例年以上に暑い日が続いた今夏。炭酸飲料を飲んでスカッとしたり、アイスクリームを食べて甘さと冷たさに癒されたりしながら、涼しくなるまで乗り切ろうと頑張っている人も多かったのではないだろうか。今回は、そんな人たち必見の体験談を紹介したい。
ぜいたく品の高級アイス
ある暑い日、日比谷陽子さん(仮名・年齢は秘密)は、いつもセール対象外となっているメーカーのカップアイスが割引になっているのをみつけ、思わず歓喜した。そして、決められた個数制限まで目一杯に購入し、自宅へ急いだとか。
「自分が食べるカップアイス以外はすぐに冷凍庫へ入れ、ウキウキルンルンでリビングのソファに着席。そのあとは、録画しておいたお気に入りの番組を見ながらアイスをチビチビ楽しみました」
陽子さんによると、「家や車2台分のローン、生命保険料や子どもたちにかかる塾の費用など、生活費で毎月カツカツです。しかもそのとき購入したアイスは、他のアイスに比べて価格帯が高いこともあり、我が家では高級品」だったそうで、1年ぶりぐらいの購入だった。
「ある日、そんな高級アイスがテーブルの上に放置されていたのです。一瞬、子どもたちの食べ残しかと思ったのですが、『歯がしみる』という理由で、アイスを食べていた夫が食べかけの状態で放置していたことが判明。しかも夫は、アイスを差し置き、ゲームに夢中です」
夫への怒りがフツフツと
アイスはドロドロに溶け、テーブルはそのカップの水滴でビチャビチャになっていたほど。もちろん、スプーンも刺さりっぱなし。「高いアイスなのに!」ともったいない精神で、ふつふつと怒りが湧き上がってくる。
「しかもその日は休日だったため、私自身は、平日は仕事で難しい家事を汗だくでこなしていたこともあり怒り倍増でした。エアコンのガンガンに効いた涼しい部屋で子どもたちとゲームを楽しみ、高級アイスをドロドロに溶かすなんて、あり得ないと思ったのです」
そして陽子さんは「今度このアイスから食べてよね!」と言い、夫の名前を書いたカップアイスを冷凍庫へ。それから数日が経ち、有休消化で1人家にいた夫は、夕方近くまで爆睡。前日の暴飲暴食で食欲がなく、自分の名前が書かれたアイスを食べることにしたという。
「そのアイスが最後だったので、夫はわざわざ、おいしそうに食べる自分の姿をスマホで写真に撮って送り付けてきました。『こっちはオフィスで仕事に追われているのに!』とイラっとして、『アイスでお腹でも下せばいい』とメッセージを返信してしまったのです」
呪いのメッセージが的中してしまった…
数時間後、陽子さんは自分が送ったメッセージ内容について後悔することになる。なぜなら、残業を終えて自宅へ戻ると、夫が「腹が痛い!」と悶絶していたから。そんな夫の背中を子どもたちが、「さっきから、急に痛いって言いはじめて…」と心配そうに撫でている。
「その様子に尋常ではないと思い、すぐに夫を車へ乗せて病院へ。診断の結果、溶けたアイスを再冷凍したことが原因だと判明しました。溶けているあいだに菌が増殖したようです。まさか、アイスが食中毒の原因になるとは思いもせず、驚きしかありませんでした」
夫婦仲を見直すキッカケに
陽子さんはすぐ夫に「ごめんね」と謝った。けれど夫は、冷たい目で陽子さんを見つめ、「逆の立場だったら、こんなので済んでないよな?」と静かに言い放ったとか。そして、自分のアイスだったら絶対に再冷凍などしなかっただろうとハッとした。
「ほかにも、いつの間にそんなふうになってしまったのか、『夫のだからいいや』というふうになっていたことが結構あったことを再認識したんです。自分や子どもたちの惣菜や弁当を買うときにはこだわるのに、夫の分は適当ということも日常茶飯事でした」
陽子さんは、「この一件が夫婦間を見直して反省するキッカケになり、夫も結果的には良かったと言っています。ただ、アイスの再冷凍はキケン。絶対にやめてほしい」とアバイスしてくれた。暑い日はもちろん、一年を通して再冷凍は避け、おいしいアイスを楽しんでほしい。
<TEXT/夏川夏実>
【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5
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