10月13日(日) 17:48
<富士通レディース最終日◇13日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
プロとしての国内ツアーデビュー戦で優勝争いを演じた馬場咲希は最終18番パー4でまさかの「8」を叩き、トータル8アンダーの14位タイでフィニッシュした。アマチュアで出場した2年前にも最終日にダブルボギーを叩いたホール。最後の最後に落とし穴が待っていた。
最終日も上位で粘り強くプレーした馬場は15番でこの日3つ目のバーディを奪うと、16番パー5は2オン2パットで連続バーディ。この時点で12アンダーまでスコアを伸ばし、首位に並ぶ山下美夢有、古江彩佳と2打差に迫った。
そのまま迎えた18番、ラフからの2打目は残り165ヤード。「感覚は悪くなかった」と振り返った一打は高いアゴが待ち受ける左手前の名物バンカーにつかまった。「これ以上大きい番手にすると、逆にキャリーが落ちてしまうので」と選んだ6Iはギリギリのクラブだった。
2年前と同じように一打ではバンカーから脱出できず、4打目はグリーンとは別の方向に出すだけ。ラフからの5打目のアプローチもグリーンに届かず、6オン2パットで、最後はトップ10からも転がり落ちた。ホールアウト直後は下を向き、目頭を押さえるような仕草も見せたが「涙は出てないです。もったいないなと思っていました」。最終日のスコアは「73」。開幕前から警戒していたホールだけに悔しさが募った。
それでも、プロとしての国内デビュー戦で優勝争いに加わったことは大きな財産。米女子下部のエプソン・ツアーで1年間プレーし、帰国即の強行スケジュールで挑んだだけに「優勝争いができるとは思っていなかったので、1打差で最終日を迎えられたのは良かったです。最後はもったいなかったけど、勉強になりました」。序盤は優勝スコアを15アンダーと想定。その後は変動するリーダーズボードを見ながら、優勝を意識してプレーした。
来季の米女子ツアーの出場資格をかけた「Qスクール」最終ステージ(12月)までトーナメント出場の予定はなく、今後は国内で調整を続けていく。「今週はきょうだけでなく、学んだことがたくさんあったので、これから2カ月弱の練習に生かしていけたらと思います」。今大会での学び、そして、米国で1年間プレーしてきた経験を糧に、予選会突破を狙う。(文・田中宏治)