カレーチェーン3社の「カツカレー」を食べ比べてみた
子どもから大人まで大好きで、いくつになっても食べたくなる「カツカレー」。お腹と心を満たしてくれるメニューの代表格と言えるのではないでしょうか?
今回は、全国店舗数の多い大手カレーチェーン3社の「カツカレー」を食べ比べ。それぞれの店全体の概要・メニュー等の違いについてもまとめました。
なお、カツの重さを量るため、すべてテイクアウトにて実食。価格も「ライス普通盛り・辛さノーマル・テイクアウト」のものを記載しています(価格は地域・店舗により異なります)。
カレーチェーンの王道「CoCo壱番屋」
まずは
「CoCo壱番屋」
から。国内店舗数約1200軒を誇る、言わずと知れたカレーチェーンの代名詞的存在。基本となるポークをはじめ、ビーフ、ベジカレーなど5種類のカレーソースに、50種類以上のトッピング、20辛まで選べる辛さを自由に選んで、自分好みにカスタマイズできるのが最大の特色です。
それでは、
「ロースカツカレー1052円(税込)」
を実食!ライスの量は
普通サイズで300グラム
と、かなりボリューミー。カツの重量は
101グラム
でした。
ほんのりとろみのあるルーは、塩気とまろやかさが同居し、複雑ながらやさしいスパイスの香味。「家庭の味」がコンセプトなだけあって、万人受けしやすい味といえます。米も少々硬めながら、オーソドックスな日本米。
しかし、ロースカツが物足りない印象。
自立するくらいの厚みがあるものの、衣が分厚く肉感にも乏しく、柔らかい噛み応えに逆に違和感を覚えました。辛さも控えめなので、
「家庭的なカレーが食べたい」
という場合にはうってつけだと思います。
マイカリー食堂はボリューム感がある一品
お次は
「マイカリー食堂」
。牛丼でおなじみの
「松屋フーズ」
が展開するカレー専門店です。単独店舗、松屋併設型、定食業態である松のや併設型の3種類があり、今回は松のや併設型の店舗でテイクアウトしました。
経営母体が大きいだけあり、カツカレーは他社と比べ200円以上安いなど、
良心的な価格が目を引きます。
ルーは今回実食したプレーンのほか、欧風カレーもセレクト可能です。
「ロースかつカレー760円(税込)」
のライスの量は、CoCo壱番屋の300グラムより若干少ない印象、しかしカツの重量は
121グラム
と、今回調べた3社のうち
最安値ながら最重量でした
。では実食。
さらりとしたルーは、スパイスのほか、野菜やフルーツも感じられる香り高さがあります。スプーンで運ぶと意外とココナッツのようなまろやかさがあり、塩味とガーリックの風味、あとからスパイスの香味と中程度の辛さが追いかけてきます。
カツの分厚さはあったものの…
ライスは丸みを帯び、硬めの炊き加減ながら水分をしっかり含んだ日本米。カツは自立するくらい分厚く噛み応えがありますが、肉の味は控えめ。
この日の揚げ加減もあったと思いますが、剣先立った衣の焦げ臭さが少々鼻に残りました。
トータルバランスの良さはあまり感じられなかったものの、
「ボリューム感とコストパフォーマンスはバッチリ」
です。辛さも一般的だと思いました。
「日乃屋カレー」はカレーとカツの相性抜群
最後は
「日乃屋カレー」
です。「始まり甘く、後より辛い、余韻残りしカレールウ」がキャッチコピーで、口当たりのハッキリとした甘さから、食べ進めるほどに辛くなってくる、ルーの独特な味わいが特徴です。
基本メニュー数は16種とさほど多くないものの、カツカレーを名物に掲げています。
では、
「名物カツカレー980円(税込)」
の実食と参りましょう! カツの重さは
101グラム
。ライスの大盛りは無料で、普通盛りだと他社よりも少なめに設定されています。
持ち重りのする、どろっとしたルーは、リンゴなどフルーツとシナモン系の甘みが口当たりにハッキリと感じられます。そこからさらにひと口、ふた口とスプーンを運ぶとだんだん辛くなってくるのですが、これがけっこう辛い。ライスは、一般的な日本米よりも粒が若干長く、ぱらりと硬めで、どろりとしたルーとほどよいコントラストになっていました。
また、カツは分厚さこそないものの豚の脂身と赤身を両方感じられる、バランスの良い肉感。豚肉の甘みと衣の香ばしさが、甘みの立ったカレーと非常に好相性でした。
やはりルーの味わいが独特で、ノーマルでもわりと辛め。ここは好みが分かれるところと言えるでしょう。ただ、
「全体のバランスがしっかりと考えられたカツカレー」
という印象を受けました。
筆者の推しは「日乃屋カレー」!
同じカツカレーとはいえ、店のコンセプトやルーの味わいだけでなく、カツにもかなり大きな違いがあるのが意外でした。各社とも、そもそも目指す方向性が違っていそうなので、あくまで個人的な推しにはなりますが、今回は
「日乃屋カレー」
を選びました。3社の中では唯一、全体のバランスがしっかり計算されており、ルーもほかではなかなか味わえない一品だと思います。
マイカリー食堂は「圧倒的なコスパ」、CoCo壱番屋は「親しみやすさ」
と、それぞれに良さがありました。
夏の疲れが抜けない身体に、カツカレーでガツンとエネルギー補給してみてはいかがでしょう?
文/川瀬章太
【川瀬章太】
フリーライター。神戸・大阪の編プロに8年勤務し、グルメ・街ネタ誌や飲食業界誌などを手がける。取材経験は1500件以上。某純文学新人賞の最終選考に3度残ったことがある。現在はWEBサイト「LIQLOG」などで、ビギナーにやさしいお酒の基礎知識や取材記事を執筆中
【関連記事】
・
ココイチ“2400円カレー”の衝撃。「客の8割が注文する」人気の秘訣に迫る
・
ココイチ“2000円超え”の衝撃、再び。「ココイチ史上最高額カレー」を実食した
・
ココイチ“15辛カレー”が新発売。挑戦した結果、気づいたこと
・
強烈に塩辛い「松屋の新作カレー」。“松屋らしからぬ仕上がり”に専門家も困惑
・
ココイチ、ポークカレーが「591円→646円」に…値上げラッシュでも“1000円以内で満足”の組み合わせ4選