10月12日(土) 11:00
高校時代の1年間、そして大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、今年、再び海を渡り米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場にするツアープロだ。そこをスタート地点に、長年「世界最高峰の舞台」として胸に抱いてきたLPGAツアー参戦を目指している。その姿を追う。
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みなさん、こんにちは!先週、シリーズ最終戦(3~6日、エプソン・ツアー選手権)を終えてきました。目標はツアーのポイントランキングでトップ35に入ることでした。ここに入れば、来季の出場権争いで有利になる最終予選会(QT)からの参加が可能になります。最終戦で6位以内に入らないといけなかったので、しっかりスコアを出すことだけをイメージして挑みましたが、結果はトータル6アンダーの37位タイ。ポイントランキング52位で目標には届きませんでした。
初日は18ホール中、11ホールしかグリーンに乗らなかったのですが、パターが良く入ってくれて、いろいろかみ合った結果、5アンダーの「66」という好スタートを切れました。2日目以降もどんどん伸ばしていきたいところでしたが、「73」、「70」、「69」と思うようにはいきませんでした。このコースは伸ばし合いになるとわかっていたので、いいスタートが切れたからこそ、日に日にパターが入らなくなってしまい悔しかったです。
今年はパッティングが課題でした。今回の結果だけを見ると、初日だけが“たまたま”良かったというかたちになってしまったのがすごく悔しいです。今まではショットの調子に“惑わされない、 影響されない”ということを意識してスコアを作ることが目標でした。まだ自分の中でパターが上手くいかないところがあり、これからはパターが入らなくてもオーバーパーを叩かないようなゴルフをできるように練習していきたいです。
最終戦は気温が46度と本当に暑かったです…。毎回、回っている組の1人が熱中症でダウンしてしまうみたいな感じで、大変でした。そのなか私が4日間を回り切れたのは、日本から来てくださったご夫婦のおかげです。旦那様が私のキャディをしてくれて、奥様が飲み物や食べ物を持って歩いてくれました。暑さ対策を一緒にしてくださって、すごくサポートしていただけて、その方たちとのとても大切な思い出になりました。本当に助かりました。
お二人とは、昨年、知り合いの方にご紹介いただき、7月のコネチカット州の試合に初めて応援に来てくださりました。そのときにキャディをしてくださることが決まりました。こうして応援してくださって、キャディ、サポートもしてくださり、本当に感謝しています。ありがとうございました!
さて、最終戦が終わり米ツアーのデビューシーズンはあっという間でした。後半戦にかけて予選を通る確率が高くなっていき、そこは自分の中で評価できる部分だと思っています。自分に足りない部分を、試合を通して知ることができたので、それはすごく良かったですし、成長できたと感じています。
とくに成長を感じることができたのは、“自分で考える力”です。一人でアメリカに来てツアーを転戦し、毎試合の振り返りが必要になってくるじゃないですか。その中で、「自分で考えて、修正して、試合で試して、それがダメだったら考えて」という作業がすごく多かった。これまで日本では当たり前のように(他人に)頼ることができていましたが、改めて環境に恵まれていたこと、コーチ、両親の存在の大きさを感じることができました。このシーズンで、自分で考える力はついたかなと思います。
ゴルフ以外でも、たくさんの経験ができました。移動、キャディさんなど…本当にたくさんありました(笑)。ですが、そのおかげで、一人で何かをやりきるということができるようになったと思います。
QTは2次予選会から挑戦します!本来は10月15~18日にフロリダ州ベニスのプランテーションG&CCで行われる予定でしたが、ハリケーンの影響で延期となってしまいました。私はすでに会場近くに移動しましたが、停電や何が起こるかわからないこともあり、知り合いの方の自宅に宿泊させていただいております。おかげで安心して過ごすことができています。すべての窓に板を貼り、外の物も家の前に集めて横に倒すなど、対策をみんなで行いました。
スーパーに行っても水や食べ物はあまり売っていなくて…。みなさん買い占めしていて残っていない状況です。いつ停電やガスが止まるかもわからないので、すぐに食べられるようなものなどを買っています。外がずっと大雨ということもあり、練習には行けていません。きのうは(フロリダ州に)来る前だったのでインドアの練習場に行って練習できたんですけど、あすの方が(天気は)ひどいので、あすも外に出られない感じですね…。ですが、パターマットで練習をしています。家でできることを最大限やれればいいなと思っています。
QTは去年も同じ会場で受けています。そこはアドバンテージにして、練習ラウンドで振り返っていけたらいいなと思っています。QTの結果次第ではありますが、来年もエプソン・ツアーで戦うことができれば、予選を通過するという目標ではなく、“しっかり上位に入って優勝”できるようなゴルフをしていきたいです。
改めて、このシーズンを通して応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。アメリカに行くという選択を、心から応援してくださったスポンサーの皆様であったり、応援してくださったみなさまのおかげで、今年はエプソン・ツアーをフルシーズンで戦うことができました。上手くいかなくて、落ち込むこともあったんですけど、本当に力強い応援のコメントが励みになりました。お返事はあまり返せていないのですが、全部拝読していて、すごく前向きになるような言葉に力をいただいていました。
将来、みなさまにいい報告をしたい。そう強く思っています。しっかり自分と向き合って、上のレベルで戦えるように頑張りますので、今後とも応援よろしくお願いいたします!