私はカエデ。3人きょうだいの真ん中です。私と妹のユリエは地元で暮らし、兄のヨウイチは遠方に住んでいます。今はそれぞれ結婚して家庭を持っていますが、会えば子どもの頃に戻って話せるような仲の良いきょうだい関係です。さてこのたび、ユリエが男の子を出産しました。実家の両親にとっては初孫で、はたから見ていても嬉しくて大フィーバーしているのがわかります。特に母の喜びようはものすごく、最初は微笑ましく見ていたのですが……。
「初孫フィーバーってやつだねー。ユリエがかわいい子を産んだから嬉しかったんだね」私は笑いながら言いましたが、ユリエはなんだか浮かない顔です。「あれ?何かあったの?」その反応に引っかかった私は、ユリエに話を聞いてみました。
「ユリエにそっくりね」って言うならわかるけど、なんでお兄ちゃん……?ユリエが戸惑ってしまうのも分かります。あまり気にしないように「きっとお母さんも舞い上がっちゃってるんだよ」とフォローはしておきましたが……。
妹のユリエがオースケを出産すると、両親は初孫に大喜び。「かわいい、かわいい」とそれはもう大はしゃぎだったのだそうです。しかしユリエは、母のある発言に違和感を覚えていたようです。それは「オーちゃんはお兄ちゃんにそっくりね」というもの……。
ユリエにそっくりというのならわかりますが、なぜそこで兄の話が出てくるのでしょう。さすがにユリエも少し嫌な気持ちになったそうです。私も少し気にはかかったものの、今は大きなトラブルになっていないようなので、そっとしておくことにしました。
しかし母のその言動は、オースケが成長するにつれてさらに激しくなっていったのでした。
【第2話】へ続く。
原案・編集部脚本・motte作画・マメ美編集・井伊テレ子
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