上京した“真面目な弟”が家賃を滞納していたワケは…アパートに突撃して分かった“悲惨な状況”

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上京した“真面目な弟”が家賃を滞納していたワケは…アパートに突撃して分かった“悲惨な状況”

10月17日(木) 8:52

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大学進学を機にひとり暮らしを始める者は多いが、何かと誘惑が多いのも事実。学業そっちのけで遊び惚けて単位を落としまくった挙句、留年なんて話は珍しくない。

インフラ関連会社に勤める 黒田尚人さん(仮名・35歳) は大学時代も実家住まいだったが、4歳下の弟は首都圏の私大に進学。実家から通える距離ではないため、大学から数駅離れた街のアパートでひとり暮らしを始めた。だが、それまで勉強一筋の真面目な性格だった弟にとって都会は刺激が強すぎたようだ。

不動産会社からの電話で発覚した弟の家賃滞納

「入学した年の正月に帰省で戻ってきましたが、茶髪で服装も垢抜けていました。ただ、実家に居る間も課題のレポートを書いていたので私も両親もそれほど心配していませんでした」

ちなみに弟が大学時代に帰省したのはこの時が最初で最後。2年の冬休みには成人式があったが「バイトと大学の課題で忙しいから」と戻って来なかった。

「でも、私の同級生に弟と同じ大学に進学した奴がいて、そいつは卒業後にこっちに戻って就職したから一緒に飲んだ際に帰省できないほど大変なのか聞いたんです。彼は弟と同じ学部だったんですけど、 『そこまで課題は多くないよ。俺は毎年盆と正月は戻ってたし』 って。それでちょっと怪しい感じがしましたが、もしかすると彼女ができたからそれで戻りたがらないのかなとも思ったんです」

ところが、それはまったくの的外れだったことが明らかになる。きっかけは弟が3年の秋、不動産会社から実家に入った一本の電話。 弟が家賃を2ヶ月滞納しており、督促状を送っても入金が確認できず、保証人である父親に連絡したと説明を受けたそうだ。

「父は仕事中で母が対応しましたが弟に電話しても出てくれず、LINEを送っても既読無視。仕事から帰った父が自分のスマホで電話やLINEでコンタクトを取ろうとしても同じで、私のほうから弟にLINEでメッセージを送っても返事はありませんでした」

上京して合鍵で弟のアパートに入ると学生ローンの明細書が!

とりあえず、滞納分は母親がまとめて振り込んだが、そもそも弟はこの半年前に「今後は自分のほうから家賃を振り込む」と母親に話していた。両親もこれを了承し、月々の仕送りに家賃分を上乗せして送っていたという。

しかも、これだけではない。その年の後期分の大学の学費も同じように弟が直接払うと言い出し、約50万円を弟の口座に振り込んでいた。でも、こちらも母親が大学に確認したところ、入金されていなかったのだ。

「母は弟を信用していたのでショックを受けていました。いずれにしても連絡が取れない以上、本人に直接問い質すしかなく、その週末に両親と私の3人で上京して弟のアパートを訪問。合鍵で入ると弟は不在でしたが、部屋には不動産屋からの督促状だけでなく学生ローン数社の明細書もありました」

弟は夜10時過ぎに帰宅したが、両親が居ると知るや否や逃げ出そうとしたため、黒田さんが追いかけて確保。アパートに連れ戻して何に金を使ったのかを尋ねるもなかなか話そうとしなかった。

しかし、普段温厚な父親が怒鳴ると 「パチスロに使った……」 と告白。実は、大学2年のとき、友人と行ったパチスロにのめり込んでしまい、講義をサボって連日ホール通い。最初はビギナーズラックで勝つことが多かったが次第に負けが込んでいたようだ。

仕送りとバイト代もすぐに使い切ってしまい、学生ローンに手を出し、複数の友人にも借金。そうした状態で首が回らなくなり、家賃や学費を自分で振り込むと言って送ってもらったが、これも借金の返済ではなくパチスロの軍資金に消えてしまっていた。

「通ってないなら大学は辞めてもらう」父がブチギレ

「弟の預金口座の残高はわずか数百円で、財布の中には万札が3枚と5000円札が1枚入っていただけでした。裏切られた悲しさとあまりの情けなさに途中から母は泣いていました」

さらに大学の単位も2年次は8単位しか取っていなかったことが発覚。3年になってからは大学にはほぼ行っておらず、もともと出席を取らない数科目を除いて出席率の関係で全部アウト。この時点で4年での卒業は不可能な状況となっていた。

「それを聞いて父がブチ切れて、 『通ってないなら大学は辞めてもらう』 と宣言。翌日、借金を清算した上で弟を連れて実家に戻り、次の週末に私がひとりで再び弟のアパートに行き、部屋を引き払ってきました」

実家に連れ戻され、親族が経営する工場へ

実家へ連れ戻された弟は親族が経営する工場で働かせ、給料は両親が管理。並行して専門のクリニックでギャンブル依存症の治療を受けていたという。

「その後、なんとか立ち直って昨年結婚。今は奥さんが給料を管理し、賭け事とは無縁の生活を送っています。弟も『あのころの自分はおかしかった』と認めていますが、一歩間違えばあのまま破滅してもおかしくなかったはず。特に兄弟仲が良いわけではないですが、無事に社会復帰したので兄としてはホッとしています」

小遣いの範囲内で遊ぶならいいが、自制が利かなくなる人が多いのがギャンブルの怖いところ。ひとり暮らしをする大学生の子供が家賃、学費を自分から振り込むと言い出した時は注意したほうがよさそうだ。

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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