ロイヤル・オペラ・ハウスで繰り広げられる、世界最高峰の英国ロイヤル・バレエの舞台が映画館で現地さながらに楽しめる「英国ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズン」。2024~25シーズンは、ロイヤル・オペラ・ハウスが「ロイヤル・バレエ&オペラ」と改称したことに伴い、タイトルを新たに「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ2024/25」と題し、2024年11月29日(金)~2025年9月25日(木)までの期間中、全10演目を各1週間限定にて全国公開することが決定した。
【写真を見る】日本出身のプリンシパル・ダンサー、金子扶生がシンデレラ役を演じる「シンデレラ」
タイトルを新たにするシーズンの幕開けと共に日本版予告映像が到着。リヒャルト・ワーグナーによる名曲「ワルキューレの騎行」が壮大な始まりを感じさせながら、シーズンを彩る各作品の名シーンが次々と登場。夢へ誘われる幻想的なバレエと、心奪われる情熱的なオペラの全10作品のラインナップに期待の高まる予告映像となっている。
あわせて到着したポスタービジュアルは、「ロイヤル・オペラ・ハウス」の美しい劇場内のカットに加えて、「映画館の扉を開けるとそこは、バレエとオペラの魔法の空間。」という心ときめくようなコピーが添えられている。さらに、バレエの人気作「不思議の国のアリス」や「シンデレラ」をはじめとした各作品の印象的なシーンの数々に彩られ、新たなシーズンの幕開けが華々しく表現された特別なビジュアルとなっている。
新シーズンのバレエ作品は、レパートリーの中から選りすぐった人気の4作品に加えて、先シーズン特に人気の高かった2作品のアンコール上映も予定されている。今シーズン最大の注目作は、ロイヤル・バレエで生まれ、世界中で上演されている超人気作品「不思議の国のアリス」。ブロードウェイミュージカル「パリのアメリカ人」の振付で知られるクリストファー・ウィールドンが手掛け、フランチェスカ・ヘイワード、ウィリアム・ブレイスウェル、ローレン・カスバートソン、スティーヴン・マックレーと、プリンシパルが4人も登場するかつてない黄金プログラムとなっている。
続いては、ロイヤル・バレエの代表作で、伝統と革新が見事に調和した「シンデレラ」。意地悪な姉妹役を男性ダンサーが女装して演じる点は、ユーモアを加えつつ新鮮な驚きをもたらす演出であり、前回のリニューアルで導入された、花々で彩られた美しいプロダクションも観客を魅了する要素の一つ。また今回の公演では、日本出身のプリンシパル・ダンサー、金子扶生がシンデレラ役を演じることも大きな注目点となっている。
演劇性を重視したロイヤル・バレエならではの名作「ロミオとジュリエット」は、運命に翻弄された恋人たちが、熱烈な恋を通して短い生を駆け抜けるシェイクスピア原作の永遠のラブストーリー。セルゲイ・プロコフィエフの音楽と重厚な美術、ケネス・マクミランの振付で何度観ても涙せずにはいられない深い感動をもたらすに違いない。
そしてシーズン最後を飾るのは、「不思議の国のアリス」を手掛け、ミュージカル界でも人気のクリストファー・ウィールドンの4作品を上演する「バレエ・トゥ・ブロードウェイ」。トニー賞受賞の名作ミュージカル「パリのアメリカ人」の一場面が、ロイヤル・バレエのダンサーによって初めて演じられる予定だ。
そしてアンコール上映は、冬の風物詩で家族連れにも人気の「くるみ割り人形」と、言わずと知れたバレエの代名詞「白鳥の湖」の2作品。これらの6作品を観れば、世界トップクラスのバレエ団、ロイヤル・バレエの魅力を堪能できること間違いなしだ。
そしてオペラ作品は、オーストリア、フランス、イタリア、ドイツの名作をラインナップ。シーズンの幕開けを飾る「フィガロの結婚」では、オーソドックスな衣装、美術、照明を背景に、モーツァルトの美しい音楽に合わせて、フィガロとスザンナの結婚式当日のドタバタが躍動する。
ホフマンと3人の女性の幻想的な恋物語「ホフマン物語」は、「キャンピング・コジ」として知られる新国立劇場「コジ・ファン・トゥッテ」の演出家ダミアーノ・ミキエレットと、テノールのスーパースター、フアン・ディエゴ・フローレスのタッグによる新制作で、世界中のオペラファンの注目を集めている。
そして1984年プレミエという長い人気を誇るアンドレイ・セルバン演出版「トゥーランドット」。北京を舞台に絶世の美女トゥーランドット姫と彼女に恋した異国の王子カラフを描く本作は、太極拳を取り入れた特徴的な動きが見どころだ。
神々の長ヴォータンが人間の女性との間にもうけた双子の兄妹の愛と、女戦士ブリュンヒルデが神々の世界を追放されるまでを壮大に描いた「ワルキューレ」新制作では、ワーグナー上演作品の総本山と言われているバイロイト音楽祭で高い評価を得たバリー・コスキーの斬新な発想と奇抜なアイデアに期待ができる。
ライブでの観劇の魅力とは一味違う、映画館の大スクリーンと迫力ある音響で、日本にいながらにして最高峰のオペラとバレエの公演を堪能できる「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ2024/25」。長年愛され続けている定番プロダクションから、革新的な演出家による斬新な新制作まで、バラエティに富んだラインナップで幅広く楽しめるようになっている。
文/平尾嘉浩
【関連記事】
・
古典バレエの最高傑作をIMAXで!『パリ・オペラ座「白鳥の湖」IMAX』が公開
・
2.3トンの巨大シャンデリア、ファントムメイクに4時間半…『オペラ座の怪人』のすごさを数字で振り返る!
・
ロマコメ『ブルックリンでオペラを』で新たな顔を披露!変幻自在の名優、P・ディンクレイジのほっとけない魅力
・
英国ロイヤル・バレエ団の超絶技巧…『ロミオとジュリエット』の美しすぎる世界<写真30点>
・
『キャッツ』見せ場の歌唱シーンでテイク14回!トム・フーパーと主演女優も手応え