声優アイドルユニット・i☆Risのドキュメンタリー映画『Live&Documentary Movie~i☆Ris on STAGE~』が、9月13日(金)より全国で公開される。
i☆Risの10周年プロジェクトの最終章となる同作は、過去のライブ映像と撮り下ろしインタビューで構成。彼女たちのこれまでの歩みを切り取りながら、未来への決意に迫った重要作となる。
今回、メンバー5人に同作を中心に、グループの現在地について話を訊いた。
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ファンのみんなとも過去を振り返れるので、ありがたい機会だなって思いました(茜屋日海夏)
――劇場版アニメ『i☆Ris the Movie - Full Energy!! -』に続いて、今回のドキュメンタリー映画が公開されることについて、率直な気持ちを教えてください。
山北:
アニメは作品って感じだったんですけど、ドキュメンタリーは“i☆Ris!”って感じだから、“公開されて大丈夫かな?(笑)”みたいな気持ちはあります。でも、自分たちが歩んできた人生そのままだから、それを観てくれるんだって思っています。このドキュメンタリーがよくなかったって言われたら、i☆Risが否定されているみたいだなって思っちゃうから、“いい感”を絶対に抱いてほしいです(笑)。
――山北さんのパートはリアルな感じだったので、否定されるとつらいですね。
山北:
それだったら、“さよなら”って感じですね(笑)。
――芹澤さんは、いかがでしょうか?
芹澤:
私は、けっこう嬉しい気持ちですね。劇場版アニメの方はファンタジーで面白かったんですけど、今回のドキュメンタリーはメンバー個人のインタビューもあるので、私ですら知らなかったほかのメンバーのエピソードもけっこう出てきて、そんなことあったんだって思ったりしました。ファンの方も“俺たちの推してるi☆Risちゃん頑張ってきたんだな、12年間ありがとう”って、きっと思ってくれると思う。そういうi☆Risを推しててよかったってファンの方が思う機会になるんじゃないかなって、すごい楽しみです。
――個人的な悩みも吐露していましたね。
芹澤:
私たち、相談し合わないユニットなので、ほかのメンバーの悩みを知らないんです。だから“(ほかのメンバーが)悩んでたんだな”と知れてよかったです。
――続いて、茜屋さんは?
茜屋:
普段は、日々仕事でバタバタして、なかなか過去を振り返る時間もないですし、自分の過去のライブ映像も観たりしないんです。そんな中、今回はインタビューだけではなく、過去のライブ映像も挟まれたりして、自分はもちろん、ファンのみんなとも一気にまとめて過去を振り返れるので、すごくありがたい機会だなって思いました。
――茜屋さんは、今回、地元の秋田に戻られていましたね。
茜屋:
私は高校の時、仕事のたびに上京してたんですけど、映画に出てきた「おなごりホン」(秋田空港に設置されている、出発者と見送り者が、ガラス越しに会話ができるインターホン)を利用させてもらっていたんです。「おなごりホン」は、大人になって上京して、たまに秋田に帰ったりする時にはなくなってて、けっこう寂しかったんです。でも、私が“欲しい”って言った声をきっかけに復活してくださって。秋田の方の優しさをすごく感じて、めちゃくちゃ嬉しかったです。
――続いて若井さんは、いかがでしょうか?
若井:
i☆Risのことをこれ以上知ることができないぐらいリアルに描かれていると思ったので、初見の人に1番渡しやすい資料じゃないけど(笑)、これからファンになる人はこれを観たらi☆Risのことが1番わかるなって思いました。これで新しいファンの人が好きになってくれたら、めっちゃ嬉しい。正直、昔のライブ映像とか恥ずかしいけど(笑)、こんなにもi☆Risは可愛くなれたんだとか思うし、今のファンの方はもちろん、初見さんにもすごくいいんじゃないでしょうか。
――若井さんはご家族も出ていて、普段見れない表情とかも見せていましたね。
若井:
確かに。家族に会った時の顔とか方言とかって、やっぱりファンの人の前ではちょっと出さないものというか、あれは岐阜に行ったから出る顔って感じでしたね(笑)。
――それでは、久保田さん、いかがでしょうか?
久保田:
“これこれ”って思いました。48グループや乃木坂46、=LOVEとか、アイドルの劇場版映画といったら、ドキュメンタリーのイメージが強かったので。先にアニメ映画が公開されて、i☆Risちゃんはもともと声優もアイドルも頑張るユニットみたいなコンセプトだったから、“どっちも叶えててすごいじゃん!って思いました(笑)。
――久保田さんは想い出の地として池袋と神宮外苑を訪れていました。
久保田:
そうですね。“どこがいい?”って聞かれて、“本当に欲にまみれた考えでいいのであれば、沖縄に行きたいです”って言ったんですけど、“(想い出を深く)話せる?”って言われて(笑)。“いや、家族旅行の楽しかった想い出しかないです”って言ったら、話せるところにしてほしいとのことだったので、私にとって想い出深いところかなと思って、よく行ってた池袋と(合宿のランニングコースだった)神宮外苑にしました。
“えー可愛い!あとで、いじってやろう”って思いました(久保田未夢)
――今回のドキュメンタリーは約半年の期間撮影をしていたので、語り尽くすことはできましたか?
若井:
思ったより使っていない素材がいっぱいあると思いました。そのぐらいけっこうしゃべりましたね。
――カメラの前でも、自分のことをたくさん話せたんですね。
芹澤:
多分個人だったから、いろいろ話せたんだと思います。照れくさいので。
若井:
わかるわかる。
山北:
全員いる時は絶対感情出さないので。
若井:
間違いない(笑)。素直になってる感じはありましたよね、やっぱり家族が出てきたりとかしたので。
――今回の作品では、ファンの方が登場して、メンバーに対する想いを語っています。ファンのコメントを入れることを聞いた時、どんな風に思いましたか?
若井:
事前に使うことはハッキリ聞いてなくて、特典会の時にファンの方が取材されてて、“これ使われるのかな?”って。私たちも映像を観て、なんか知ってる人がみんな映ってるみたいな感覚でしたね。
――山北さんはいかがでしたか?
山北:
めっちゃ自己肯定感上がるって思いました(笑)。握手会とかでいろいろ褒めてくれたりとかすることはたくさんあるけど、映像に残ってるのっていいですよね。
――いつでも見返せますからね。
山北:
そうですね。あそこのシーンだけを見返したいっていうか、あのシーンだけを集めて総集編とか作ってくれないかな、1時間ぐらいで(笑)。
――芹澤さんは、いかがでしたか?
芹澤:
メンバーによってファンの特色が出るなって思いました。もう久保田さんのファンはみんな“はっはっ”みたいな(笑)。
若井:
わかる!(笑)
芹澤:
ちょっと文字にするの難しいんですけど、ワンちゃんって感じでした(笑)。私のファンは“優ちゃんのようになりたい”みたいな憧れの気持ちがすごい強い子が多くて。お話会では、ほかのメンバーのファンの方と話す機会ってあまりないので、私のファンはよく知ってる方たちだったけど、ほかのメンバーのファンを観るのもすごく面白かったですね。
――茜屋さんは、いかがでしたか?
茜屋:
私も自己肯定感が高くないので、あのシーンだけをずっと観ていたいって思えるぐらいありがたかったです(笑)。みなさん特典会で“ここが好き”とか直接話してくださるんですけど、“じゃあ私がいないところでは、どう考えているんだろう?”って思っていて、それを知ることができました。見た目だけじゃなくて、中身のことも褒めてくださったのも嬉しくて。きっとほかのファンの方にも話を聞いていたと思うので、それも観たいぐらいです(笑)。
――久保田さんは、いかがでしたか?
久保田:
一生懸命しゃべっていると思いました!(笑)みんな、私と会ってしゃべってる時とはまた雰囲気が違って、ちゃんとカメラとか向けられてインタビュー受けてて、“えー可愛い!あとで、いじってやろう”って思いました(笑)。
多分ライブがなかったら、とっくに解散していたと思う(山北早紀)
――今回の作品ではライブ映像もポイントになっていますが、i☆Risにとってライブとはどういう場所ですか?
山北:
ライブがi☆Risみたいなものかなと。多分ライブがなかったら、とっくに解散していたと思います。みんな、ライブが死ぬほど楽しくて続けているみたいなところは絶対あると思うし。多分ファンの人も、i☆Risの曲が好きとか、ビジュが好きとか惹かれているところはいろいろあると思うけど、何が1番好きかって聞かれたら絶対ライブだと思うんです。だからi☆Ris=ライブ、ライブ=i☆Ris。今回のドキュメンタリーは、i☆Risそのものって感じですね。
――そうなると、コロナ禍はけっこう大変な時期だったのでは?
山北:
そうですね。メンバーも1人卒業しましたし。
芹澤:
確かに(今作では)めっちゃ映ってて。過去の映像がかなり多かったので、“(i☆Risは)6人だった。そうだそうだ”って思って。それが変な感情じゃなくて、“こういう時代もあったな”って、すごい懐かしく、私たちもちょっと嬉しかったというか。“そう、昔はこのフォーメーションだったね”みたいな。フォーメーションもだいぶ変わっちゃったので、 今はない振り付けも6人バージョンではあって面白かったです。“この時はこういうi☆Risだったよね”みたいな、i☆Risを映しているライブは当時のままだなって思いました。
――これまでグループとして変化はあったと思いますが、逆に結成時から変わっていないのはどういうところだと思いますか?
若井:
プロ意識というか、負けたくない気持ちじゃないですかね。みんな忙しくなってきたりして、5人で集まれる時間がないとか、ライブまでにリハの回数も少なくてヤバいってなっているんですけど(笑)、本番ではみんなちゃんと決めてくるんです。昔からライブでできなかったことはないし、完璧に持っていくっていう努力をするところとかは変わらないかなって思います。
――メンバー個々での活動も活発ですので、リハーサルの時間も取れなくなってきているんですね。
若井:
昔よりは。
芹澤:
ほかのアイドルの方とかのお話を聞くと、めっちゃ少ないみたいです。
若井:
そうなんだ。声優業をはじめ、ほかにもいろいろ個人活動を行なっているので、グループで集まっている時間がほかのアイドルさんよりも少ないんだと思います。
i☆Risは、弱音を吐き合う場ではない(若井友希)
――グループ活動を長く続けるための秘訣はありますか?
芹澤:
えー……(メンバー同士の)距離感。
――i☆Risは、どういう距離感なんですか?
芹澤:
私たち一緒にご飯に行ったりとか、プライベートの悩みとかも共有し合わないです。
久保田:
仕事の悩みすら言わないよね。悩みとか共有しない(笑)。
芹澤:
友達みたいにはならないけど、この距離感だから続いたっていうのはあると思います。
――そのスタンスは、最初からずっと?
芹澤:
個々で交流することはありますけど、みんなでというのはずっとないです。
久保田:
みんなでは、そういう話はしないよね。
山北:
普通のグループは相談するのかな?
芹澤:
例えば、誰かが“今回のこのセトリ、ちょっとここがきつい”とか言ったら、“じゃあ変えようか”とかあるみたいだよ。
若井:
弱音を吐かないよね(笑)。(i☆Risは)そういう場ではない。
久保田:
そういう場ではない(笑)。
一同:
あはは(笑)。
久保田:
そうだね、我々そういう場ではないね。
――プロ意識が高いんですね。
久保田:
ですね。そういうのは変わらないです、ずっと。
芹澤:
メンバー個々で、家族とか友達に(弱音を)言っているかもだけど、メンバーにはそういうことを言わない。
――i☆Risは、メンバー間の距離感が本当にウマく出来上がったんですね。
久保田:
ホント秘訣だと思います(笑)。
芹澤:
めっちゃ仲がいいと、何かしら亀裂が入ったりとかあるのかもしれないけど、私たちは近づきも離れもしない距離感なので、嫌にもならない……ベストですね。
うちらは12年目のリアル感と余裕感が面白いのかな(芹澤優)
――メンバー同士のよい関係性は、今回の映画を観ていても感じることができました。現在はさまざまなアイドルグループがいますが、みなさんはアイドルとはどういう存在だと考えていますか?
芹澤:
メンバーによるかも。みんなで一貫してはあるかな?
山北:
みんなではないかな。今、アイドルっていっぱいいるし、なんでもありですよね。
若井:
時代によっても変化していくから難しいよね。
山北:
歌って踊ればアイドルなんじゃないですか(笑)。
――いろいろなアイドルがいる中で、i☆Risの強みはどう考えていますか?
久保田:
生歌かな?よく友達からは、ホントに声通るね、MC聴きやすいねとか、言葉がすごい入ってくるって言われます。それは、声優もやってアイドルもやっているからかな。みんな、歌が真っ直ぐポンって通るから、それがi☆Risちゃんの強みかなって思います。
芹澤:
あと12年やってると、もう包み隠すものがないから、みんなリアル。MCとかでも猫かぶっているメンバーもいないし、それが逆に面白さに繋がってるのかなって思います。若い子は、やっぱり可愛く振る舞うじゃないですか(笑)。それもそれで大好きですよ。“頑張ります!”みたいな感じも好きですけど、うちらは12年目のリアル感と余裕感が面白いのかなって思います。
茜屋:
本当に今2人が言ってくれたとおりのこともあるし、ずっと思っているのは、やっぱり個性が際立ってるなっていうのはすごくありますね。ファンは推しに似るじゃないけど、ファンの色もすごく色とりどりで、客席とかも見てて楽しい。私も関係者の人とかに、ファンの人を見てるのが楽しいってよく言われます。私たちもだけど、ファンも面白い人がたくさんいるっていうのも強みかなって思いますね。
■インフォメーション『Live&Documentary Movie~i☆Ris on STAGE~』
出演:i☆Ris 山北早紀芹澤優茜屋日海夏若井友希久保田未夢
主題歌:「愛 for you!」/i☆Ris
監督:野中哲也
脚本:金森直哉
制作プロダクション:カイエン SEP,inc
制作協力:FAB
配給:エイベックス・フィルムレーベルズ
2024年9月13日(金)より全国公開
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