10月18日(金) 17:53
<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース2日目◇18日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6506ヤード・パー72>
あとひと転がりだった。トータル1アンダーの予選カットライン上で迎えた最終18番。竹田麗央の5メートルのパーパットは無情にもカップの手前で止まった。
9月の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」第2ラウンド以来、今季9度目のオーバーパーラウンドとなる「73」で1打及ばずの予選落ち。前週まで今季平均ストローク1位(69.2186)を誇る21歳はまさかの“乱調”で、決勝ラウンドに進むことができなかった。
「きのうからショットが曲がって、ラフからばかり打っていた。なかなかチャンスにつけることができませんでした」
初日のフェアウェイキープ率は42.86%(6/14)で、この日は106人中最下位の35.71%(5/14)。2日間のトータルは全体で2番目に悪い39.29%だった。4月の初Vから7勝を積み上げ、メルセデス・ランキング1位に立つ原動力となっている「飛んで、曲がらない」ショットが今週は影を潜めた。18番もティショットをラフに入れ、2打目もグリーンをオーバー。“らしさ”は最後まで見せることができなかった。
取材には気丈に応じた。だが、悔しさを押し殺すように淡々と話したあとは、プロゴルファーの母でコーチの哲子さんの元に向かい、二言三言と言葉をかわすと、必死に我慢していた涙があふれ出た。今週は3日間大会よりも優勝ポイントの配分が多い4日間大会。年間女王の座を盤石とするはずだったが、1ptも加算することができずにコースを去ることになった。
「プレーをしているときには感じないけど…」と竹田は話したが、乱調の大きな要因のひとつに、知らず知らずのうちに蓄積した疲れがあるのは間違いないだろう。プロ3年目でフル参戦は2年目。長丁場のシーズンの経験はあるが、海外メジャー挑戦と年間女王争いは初体験だ。本人が思っている以上に気力も、体力も削られていて不思議はない。
「いい休養ができたと思って、しっかり休んで来週から頑張りたい」。シーズン最終盤を前にした予選落ちも、女王取りに向けた天の配剤。疲れた体にパワーを充電し、今季残り5試合に臨む。(文・臼杵孝志)