10月17日(木) 12:00
フランスで観客動員100万人越えのスマッシュヒットを記録した映画『動物界』より、インタビュー映像が公開された。
本作は、人種差別、移民、ルッキズム、感染症など現代的なテーマを内包したスリラーで、人間が様々な動物に変異する奇病が蔓延している近未来を舞台に、運命に翻弄される家族の姿を描く。
最愛の家族を守り抜こうとする父・フランソワを演じるのは、ジャック・オディアール監督の『真夜中のピアニスト』、フランソワ・オゾン監督の『彼は秘密の女ともだち』などでセザール賞主演男優賞に5度ノミネートされたロマン・デュリス。最新作『Leurs Enfants après eux(英題:And Their Children After Them)』での演技が先日行われた第81回ヴェネチア国際映画祭で高評価を受け、マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を獲得した新星ポール・キルシェが、少しずつ動物化していく息子・エミールの心の叫びを体現する。さらに、『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロスら、フランス映画界を代表する豪華実力派が集結した。
公開されたのは、一家を守るため奮闘する父を演じたロマン・デュリスのインタビュー映像。SFでありながら現実世界と地続きのように感じさせるリアルな描写など、映画の見どころを語っている。
映画のあらすじについて「世界が変わってしまう話だよ。父と息子を描いていて、とても密度の濃い関係なんだ」と解説。初めて脚本を目にしたときのことを聞かれると「新型コロナの感染拡大や都市封鎖の経験後にこの脚本を読んだから動揺したよ。世界中が経験したあの時期を彷彿とさせたし、それ以上の重大な局面を予測しているかのようでね」と、現実世界とリンクしているかのような物語の内容に驚きを隠せなかったと明かす。「動物が目撃されるのも都市封鎖の時と同じだ。町の中心街にイノシシが現れたりしたよね。そしてこの映画はさらに踏み込んでる。衝撃的だった」と実際の出来事を思い起こさせつつ、さらにその先の未来を予見するような脚本の出来を称賛する。
人間が動物化していく“変異”を描く本作にちなんだ「動物になるなら?」という質問に対してロマンは、「動物は完全に自由で、野生であるほうがいい。珍しい動物ならさらに魅力が増す。まさにユキヒョウがそうだよ」と世界的に絶滅の危機にさらされているという希少な動物をチョイス。「姿を見られること自体がとても貴重なんだ。たぶん俳優とは真逆だから好きなのかもしれない」と冗談を飛ばし笑顔を見せている。
本作の監督を務めたトマ・カイエは「少年時代にロマンの『青春シンドローム』を見て以来のファン。初めて僕を熱中させたフランス人俳優だったから、彼がオファーを受けてくれて本当に嬉しかった。これ以上の幸せはないよ」と念願かなってのキャスティングだったと明かしている。さらにロマンの演技については「彼は光を放って、輝いている俳優。フランソワの役にはそれが重要な要素だった。過酷な状況でもあきらめない、そのポジティブさがロマンから自然に表れ、魅力的なキャラクターが誕生した」と絶賛している。
『動物界』ロマン・デュリス インタビュー
<作品情報>
『動物界』
2024年11月8日(金) 公開
公式HP:
https://animal-kingdom.jp/
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