10月10日(木) 12:00
ジョシュ・ハートネットがM・ナイト・シャマラン監督の新作映画『トラップ』で主人公クーパーを演じている。シャマラン監督は「この映画を観る大きな理由のひとつは、ジョシュの素晴らしい演技を観ることだ」と語っており、ハートネットは監督の言葉どおり、素晴らしい演技を見せている。
ハートネットは1978年生まれのアメリカ人俳優。『パラサイト』や『パール・ハーバー』『ブラックホーク・ダウン』『シン・シティ』などに出演し、舞台でも活動する才人だ。昨年公開された映画『オッペンハイマー』では実験物理学者アーネスト・ローレンスを演じた。
彼がシャマラン映画に出演するのは初だが、これまでのシャマラン作品はすべて観ていたそうで「彼は現代の映画界で、本当に独創的な映画製作者のひとりで、優れたコンセプトと卓越した技術で作品を作り続けている」と信頼を寄せる。
シャマラン監督は「クーパーのような特別な役を演じるには、すべてを受け入れ、リスクを取って全力で勝負する準備ができている俳優が必要だった。観客にとって、この映画を観る大きな理由のひとつは、ジョシュの素晴らしい演技を観ることなんだ」と力説する。
映画の冒頭、クーパーは娘を溺愛する平凡なお父さんとして登場する。娘が好きなアーティストのライブチケットをとって一緒に出かける優しい父親だ。
しかし、劇中で彼は警察が全力をあげて追っている切り裂き魔だと分かる。クーパーは人の命を簡単に消し去る恐ろしい人物で、相手の一歩先を読み、うまく立ち回りながら危険を回避する。そして、自分が脱出するためなら、手段は選ばない。
本作の最大の魅力はクーパーがふたつの顔を“分かりやすく”演じ分けないこと。クーパーは変身するように父と切り裂き魔になったりはしない。優しい父親の顔のまま罠から脱出するために動き、恐ろしい切り裂き魔のまま、愛する娘のために売店に向かう。ふたつの顔がひとつの行動の中に同居している。境界線が曖昧で、お父さんなのか凶悪犯なのかパッと見では判断できない。
この複雑な演技をジョシュ・ハートネットは見事に体現している。その瞬間、クーパーは優しい父なのか?それとも切り裂き魔なのか?その瞬間、彼は罠から脱出する方法に向かっているのか?それとも追い詰められているのか?ハートネットの名演が観客を魅了し、さらなる罠に誘い込むのだ。
<作品情報>
『トラップ』
2024年10月25日(金) 公開
公式サイト:
https://wwws.warnerbros.co.jp/trap/
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