深刻な人手不足が叫ばれる今、多くの職場が採用難にあえいでいる。そうしたなか、ひと昔前までは採用されなかったような“ヤバいバイト”が現場に大量発生しているという。常識やモラルが疑わしい人材でも雇わざるを得ない、壮絶現場の実態とは?バイトの横暴で疲弊する社員や店長、バイトリーダーたちを直撃!
女性客が使うシャワー室に突撃、あわや警察沙汰に
24時間営業のネットカフェは朝昼夜と常に人員が必要。とある地方都市のネカフェで6年間バイトしている石田奈緒さん(仮名・26歳)は、現場の惨状を次のように語る。
「店舗の規模は個室ブースが80ほど。バイトが15人いれば店を回せるのですが、最短1日で飛んでしまう人も多く常に人手不足でした。しかも、ネットカフェは『ラクそう』というイメージがあるせいか、数少ない応募者もラクして稼ぐことが目的のヤバい人ばかり。それでも忙しすぎて『人間なら誰でもいい』と見境なく採用しなければならず……」
その結果、店にはヤバいバイトが集結。現場は地獄さながらだったという。
「とある30代の男性バイトに5分で終わる個室ブースの掃除を頼んだら、30分かかっても終わらない。社員がストップウォッチを渡したのですが、鳴っても無視していましたね。ほかにも、使用中かどうかを確認せずにシャワー室の掃除に入って女性客が使用中の部屋の扉を開けた人、客が忘れた高価なゲーム機を速攻で家に持ち帰る人、毎週親族が死んだと噓をついて休み、欠勤した日の翌朝に何食わぬ顔で客として来店した若い女性など、とんでもないバイトばかりでした」
個室ブースには大量のトコジラミが発生
どんな問題人物でもいないよりはましだと雇い続けるも、店は限界に達していた。
「結局、ヤバいバイトだけで頭数を揃えても、オペレーションはうまくいきません。フードの提供を中止にし、ドリンクバーが切れても対応できず、お客様が勝手に補充を始める始末。清掃もままならず、備えつけの毛布もほぼ洗っていないため、客から『臭い』とクレームがきたことも。個室ブースには大量のトコジラミが発生し、私も刺されました」
バカバイトとトコジラミと共存するバイトの時給は1000円弱。石田さんも「割に合わない」と嘆く。
取材・文/週刊SPA!編集部
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