10月17日(木) 23:32
事業開発・ブランディング支援、コンテンツ開発などを行うトゥが手がける富山県舟橋村の学童保育施設「fork toyama」が、「GOOD DESIGN AWARD 2024」を受賞した。
「fork toyama」は、富山県の日本一小さな村・舟橋村にある保育料無料の学童保育施設。「“はたらく”と“そだてる”をもっと自由にする」をコンセプトに、社会全体が子育てに関わることのできる「みん営(みんなで営む)」の仕組みを確立している。
「みん営」は、保育料を保護者負担ではなく、さまざまな企業や個人の会費によってまかなうというもの。企業や個人のサポーターを募ることで、保護者には保育料ゼロ、企業にはブランディングや人材育成といった、それぞれのメリットを提供している。
また、同じ敷地内には、収益を学童に充てるためのカフェやコワーキングスペースを設置。コーヒー1杯から子育ての関係者になれる仕組みを整えている。
「fork toyama」では、保育料ゼロを実現し、さまざまな人・もの・コトとの出会いを創出することで、子どもたちに人生の選択肢を広げる機会をつくることに挑戦している。
これまで、学童に通う子どもたちと企業のコラボ企画を10件以上実施。和菓子屋さんとお菓子作り体験&食育講座、忍者VR体験、塗装ワークショップなど、富山県内外のさまざまな企業との連携を通じて、子どもたちへ住む場所や家庭環境にとらわれない体験を提供している。
「みん営」の仕組みが評価されグッドデザイン賞受賞「GOOD DESIGN AWARD 2024」では、「みん営」の仕組みが評価され、受賞に至った。
審査員は、「子育てが家族単位で行われることで孤立と負担が深まる社会において、保育料を保護者負担ではなく、さまざまな企業や個人の会費によってまかなう「みん営(みんなで営む)」は、社会全体が子育てに関わるシステムを提示する。既存の枠組みにとらわれない働き方・育て方を実現するために、必要な環境を自ら立ち上げ続けるエネルギーとスピードを感じられるプロジェクトである。さまざまな人びとの協力によるfork toyamaのあり方は、学童保育が保育事業を超え、地域の活動拠点となる可能性を示している。」とコメントしている。
「fork toyama」誕生の背景トゥは、学童保育の存在価値が「子どもを安全に預かってくれる場所」というだけでなく、学童保育があることで保護者は安心して働くことができ、それは企業にとって、社員の労働時間を確保することにつながり、地域が暮らしを維持することにも通じていると考えている。
しかし、社会全体が学童の恩恵を受けているのに、その利用料は保護者だけが負っているのが現実。つまり、親の収入や労働条件によって、子どもの過ごし方が決まってしまうのだ。
そこで「fork toyama」では、「みん営」の仕組みをデザインし、保護者の収入に関わらず、誰もが利用できる保育料無料の学童保育を実現した。
子育てを理由に保護者が働くことを諦めず、また、子どもを保護者だけではなく社会全体で育てることに今後も向き合い続ける構えだ。
トゥについてトゥは、「me, too!」と思わず言いたくなるような、強い思いを持ったひと・事業・プロジェクトとともに歩む共在者のチーム。
ブランディング・事業開発の伴走支援を主領域としながら、「fork toyama」のほか、メディア「70seeds」や農業分野の価値創造に取り組む「noum」などの自社事業にも取り組んでいる。
同社自体が「実践者」であることを強みに、社会が変わるための変化=change for changeを生み出す役割として、これまで50社以上のパートナーを務めてきた。
今回の受賞を受けて同社は、「みん営」をさらに拡大し、学童保育をはじめとしたさまざまな社会課題解決につながる場づくりを推進したいとしている。
社会みんなで子育てに取り組む「みん営」の今後の広がりに注目したい。
■fork toyama(フォーク トヤマ)
住所:富山県中新川郡舟橋村竹内325
受賞概要ページ:https://www.g-mark.org/gallery/winners/26120?companies=ad2cd468-640f-488f-ba55-91e1e31403bb&years=2024
トゥHP:https://too-inc.com
(Higuchi)