『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。サンジャイは、愛車のバウアー(1981年式 BMW 323i バウアートップカブリオレ)に細やかなケアと愛情を注いでいる。
【画像】美しく蘇ったBMW 323iが家に戻ってくるのが待ち遠しい!(写真3点)
私は今、ラドフォード・レストレーションズのケアを受けて数カ月が経過した愛車のバウアーを受け取ることができないという状況に陥っている。というのも、我が家のガレージの屋根が修理を必要としていて、それならいっそのこと、屋根を修理する代わりにその上に増築してしまおうと思い立ったからだ。ちょうど子どもたちが戻ってきていることもありタイミングもいい。工事はすでに数週間が経過しているが、建築作業が完了するまではバウアーを家に持ち帰ることはできない。
ラドフォードのディーン・シャープ氏とそのチームは、バウアーの改良に大いに貢献してくれた。その様子は、トム・ホルナが撮影してくれた素晴らしい写真(driveclassics.co)でも見ることができる。特にフロアの修繕は大規模な作業で、燃料タンク、燃料ポンプ、ブレーキライン、排気系をすべて取り外さなければならなかった。そして、内装と配線ハーネスも取り外した。さらに、ドアやフロントフェンダーを外すと、そこには錆まで見つかった。彼らはシャシーレールにガセットプレートを溶接し、強度と剛性を向上させ、内側フェンダーのねじれを軽減するために補強ストラットを取り付けてくれた。床には改良された防音材を使用する予定だ。まだ現在残っている小規模な作業の中には、ボンネットの小さな凹みの修復や、ダッシュボードの照明のLED化がある。また、フロント用のレカロシートを購入したが、そのうちのひとつは生地の修繕が必要だ。
さらに、車内のファンからはカビ臭い風が出てくるため、原因を突き止める必要があるし、ウィンカーのレバーは自動的に戻らない。また、シフトリンケージには遊びが多く、カーペットを外している間にきれいに洗いたいところだ。将来的には、電動ウィンドウを取り付けることや、空調システムを後付けすることも検討している。コヴェントリーにあるクレイトン・クラシックスでは、クラシックカー向けにカスタムエアコンユニットを取り付けてくれるらしいので、それも気になるところだ。古い車についての会話が、純粋な楽しみから「どれだけの利益が出るか」という話に偏ってしまっている現状には、正直苛立ちを感じている。私の父は1950年代のMGマグネットを、寿命を超えても大事に乗り続けていた。新しい車の方が快適で安全性も高く、燃費も良くて維持費も安いにもかかわらず、父はMGを運転したいと考えており、そのことを誇りに思っていた。毎週末、ビーチへ行く前には車を念入りに洗い、食べ物や飲み物、ビーチ用品でいっぱいのトランクを抱えて出発したものだ。そして車は、いつも注目の的だった。
バウアーは私の心に強く響く何かを持っていて、時として他人にとっては不合理だと感じるような決断を私にさせることもある。しかし、私はこの車を愛しており、手が届く範囲で少しずつ改良を続けていくつもりだ。
文:Sanjay Seetanah
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