【写真】思わずゾッとする…不気味な存在感を放つ山崎努さん“久弥”
萩原健一さん、山崎努さん、渥美清さんらが出演する映画「八つ墓村」(1977年公開)が、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)にて10月19日(土)夜9時より放送される。数奇な運命に生まれた青年が、400年にわたる怨念息づく生地を訪れ、連続殺人事件に巻き込まれる本作。そのあらすじや見どころについて紹介していく。
■実際の殺人事件を題材にした映画「八つ墓村」
本作は、「犬神家の一族」や「金田一耕助」シリーズなどの大ヒットミステリー・ホラー作品を手掛けた作家・横溝正史の同名ミステリー小説を、「砂の器」などで知られる巨匠・野村芳太郎監督が映画化した作品。
主人公の青年が生まれ故郷の八つ墓村で謎の連続殺人事件に巻き込まれていくというストーリーは、1938年に実際に起きた、日本犯罪史上最大の大量殺人事件「津山30人殺し」をモデルにしたと言われている。
作中で描かれる、頭に懐中電灯を灯して日本刀と猟銃を手に男が疾走するシーンが話題を呼び、キャッチフレーズである「祟りじゃ~!」が当時流行語に。本作が公開されると、1週間で全国主要14館での観客動員数は約30万人にのぼり、記録的大ヒットとなった。
■生まれ故郷で謎の連続殺人事件が勃発…「八つ墓村」あらすじ
東京で暮らす寺田辰弥(萩原健一さん)は、新聞の尋ね人欄を見て大阪の法律事務所を訪ね、初めて祖父の井川丑松に会うが、丑松は眼前で何者かに毒殺される。そのことをきっかけに、辰弥は未亡人・森美也子(小川真由美)の案内で生まれ故郷の八つ墓村に向かう。
すると途中で、村の由来を語り始めた美也子。どうやら八つ墓村は落武者が惨殺された地で、落武者の祟りを恐れて葬り祠を立てたことが“八つ墓村”と呼ばれる所以とのことだった。
その後八つ墓村に到着した辰弥は、多治見家の城郭のような屋敷で兄の久弥(山崎努さん)や姉の春代(山本陽子さん)、伯母の小竹(市原悦子さん)たちと出会い、やがて八つ墓村で謎の連続殺人事件が勃発する――。
■野村芳太郎監督によるこだわりの演出に注目
本作は、これまでの横溝作品とは一味違った、“ホラー”や“オカルト”の要素を取り入れており、怨念の実在を説く映画独自のストーリー展開は、祟りの恐ろしさを見事に表現している。
また、野村監督による演出へのこだわりも見どころの一つ。例えば、それまで大人しい人柄だった女性が、急に刃物を振りかざした女般若になり追いかけ回すシーンや、辰弥の兄・久弥が頭に懐中電灯を巻いて、猟銃と日本刀で村人を殺害するシーンなどは、非常に印象的な映像に仕上がっている。
その他にも、日本中の鍾乳洞でロケを敢行し、それをつなぎ合わせた村の地下洞シーンや、落武者の惨殺シーンの再現なども迫力満点。普段は物語の中枢を担う名探偵・金田一耕助が、本作では“語り部”に徹している点も、他の作品とは一線を画す要素と言えるだろう。
※山崎努の崎は正しくは「たつさき」
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