東京・渋谷駅の連絡通路に設置されている岡本太郎氏の大壁画「明日の神話」の第2期大規模改修が、10月15日(火)にスタートする。主催は「明日の神話保全継承機構」(東京)。「岡本太郎記念現代芸術振興財団」(同)が特別協力、渋谷区が後援。
「明日の神話」は2008年11月から渋谷のシンボルとして親しまれてきたが、設置から15年が経過(第1期改修時期の2023年秋時点)し、想定以上に傷みが進行している。貴重な作品を次の時代に残すために、現段階での抜本的なメンテナンスが不可欠と、2023年10月から複数年をかけて大規模な改修・修復を行うことになった。今回は、全14枚のうち今年は壁画中央の4枚(右側から5~8枚目)について、汚れと付着物の除去、亀裂・剥落等の補修、保護剤の塗布などを行う。修復作業は、昨年に引き続き、絵画修復家の吉村絵美留(よしむら・えみいる)氏が担当する。
1日に約30万人もの人々が行き交う場所にある「明日の神話」。相応のホコリが壁画の表面に付着し、壁画の色が霞んでしまうほどだという。明日の神話保全継承機構では、同壁画の公開記念日である11月17日に向けて毎年、終電後に4日間をかけて、表面に付着したホコリを取り除く「
すす払い」を行ってきた。同機構会員とサポーターたちが、高く組まれた足場の上で、絵にキズを付けないように注意しながら、専用のはけで少しずつホコリを払い、掃除機で吸い込ませていく作業を繰り返す作業だ。大規模改修に当たっては、昨年、クラウドファンディングを実施。プロジェクトに参画した「壁守(かべもり)」たちも改修を支えている。
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