【第1話】から読む。
前回からの続き。私は田畑ケイコ(30)。小学校で1年生の担任をしています。夫とは2年前に結婚しました。子どもたちのことは大好きで、いつか自分の子どももほしいと思っていました。でも、子どもは授かりもの。周りの友人を見ても、ほしいと思うタイミングで授かることはなかなか難しいようです。私は自然に任せることにしました。そして病院で妊娠していると告げられたのは、新学期が始まったばかりの4月。ずいぶん悩みましたが管理職の先生に伝えました。
教頭先生によると、今まで何人か妊娠中の体調不良で予定よりも早めに産休に入った先生がいらしたそうです。
それで今回教頭先生と話し合い、まだ安定期に入っていない段階でしたが、保護者にお伝えすることにしたのです。
教頭先生や校長先生、主任の先生とよく話し合って決めた発表だけど……保護者や生徒の不安を想像すると「これで本当によかったのかな?」とも思ってしまうのです。
その放課後、教頭先生に呼ばれました。
応接室に通されると、教頭先生から一通の手紙を渡されました。封筒を裏返すとサクくんのご両親の名前が連名で書いてあります。
教頭先生に促され、不安ながらもその手紙を読み始めました。
手紙を読んで、自然と涙が出てきました。
サクくんのご両親が不安を抱えるなか、こんなに感謝と愛情がこもった手紙を書いてくださったことに感動したのです。
今日の朝もサクくんが泣いていたので行ってみようかと思っていたところ、いつも暗い顔をしていたサクくんのお母さんが明るい笑顔でサクくんに語り掛け、私が連れて行っていたカエルがいる池まで一緒に歩いていくところを見たのです。
後日、補助の先生を交えてサクくんと接する機会を作りました。
まだサクくんは緊張気味ですが、触れ合う機会を重ねていけば緊張も解けていくことでしょう。
いつ私が抜けても大丈夫なように、サクくんが安心できる関係を補助の先生と作ることができればと願っています。
教頭先生はじめ、ほかの先生方も協力してくれています。
私もできる限りのことはして、無事に元気な赤ちゃんを産もう。
それがきっと恩返しになるはず。
今はそう思っています。
原案・ママスタコミュニティ脚本・もえこ作画・善哉あん編集・石井弥沙
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