10月15日(火) 17:59
若者の車離れや高齢者の運転免許証返納などが話題になっていますが、車がなくてもゴルフは大いに楽しむことができます。“ゴルファーの足”としては若干の不自由さがある点は否めないものの、それでもあえて電車でゴルフに行く人は少なくないのです。なぜなら、電車移動でしか得られない発見やご褒美、快適さがあるから。そこで本記事では、電車でゴルフに行く際のメリットやデメリット、注意点について解説していきます。
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電車でゴルフに行くことによって得られるメリットはたくさんありますが、以下の5点に絞って解説します。
特に都心部に住んでいる人は、電車でゴルフの恩恵を実感するはずです。
電車でゴルフに行く場合、事故などがない限り定刻に到着するのがメリットです。事故といっても、車の渋滞のように日常的に起こるわけではないので、通常は予定時間に駅に到着し、そこからクラブバスなどでコースに向かいます。時間が読めるので、道中で「スタート時間に間に合うだろうか」などとやきもきする必要はありません。
一方、車の場合、ひどい渋滞に巻き込まれると普段は10分で通過できる箇所に1時間以上かかったりすることがあります。そうなるともうお手上げです。特に、渋滞によってスタート時間に間に合わないのは、痛恨の極みです。同伴プレーヤーやゴルフ場に迷惑をかけることになり、自分のせいではないにせよ、平謝りしなくてはなりません。
また、夕方はたいてい帰宅ラッシュの渋滞に巻き込まれますから、それが嫌なゴルファーはプレー後のお風呂も歓談も端折って、寄り道もせず帰途につかなければなりません。ラウンド後半になるとネットで渋滞情報をチェックしたり、「今日は渋滞大丈夫かな」とソワソワしたりしながらのプレーになってしまいます。
その点、電車は渋滞の心配が不要です。ゴルフ場へのアクセスは車のほうが便利でも、渋滞の心配を加味すると電車移動のほうが実は近道、ということも往々にしてあるのです。
ゴルフ場の中には、駅から徒歩で行けるところもあります。東京・北区の赤羽ゴルフ倶楽部はJR埼京線・浮間舟渡駅から徒歩7分、千葉・佐倉市にある佐倉カントリーは京成電鉄・佐倉駅から約400m、徒歩5分と驚きの駅チカです。電車で行けるゴルフ場を知っておくと、自らのゴルフライフがより豊かになるはずです。
電車でゴルフに行くと、お酒を飲むことができます。
お酒を嗜むゴルファーにとって、ランチタイムやプレー後のビールは格別の味。その一杯をご褒美的に味わうのも、ラウンドの楽しみのひとつだという人もいるでしょう。地酒や地ビールとの出合いもうれしいものです。ゴルフ場のレストランは非日常感がありますから、なおさらスペシャルな一献になるのです。
自分で車を運転して来たなら飲酒はもちろんご法度ですが、誰かの車に同乗して来た場合、ドライバーに遠慮しながら飲むのは呑兵衛にとってはちょっと窮屈なものです。
もちろん飲み過ぎは禁物ですが、気兼ねなくお酒が楽しめるのも、電車でゴルフの魅力と言えるでしょう。
ゴルフの日は朝早くに起きなくてはなりません。しかし、緊張や興奮から前日はよく眠れず、寝不足のままゴルフ場に来る人も少なくないと思います。コースに出ればドキドキの連続で、たとえカート移動だとしても体力も消耗します。そのため、ホールアウトしてお風呂で汗を流した後は、ホッと力が抜けるのではないでしょうか。
車を運転して来た人は、「今日は渋滞していないか」「安全運転で帰ろう」と気合いを入れ直すわけですが、もしその車にあなたが同乗する場合、ドライバーと同じ緊張感を保てるかといったらどうでしょう。気を抜くと心地よい眠気がやってきて、いつしか夢の中……。運転する人に、いくら「寝ていいからね」と言われていたとしても、爆睡はさすがに相手を選びます。
他方、電車でゴルフに行けば、誰もが睡魔と戦い、それに打ち勝つ必要がありません。失礼にならない限りではありますが、行きも帰りも寝放題。下車後の“反省会”のための英気も養えます。
高速を走ってインターを下りゴルフ場に向かうのと、電車に乗って駅で下りゴルフ場に向かうのとでは、当然のことながら景色や雰囲気が違います。ゴルフ場があるのはたいていのどかなエリアですから、最寄りの駅や駅前はほのぼのしていて、都会の駅とは様子がまったく異なります。
自宅近辺の電車とは違う路線に乗るので、「この電車で間違いないよな」「目的の駅にちゃんと止まるかな」という緊張もあります。乗車前に飲み物や朝食などを買い、車窓からの眺めを楽しみながら飲み食いするのも旅行的で、ワクワクするものです。そして、ゴルフでなかったら縁がなかったであろう駅に下りて、駅前の風情を味わいながらコースに向かうのです。
仮に同じゴルフ場に行くとしても、車と電車とではまったく違った体験ができるのです。
座席指定の特急などでゴルフに行く場合、車内でパソコンを開き、がっつり仕事ができる点もメリットと言えるでしょう。仮に前日やり残した仕事があっても、「電車の中でやればいいや」と思えば気が楽なものです。オフィスや自宅とは違った集中力が発揮できるかもしれません。
また、車の中で本を読むと酔うけれど、電車内での読書は問題なしという人も多いと思います。普段ゆっくり本を読む時間がないという人は、ゴルフの行き帰りの電車内でじっくり読書を楽しんでみるのもおすすめです。
このように、移動時間を有意義な時間に代えられる点も、電車でゴルフに行く理由となります。
電車でゴルフに行く際に気になることの筆頭は、荷物問題ではないでしょうか。
そのほか、ゴルフ場の選択肢、駅からゴルフ場までのアクセスなど、電車でゴルフに行く際のデメリットについて紹介します。
特に自分の車でゴルフに行く場合は、荷物の量を気にする必要がありません。たとえ大荷物になったとしても、それを持ち運ぶ時間や距離は限られますから、あまり細かいことを考えず荷造りすればOKです。ゴルフ帰りに道の駅などに寄ったなら、地場野菜を段ボールにいっぱい、一升瓶の地酒を数本、というような大人買いも車なら可能です。
一方、電車でゴルフに行く場合、荷物が大きくて重いとそれだけでストレスになります。荷物を少なく軽くするにはバッグの中身を見直して整理しなければなりませんから、手間がかかります。どこかで魅力的なお土産を見つけても、荷物を増やしたくないがために泣く泣くあきらめることもあるでしょう。
さらに、身動きが取りづらくなりますし、道中や車内で荷物が邪魔になるのではないか、というプレッシャーも感じます。荷物の重さで肩や腰が痛くなることもあるのではないでしょうか。
キャディバッグの中に入れられる物をできるだけ入れて宅配便で送るとしても、ゴルフの日の荷物はどうしても大きくなりがちです。電車で移動する以上、それを持ち運ぶことはやむを得ないでしょう。
最寄り駅から送迎のクラブバスを運行していたり、路線バスでアクセスできたり、電車でゴルフ場に行く場合は駅からのアクセスのよさが絶対条件となります。
「電車で行けるゴルフ場」などで検索すればたくさんの候補が出てくるので、まずはそれで狙いを定めましょう。ある程度候補が絞られてきたら、そのゴルフ場のホームページに行って電車でのアクセス方法をチェック。クラブバスの有無だけでなく、それが定時制なのか予約制なのかも調べてください。
ゴルフ場予約サイトでは「電車でいけるゴルフ場」として紹介されていても、実は駅からタクシーで45分というところもあります。のどかなエリアでの45分間は、なかなかの距離です。駅から何分(何km)までが許容範囲なのかもふまえて、判断しましょう。
駅から駅まではよくても、駅からゴルフ場までのアクセスが不自由なのが電車でゴルフの弱点。必然的に選択肢が少なくなるのは、致し方ありません。
電車の時間にしばられてしまうのも、やむを得ません。丁度いい電車がなくて朝は到着時間が異様に早いかギリギリになったり、ラウンド後はお風呂に入らず出ないと予定の電車に間に合わなかったり、ということもあるでしょう。乗り換えの接続が悪ければ、待ち時間も増えてしまいます。
渋滞の心配はありませんが、「あの電車に乗らないと」というせわしなさは、電車でゴルフの宿命です。
自分の車でゴルフに行く場合、キャディバッグやシューズはトランクに入れっぱなし、あとは着替えを積み込むだけという人もいるでしょう。
しかし電車で行く場合、まずはラウンドの日から逆算して、確実にキャディバッグが届く日に発送の手配をしないといけません。「翌日つくと思ってた!」「うっかりして忘れていた」というゴルファーは、キャディバッグを持って電車に乗るはめになります。
電車が空いている時間帯ならまだいいですが、通勤ラッシュとかぶるとまわりの乗客から、「こっちは仕事に行くのに、あなたはゴルフですか」と白い目で見られることもなきにしもあらずです。
スタート時間に間に合うように乗り換え方法を調べたり、切符の手配をしたり、荷物が重くならないよう考えて物を詰めたり、やることはいろいろあります。
車のようにフレキシブルに動くことができないので、電車でゴルフに行く際は入念な準備が欠かせません。
電車でゴルフに行くゴルファーにとっては、駅が交通の拠点。駅前に気の利いた土産店や飲食店があれば寄り道も楽しいのですが、シャッター街になっていたりすると、電車が来るまでの時間を駅のベンチで過ごすことになります。
仮に駅からちょっと離れたところにアウトレットがあったとしても、わざわざタクシーに乗って行くのは面倒だし、そもそも電車の時間が微妙、ということもあるでしょう。
その点、車ならノリや思いつきで寄り道先を決めることができます。買い物で荷物が増えても問題なし。行動範囲の広さ、柔軟性の高さは、車には勝てません。
ウッカリからの「しまった!」がないよう、電車でゴルフに行く際の注意点について紹介します。特に普段、電車に乗り慣れている人はご注意を。
車でも電車でも、ゴルフに行く日はたいてい朝早くに出発します。しかし、自宅から特急が発着するようなターミナル駅に向かう電車の場合、始発でも意外と混んでいることが多く、且つ、荷物が多いので身動きがしづらいものです。
また、「早朝だし、下り方面だから大丈夫だろう」と特急の座席指定券を当日の朝に購入しようとしていたら、実は仕事に向かう人で満席だった、というケースもあります。
予定が決まったら電車のチケットは予め購入し、余裕を持って家を出るに越したことはありません。
前述しましたが、クラブバスの有無だけでなく、定時制なのか事前予約制なのかを必ず確認しましょう。定時制の場合は時刻表と所要時間をチェックし、余裕を持ってゴルフ場に到着するバスに乗ってください。
不安な場合は、ゴルフ場に問い合わせておくことをおすすめします。
キャディバッグは、余裕を持って発送しましょう。
クロネコヤマトの場合、「プレー日の前日までにゴルフ場へ到着するよう、『発送締切日』までに発送手続きをお願いします」として、料金とお届け予定を検索ができるページを公開しています。
「自力でキャディバッグを持っていかなくてはならない」「当日ゴルフ場にキャディバッグが着いていなかった!という悲劇を起こさないためにも、電車でゴルフの予定が決まったら、早めにチェックしておくと安心です。
発送料金の目安は、例えば「東京都から千葉県のゴルフ場へ発送・片道」の場合、以下の通りです。(2024年10月15日現在)
・クロネコヤマト「ゴルフ宅急便」2,510円
・佐川急便「飛脚宅配便」2,180円
・郵便局「ゴルフゆうパック」2,170円
※120サイズ超
・
シクロエクスプレス
「
らくらく宅配ゴルフ
」1,300円
トラベルカバー代が別途必要になる場合もあるので、詳細は各社のホームページでチェックしてください。
電車でゴルフ場に行く際のメリットやデメリットについて紹介しましたが、電車か車か、どちらが良くてどちらが悪いというものではありません。
ただ、両者の良さを知り、体験してみると双方に魅力があることが実感できるはずです。ゴルフに対する視野も広がり、ゴルフライフがさらに充実するでしょう。ぜひ一度は、電車でゴルフにGO!