーク」「イノセント・ガーデン」などで知られる演技派ワシコウスカ。ハウスナー監督から直々のオファーを受け、独自の健康法を説き、生徒たちを言葉巧みに魅了する謎めいた教師を好演した。
「クラブゼロ」は、12月6日から東京・新宿武蔵野館ほか全国公開。
【作品情報】
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クラブゼロ
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