筒井康隆の同名小説を『桐島、部活やめるってよ』(12)、『騙し絵の牙』(20)の吉田大八監督が映画化する『敵』(2025年1月17日公開)。このたび、本作のポスタービジュアルと予告映像が解禁となった。
【写真を見る】第37回東京国際映画祭コンペティション部門に正式出品されることが決定している『敵』
俳優、長塚京三が、2013年公開の『ひまわり 沖縄は忘れないあの日の空を』以来、12年ぶりに主演を務める本作。“理想の上司像”の印象も強い長塚は、本作では元大学教授、渡辺儀助を演じ、人生の最期に向かって生きる人間の恐怖と喜び、おかしみを同時に表現する。大学の教え子役には瀧内公美、亡くなってなお儀助の心を支配する妻役に黒沢あすか、バーで出会い儀助を翻弄する謎めいた大学生役には河合優実が出演。また松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩ら実力派俳優陣が脇を固める。
今回解禁されたのは、長塚演じる儀助が、整然とした家のなかでたたずんでいる、モノクロのポスタービジュアル。ポスタービジュアルでは、真剣な表情と恍惚とした表情をみせる儀助の姿が重なり、「私そんな先生がみたかったんです」というコピーが添えられている。
あわせて解禁になった予告編では、妻に先立たれて20年間、ひとり余生を過ごす儀助の様子が映しだされる。自ら米を研ぎ、魚を焼き、食事をする。掃除をして買い出しに行き、自由で堅実な生活を送りながら「残高に見合わない長生きは悲惨だから」と話し、自ら定めたXデー(来たるべき日)に向けて淡々と人生を生きていく。そんな儀助のもとに、ある日突然、“敵”が訪れる。不穏な音楽とともに映しだされる、儀助の周囲の人々や亡くなったはずの妻の信子の姿、そして皆が口々に言う“敵”。逃げ惑う儀助だったが、やがて激しい銃撃戦が繰り広げられていく。
本作のムビチケ前売券(オンライン)の発売は10月25日(金)に決定している。はたして、穏やかな日常や現実を脅かす“敵”とは?人生の最期を繊細に力強く描いた本作をぜひ劇場で目撃してほしい。
文/鈴木レイヤ
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