長年にわたって愛されて続ける医療ドラマの金字塔を映画化する「ドクターX ~外科医・大門未知子~」を映画化した『劇場版ドクターX』(12月6日公開)の完成報告会見が10月8日にテレビ朝日で行われ、米倉涼子、田中圭、内田有紀、勝村政信、鈴木浩介、遠藤憲一、岸部一徳、西田敏行が出席。本作が「FINAL」であることを発表した米倉が、スタートから12年の想いをあふれさせて涙を浮かべた。
【写真を見る】12年の想いあふれ…米倉涼子、涙!
本作は、孤高のフリーランス外科医、大門未知子の活躍を描いた医療ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の劇場版。ドラマ放送開始から12年を経てついに迎えた劇場版で明かされるのは、米倉演じる“絶対に失敗しない”外科医、未知子誕生の秘密。さらにこれまでのドラマシリーズで幾多の危機を乗り越えてきた未知子が、史上最悪の危機に挑む。脚本は中園ミホ、監督はテレビ朝日の田村直己が担当する。
会見ではまず本シリーズのダイジェストムービーが放映され、仲間と絆を育んできた12年の歩みを見つめていた米倉の瞳にはさっそく涙が光っていた。ダイジェストムービーが終わると、「浸っていたんですが、いま言わなければいけないですか?」と躊躇しながら、「私から今日この場を借りて大事なご報告がございます」と切りだした米倉。「12年間ここにいる仲間たちと育ててきた。何回も何回もこれで終わりと言いながら、12年間続けてきた『ドクターX』。この映画で最後の『ドクターX』となります」と本作が「FINAL」であることを口にした。
続けて「本当にこの『ドクターX』が愛されてきたのは、ここにいる仲間たち。そして12年間、敵役として出てくださった共演者の皆さま。スタッフの皆さま。なによりこの作品をずっと応援してくださった視聴者の皆さまのおかげだと心底思っております」とたくさんの人に感謝を伝え、「愛情が詰まった仲間たちと、最後の『ドクターX』の締めくくりとして『劇場版ドクターX』でファイナルを迎えることができました。たくさんの応援してくださった皆さまに、ぜひ劇場に足を運んでくださって、本当に想いの詰まったドクターXをぜひ、ぜひ観ていただきたい」と時々声を震わせながらも、愛と力を込めてファンに語りかけて大きな拍手を浴びた。
涙を浮かべる米倉を常に笑顔でサポートしていたのが、城之内博美役の内田だ。「いつも最後だと思って演じきた」という内田が、「彼女がこれを最後にすると決めた決断を、私たちはただただ応援するのみ。いつも通りやっていこうと思いました」とエールを送ると、米倉は再び涙をにじませた。内田はそんな米倉を見て「やめなさいよ」とお茶目にツッコみながら、「私たちが全員、足並みを揃えてこうして『FINAL』の発表ができた。大門未知子を演じ続けてくれた、米倉涼子に感謝を言いたいなと思います」とすがすがしい表情でお礼を述べた。米倉も「私が感謝です。ありがとう」と相思相愛の想いを打ち明けるなど、2人の特別な絆を感じさせるひと幕となった。
森本光役の田中は「びっくりもしましたし、ええ!と思った」と「FINAL」への率直な感想を吐露。「『FINAL』に呼んでいただけたことがすごくうれしい。シーズン1から離れてはまた戻ってきてみたいな感じでしたが、最後に自分の大好きな先輩たちと一緒に『ドクターX』の世界を生きられる。すごく幸せです」と喜びを噛み締めた。森本は今回、未知子のルーツを探っていくことになる。米倉は「どんどんかっこよくなっていく、圭ちゃん。圭ちゃんとは『ドクターX』のもっと前から出会っている。ひょんなことからルーツを探るところまでやってくださって、本当に頼り甲斐のある森本先生でした」と田中への信頼を語りながら、目尻を下げていた。
加地秀樹役の勝村は「このメンバーは家族のように仲がよくてやさしくて、厳しくて。ちょっと会わなくなるとすぐに会いたくなって、いまでもみんなでご飯を食べに行ったりしている。このメンバーで撮影ができなくなるというのはとても寂しい。どこに行っても役名で呼ばれるドラマはこれだけ。ステキなドラマに参加させていただいて、映画という形で終われるのが幸せ」、原守役の鈴木は「みんな健康でここまで撮影をやり続けてこれたことに、感謝の気持ちしかありません。始まった当初の新鮮な気持ちが薄れることなく、12年間の撮影の臨めたのは、緊張感を与えてくださるいい先輩方がいて、みんなで切磋琢磨していい作品をつくろうとする前向きな気持ちが強い現場だったから」と本シリーズの現場への強い思い入れを明かす。海老名敬役の遠藤も「近所の小学生たちに会うと、遠目から『ドクターX!』と呼ばれている時期がありました。タイトルで声をかけられたのは、『ドクターX』だけ」と周囲を笑わせながら、「おそらく映画が当たれば、またやるんじゃないの?やってほしい!」と訴えて、さらに会場を笑いに包んでいた。
そして神原晶役の岸部は、「映画で終われるというのは、いい区切りになるかなと思いました」と言いながらも、「正直に言うと、未知子ともう会えなくなるなというのが半分ある。大きなスクリーンで観る時には12年間、積み重ねたメンバーの絆が絶対にスクリーンに映るだろなうと思って臨みました。残念とは言いませんが、ちょっと寂しいという気持ちは残りました」と正直に告白。蛭間重勝役の西田は「蛭間重勝という役とこれでさよならするのかと思ったら、ちょっと寂しい気持ちになりました。蛭間重勝は好きな役のベスト5に入る」とあらゆる役を演じてきた西田にとっても、大好きなキャラクターだと名残惜しい気持ちを打ち明けた。
米倉は闘病生活を乗り越えて、本シリーズの「FINAL」へと辿り着いた。米倉は「このメンバーには気を遣わせてしまって、大変な撮影になってしまった。家族同然の想いで挑んでくださって、本当に感謝しています。想いがあふれすぎている作品です」としみじみ。「自分の人生と背中合わせでつくられてきた作品。それが映画という形になるうえで、ご迷惑をおかけしたり、自分自身と戦いながらこの作品に挑めました。一生忘れられない作品」と宝物のような作品だと並々ならぬ想いをあふれさせていた。
取材・文/成田おり枝
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