10月12日(土) 17:38
<富士通レディース2日目◇12日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
今大会がプロとして国内ツアー初出場となる馬場咲希が、初優勝に向けて絶好の位置で最終日を迎える。今季は米女子下部のエプソン・ツアーを主戦場とし、今週火曜日に帰国したばかりだが「ゴルフに支障があるような疲れはないかな」と、初日から60台を並べて、首位と1打差のトータル9アンダー・4位タイ。ツアー史上初のデビュー戦Vが見えてきた。
初日に「67」をマークし、7位タイからのスタートとなった2日目も、馬場は順調にバーディを重ねていった。2番で下りの2メートルを沈めると、続く3番はボギーとしたものの、4番で8メートルのスネークラインを沈めてバウンスバック。この日の実測で201ヤードと距離のある8番パー3は5UTで手前5メートルにつけて、3つ目のバーディを奪った。
「ショットがもう少しうまく打てたかなというホールがいくつかあったんですけど、その中でもちゃんと60台で上がってこられたのは良かったと思います」。決して会心のラウンドではなかったが、後半も14番のチップインなど3バーディを奪い、一時は首位に並ぶ快進撃。終盤の17番パー3でボギーを叩いて一歩後退となったが、2日目も「68」で優勝争いに名を連ねた。
エプソン・ツアーではL字マレットのパターでプレーしていたが、今週は「以前、作ってもらって家に置いてあった」という大型マレットの「スパイダーX」(テーラーメイド)にチェンジ。「いつもL字かピン型を使っていたので、マレットはほぼ初めてです。前のパターに不満とかはないんですけど、今の私の打ち方にはマレットが合うかもしれないということで変えました。それが良かったのかも」。パット数は初日、2日目ともに「29」。新パターが好調を支えている。
2020年「NEC軽井沢72」では笹生優花がプロテスト合格から2試合目での初優勝を飾っているが、デビュー戦での優勝はこれまで例がない。「2日目を終わって優勝争いができる位置にいられたのは良かった。優勝争いをちゃんと楽しんで、これからに繋がる経験ができたらなと思います」。報道陣から「チャンスがあれば狙っていく?」と問われると「う~ん」と苦笑いを浮かべるだけだった。
エプソン・ツアーは「近所の人が見に来るぐらいでギャラリーはほぼいません。ギャラリーだと思ったら、犬の散歩だったり(笑)」。この日のギャラリーは3655人。1年間、下部ツアーの環境でプレーしてきただけに、多くの声援がこれまで以上のモチベーションになっている。最終日は最終組の1つ前でのプレー。大ギャラリーの注目と期待を力に快挙へ挑む。(文・田中宏治)