「続きが気になる!でも、続きは存在しない…」というあとを引くやみつき加減がクセになると、最近人気を集めているXアカウントをご存知だろうか?それが“存在しない漫画の1コマ”を定期的に投稿しているユニークなアカウント「存在しない漫画の1コマbot」(@noreal_koma)だ。
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たった1コマでしっかり前後の物語を感じさせるセリフがあり、キャラクターの表情が生き生きしているのが特徴だが、驚くのが“すべて存在しない漫画の1コマ”だということ。ついつい新作が出ていないか気になってしまうこのアカウントの運営者に、どのような意図でアカウントを開設したのか聞いた。
■発想の原点となったのは「架空の出来事を扱うサイト」
なぜ「存在しない漫画の1コマ」を投稿していくことにしたのか、ズバリ聞いてみた。「思い付いた時期はけっこう前だったので詳しく覚えていませんが、『魔界のニュース』『虚構新聞』など、何かしら架空の出来事を取り扱っているアカウントに触発された気がします」とのこと。
そして「もしかしたら需要があるのでは」と感じ、調べた限りでは同じことをしている人がいなかったので活動を開始したそうだ。
SNSでは、言葉ではなく画像やGIFで感情を表現している投稿をしばしば見かけるが、「存在しない漫画の1コマbot」の投稿作品にも同じように活用できそうな1コマが多くある。そんなシチュエーションやセリフはどのように考えているのか。「日常生活でふと思ったことをセリフにすることが多いですね。基本的にセリフを先に考え、それに合ったキャラやシチュエーションを描いています」
■“存在しない漫画”にリアリティを持たせるための工夫とは
スクリーンショット風の作品や印刷物を撮影したような作品など、さまざまな形式の作品を投稿しているのも特徴の一つ。「存在しない漫画」にリアリティを持たせるために工夫している点を聞くと、「コマ外にあえてほかのコマの絵やフキダシをはみ出させて配置しているのが一番の工夫点だと思います。毎回やると露骨すぎるので数回に1回程度に抑えています」と明かしてくれた。
これまでの投稿作品で特に気に入っているのは、「たとえ正論でも口が悪いのはなー…」というセリフが印象的な作品だという。獣人のようなキャラクターがため息を吐きながら、人間関係の煩わしさを憂いているような哀愁漂う一枚だ。
「セリフに言及している人とキャラに言及している人で反応がぐちゃぐちゃになっていて、おもしろく思った記憶があります」とのこと。ちなみに左下に小さく「おわり」と書かれているのも、このセリフに辿り着くまでの紆余曲折を想起させてくれて楽しい。
また、特に反響の大きかった作品は、筋肉質な男性を描いた作品だそう。
直前に投稿した、セーラー服がトレードマークのどことなく妖艶なキャラクター「黒々さん」を描いた作品が3.7万いいねと大バズりしたことも影響したという。「『黒々さん』がバズった翌日の投稿というのもあったと思いますが、『元ネタの該当ページがどのシーンなのか』という興味が湧く=このポストに割く時間が増える、というのが反響の要因だったのかなと思っています」
■転載自由なので、良識の範囲内でバンバン使用してほしい
最後に今後の活動の展望や、読者の方へのメッセージをお願いした。「『汎用性の高いコマ』『単純におもしろいコマ』『キャラが魅力的なコマ』とそれぞれにそれぞれの需要があると思いますが、今後もいい感じのバランスで投稿を続けていく予定です。転載自由なので、良識の範囲内でバンバン使用していってもらえると、とてもうれしいです」
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