新フェースインサートの能力を最大限に引き出す『BP-3』パター本当にこのお値段でいいの??

角型ネオマレットヘッドにダブルベントネックの『BP-3』

新フェースインサートの能力を最大限に引き出す『BP-3』パター本当にこのお値段でいいの??

10月11日(金) 7:45

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ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。



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ブリヂストンスポーツは『BP-3』パターを2024年9月6日に発売。アンサー型ヘッドにクランクネックの『BP-1』、ダブルワイドのヘッドにショートネックの『BP-2』、その女性用『BP-3 LD』が同時発売になります。
『BP-3』は、角型ネオマレットヘッドにダブルベントネックです。

シリーズ全体のコピーは“接点の科学から生み出した「バイティングフェース」をパターに採用滑らずにスピンを抑え、インパクトでの安定をもたらすラインに乗りやすい高性能パター”です。

数字が名称に入っている場合、1が売れる傾向にあるのは、若い番号のほうがより高性能で、上位機種だというイメージがあるからだと言われていますが、僕は最初にこの新しいパターのラインアップを見せてもらったときに『BP-3』が一番良いと直感的に思いました。ブレード型の『BP-1』『BP-2』よりも、角型ネオマレットの『BP-3』のほうが、インサートの影響が強く出るからです。

この新しいパターの最大のテクノロジーは、「HYBRID CANTLEVER INSERT(ハイブリッド カンチレバー インサート)」です。U字を逆さにしたような片持ち梁構造をアルミ合金で作り、内側にはシリコンを入れて打感を良くし、上部は固定、下部は解放して、フェースサイドが上部を支点にして少し動くようになっているのです。気持ちの問題かもしれませんが、指で押すと下部は後退する感覚があります。これによって、打ったボールの順回転を促進しコロがりが良くなるそうです。

繰り返しになりますが、このテクノロジーの恩恵を最大限に受けるのは、『BP-3』だと推測されます。つまり、本来、こちらが大本命であり、フラッグシップモデルなのです。

さらに、「バイティングフェース」というテクノロジーです。ドライバーで採用されて、スピンを抑える効果の高さを証明したテクノロジーですが、パターでは、ウェットなシーンや、インパクトでミスがあっても安定したコロがりを生み出す効果があるようです。

最後の一つは、機能ではありませんが、購入を考える際に、機能以上に有力なファクターになる価格です。『BP-3』は、乱暴な比較になりますが、最近のパターの四捨五入すると4万円になる実売価格の半分の四捨五入すれば2万円という安値で買えるのです。ちなみに、直販サイトでの価格は、30,800円(税込み)でした。これがいわゆる定価で、一般のショップも確認しましたが、四捨五入すると2万円になる料金のサイトが複数ありました。(2024年10月2日確認)

最先端のテクノロジーが味わえて、現在のプロツアーで使用率の1位を競っている角型ネオマレットパターで、滅茶苦茶に安ければ、仮に使用しなくとも、1本所有していても良し、と考えるゴルファーは一定の割合でいるような気がします。『BP-3』は、実機を見てから試打するまで、指折り数えてしまうほど期待を膨らませる憎いパターです。もちろん、打ってみて、全然ダメなこともあるのがパターであり、ゴルフです。勇んで試打ラウンドをスタートしました。

試打した日は、薄曇りで、気温は24℃~29℃。やや風あり。グリーンは8.5フィートというコンディションでした。使用したボールは、使い慣れていてクラブの影響に集中できる『TOUR B X』です。


【打感・打ち応え】
『BP-3』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさです。音質は、硬質でほんのりと残響があり、打った気がする良い音です。打ち応えは、独特の重さと乗り感があって面白いです。手応えはしっかり打つと敏感で、弱く当たると鈍感気味になり、芯感はやや鈍いです。


【方向性】
『BP-3』の方向性は、ダブルベントシャフトが好きであれば構えやすく、ヘッドの機能でミスヒットでもブレが小さく、安定しています。テークバックが引きやすいのは、角型の特徴が出ています。ヘッドの開閉が小さいタイプのゴルファー用にチューニングされています。


【距離感】
『BP-3』は、コロがり過ぎない感じは今風で、好感触。しっかり目に打つほうがタッチが出しやすいです。慣れてくると、かなり繊細なタッチの距離感も出せます。


【ロマン派ゴルフ作家語る】
『BP-3』は、想定したように新しいフェースの効果が最もハッキリと出るパターです。ひと言で書くと、重く、フェースにくっ付くような感じは、独特ですが、方向も距離感も良くなっていく実感があって、大好きになりました。

全体としては、角型ネオマレット型のパターヘッドは、細かいところまで丁寧に作り込まれていて感心しました。機能とかを無視しても、ホワイトシルバー系のカラーの角型ネオマレット型のパターが欲しいゴルファーには、十分にオススメできます。

これで、価格が安いなんて、嘘みたいな話だと思いながら試打ラウンドをしました。『BP-3』は、色々な要素で文句を言いようながないハイレベルなパターに仕上がっています。

自信を持ってしっかりとヒットしてパットするゴルファーに『BP-3』はオススメです。やさしく押していくストロークでも機能しますが、インサートを生かすためには、しっかり目のヒットが不可欠でした。そして、これが慣れてくると、ボールをストレートにコロがす魔法が使えるようになったと勘違いしてしまう結果を生むのです。ストレートにコロがろうとするので、小さく曲がりを読むようにできれば、面白いようにパットが決まります。

『BP-3』は、新しいフェースインサートの能力を最大に発揮するパターです。どんなにコロがりが良くなったとしても、打感が大好きだったとしても、パターとしての出来が悪ければ勝負になりません。『BP-3』は、総合力も高いのです。角型のネオマレット型パターとしての完成度も一流の領域です。

改めて、ブリヂストンスポーツというメーカーの底力を見せつけられたと思いました。角型のネオマレット型のパターは、21世紀になってからツアーパターとしてベースモデルの一つになりました。ブリヂストンスポーツは、現在、継続したパターブランドを展開していないので、『BP-3』は、市場にあるパターを徹底的に研究をして、作り上げたと想像すると、それが簡単ではないことがわかるから凄さもわかるのです。

『BP-3』に拍手を贈ります。本当に良いパターでした。少しでも気になるのであれば、『BP-3』は購入しても損はない1本になっています。


【試打ギアスペック】
『BP-3』

ヘッド素材 SUS304ステンレス+タングステン
インサート A6061アルミ合金+シリコン
ヘッド重量 366cc
ロフト 3.5度
ライ角 70度
長さ 34インチ


【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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