俳優、アーティストとして活躍する北村匠海が初の脚本&監督を務める短編映画『世界征服やめた』(2025年2月公開)に萩原利久と藤堂日向が出演することが決定。2人の熱演を切り取った予告編とキービジュアルが解禁された。
【写真を見る】北村匠海の短編映画監督デビュー作『世界征服やめた』のキービジュアル
本作は、独特なワードセンスとパフォーマンスで注目をあびながら、2011年6月23日に不慮の事故でこの世を去ったポエトリーラッパーの不可思議/wonderboyによる代表曲「世界征服やめた」に強く影響を受けた北村が、この楽曲からインスパイアされて脚本を書き下ろし、自ら監督を手がけた短編映画。不可思議/wonderboyは、2009年に彗星のごとく音楽シーンに現れ、2011年には詩人の谷川俊太郎とも共演し、本人許諾で「生きる」を音源化。その勢いのまま待望の1stアルバムを発表したものの、同年6月に24歳の若さで他界した。死後もその楽曲は聴き継がれることになり、いまでは日本語によるポエトリーリーディングを語るうえで、欠かせないアーティストの1人になっている。
主人公である彼方は、社会のなかで生きる内向的な社会人。変化の乏しい日常をやり過ごす中で「自分なんて誰にも必要とされてないのではないか…」と自分の無力さを感じていた。そしてどこか飄々として、それでいて白黒をはっきりさせたがる彼方の同僚の星野。星野の選んだ決断に彼方の人生は大きく揺れ動く。“死“の意味を知る時、明日の選択は自分でできることを知る。世界征服という途方もない夢を追いかけるよりも、自分にしか描けない道がきっとある…。
本作への出演が発表されたのは萩原と藤堂。主人公の彼方を演じる萩原は、北村とプライベートでも親交があり、ドラマや映画で大活躍中の俳優だ。一方、主人公の同僚の星野を演じる藤堂は、北村が才能に惚れ込んで出演をオファーした実力派。加えて、彼方が通う店の店長役で井浦新が友情出演することも明らかになった。
このたび解禁されたのは暗闇の中でもがく焦燥感や絶望感を打ち出した本作の予告編。スタイリッシュな映像のなかには、萩原と藤堂の熱演が収められている。あわせて公開されているキービジュアルには、夢を見ることをあきらめて漠然と生きる彼方と星野の刹那的な空気感が表現されている。
本作は10月17日(木)~27日(日)の期間に開催される「ショートショートフィルムフェスティバルアジア 2024秋の国際短編映画祭」にてワールドプレミア上映が決定しているほか、11月4日(月)に開催される磯村勇斗が企画とプロデュースを務める新しい映画祭「しずおか映画祭」でも上映が決定している。
北村が監督として信頼を置くキャストを迎えた本作。気になるその中身は、ぜひスクリーンで確かめてほしい!
■<コメント>
●萩原利久(彼方役)
「まず監督、脚本北村匠海と書いてある台本を受け取るというのがとても嬉しかったです。友だちが作る作品に出るというのが初めてで、何か不思議でもあり嬉しい気持ちにもなりました。一緒に芝居をしていた友だちがこんな脚本を書くんだなととても驚いたし、音楽をやっている面も含めて本当に多才だなと感じました。お互いがプレイヤーという事もあり、現場でのやり取りが1個1個とてもスムーズで、ニュアンスで伝え合うことができたのがとても良かったです。自分が役者で匠海が監督という普段とは違う形で接するのはちょっとだけ恥ずかしさがあったけど、自分より匠海の方がそういうのがあったかもしれません(笑)そういうのも含めて現場で楽しみながらやっていました。役に関しては、匠海が自分にこの役を用意してくれたのがすごく納得できるし、多分この役は北村匠海も演じることができると思います。このような表現は普段役を演じる時に使うことがあんまりないんですけど、それぐらい心の深い所でキャッチできた部分があった気がしました」
●藤堂日向(星野役)
「この映画の話を頂く少し前、自分は日々に疲れきり、他人に頼らず、そのまま燃え尽きようとしていました。そんな時、北村匠海に『聴いてみて』と言われた曲が不可思議/wonderboyさんの『世界征服やめた』という曲でした。涙がボロボロと溢れてきて、心が熱を取り戻して、何度も何度もリピートしました。感謝の連絡をした後、少ししてから『映画を撮ろうと思っていてそれに出てくれないか』と言われました。その時は、まさか自分が本当に出演することになろうとは微塵も思っておらず、軽い気持ちで出たいと言っていました。話がどんどんと進んでいき、いざ自分の手元に台本が来た時にようやく実感が湧いてきました。鋭利で、ハッと目を引くような、諦観を帯びたその台本は、北村匠海らしく、とても優しくて心の底から温かさを感じる台本でした。監督、北村匠海の初めての作品に関われた事を本当に光栄に思っております。誰もが持っているけれど、どこかに眠っているそれぞれの心の原風景を少しでも感じていただけたらなと思います」
文/スズキヒロシ
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