【写真】原作者・伊与原新氏も第1話を試写で見て、会見に途中から参加した
窪田正孝が、9月24日に行われたドラマ10「宙わたる教室」の取材会に共演の小林虎之介、伊東蒼、制作統括の神林伸太郎氏と共に登壇した。
■定時制の高校を舞台にした感動小説をドラマ化
大阪府のとある定時制高校・科学部。年齢も抱える事情もさまざまな生徒たちが、2017年の科学研究の発表会「日本地球惑星科学連合大会・高校生の部」で優秀賞を受賞した。彼らの実験装置は意外な人物の目に留まり「はやぶさ2」の基礎実験に科学部として参加するという想定外の事態も...。この実話に着想を得て生まれた伊与原新氏の感動小説「宙わたる教室」を、窪田正孝主演で実写ドラマ化。
窪田が演じるのは、34歳の理科教師の藤竹叶。27歳で博士号を取得し、科学の研究論文は世界的な学術誌に掲載されて研究者としての将来を有望しされていたが、突如として定時制高校の教師になることを決意した。「定時制というなかなかない舞台で、ジェネレーションを超えた何かがうごめいているのが定時制らしさが感じられます。夜の教室というのが、今までの学園ドラマとは違う雰囲気があって、大人の青春が詰まっているなというのをお話をいただいた時から感じていました」と、ドラマの特徴を笑顔で説明した。
定時制高校に通う2年生の柳田岳人を演じる小林は「すごくたくさんの世代が集まっていて、それぞれ考え方とか、どういう思いで学校に来てるかも違っていて、みんな挑戦しようとして学校に来たけど、その過程で諦めちゃってる人もいて。それが藤竹と出会って変わっていくという物語で、読んでても面白いし、演じてても熱が上がってくる感じだったので、楽しみにしててください」とアピール。
同じく定時制高校に通う1年生・名取佳純役の伊東は「原作で文章でしか読んでなかった実験が第1話から実際にやっていますが『こんなふうだったんだ』っていう驚きとドキドキがあって、撮影していて楽しかったです」と、実験シーンが見どころだと伝えた。
■窪田正孝「科学の楽しさをどう伝えられるかを意識しました」
演じる上でのこだわりについては、窪田は「科学と聞くと堅苦しいものなのかなっていうイメージがあって、セリフでも難しい専門用語もあったんですけど、そこまで難しいものっていうふうに捉えてしまうとそういうふうにしか見えなくなってしまうんですが、科学の楽しさというのを、特に第1話は実験の面白さを、生徒の皆さんはもちろんなんですが、視聴者の皆さんにもどう届けられるかを意識しました。あまり熱を帯びて伝えすぎると視聴者側も引いてしまうのかなと思ったので、熱すぎず、冷たすぎず、距離感を保ちながら科学の面白さを実験を通して伝えたいと思いました」と、藤竹という役を通して科学の楽しさも伝えたいと語った。
小林は「柳田岳人は、大雑把にいうと不良で、大久保とか歌舞伎町で暮らしてる役です。僕自身は不良とかヤンキーとかをしてきたわけではないので、まずは岳人のまとってる雰囲気を掴みたいと思って、クランクインの前、1週間ぐらい余裕があったので、夜、実際に歌舞伎町に足を運んで、『どういう人がいるのかな?』とか『歌舞伎町ってこういう空気なんだ』というのを感じてきました」と、役作りのために歌舞伎町を訪れたことを明かした。
それを聞いていた神林氏が「本当に職質受けちゃったんだよね」と話すと、小林は「そうなんですよ」と言って、「自転車で行ったんですよ。止まっていて絡まれるのも嫌だなと思って、自転車でゆっくり漕ぎながら同じところをグルグル回ってたんです。そうしたら3人の警察官に止められて、『お兄さん、カバンの中見せて』って言われて、『自転車も盗んだやつだろ』っていうのがありました(笑)」というハプニングがあったことも明かした。
伊東は「佳純はずっと自分の殻に閉じこもっていて、家族以外の人とあまり接することがなかった子で、藤竹先生に声をかけられて科学部に入るまでが目まぐるしいだろうなって思っていたので、根っこにある火星とか宇宙とか天体が好きという気持ちを忘れないようにして演じようと思いました。あとは、藤竹先生の言葉に佳純が引かれていくというのをちゃんと自分の中で大事にできればと思って演じました」と、佳純の気持ちをしっかりと考えて演じたと語った。
■原作者の伊与原新氏も絶賛「原作の世界が何倍、何十倍にも豊かに広がっていた」
原作者の伊与原新氏が会場に来ていて、途中から登壇して会見に参加。第1話を試写で見た感想として「のこのこと来て、感想を言うまでもなく、めちゃくちゃ良くて感動しました。続きが早く見たいなと思いました。これは自分の原作が面白いという事ではなくて(笑)、澤井(香織)さんの脚本の力と出演者の皆さんの演技の力で、自分の原作の世界が何倍、何十倍にも豊かに広がっていたのが驚きで、感動しました」と大絶賛。
窪田が演じた藤竹について「本当にいそうな感じがして、素晴らしいなと思いました。もともと藤竹は教師としてのトレーニングを受けてきた人ではなくて、研究者としてのトレーニングを受けてきた人なんですね。なので、自分が教える側で生徒は教えられる側というのをあまり意識していません。フラットな目線を持った人物というのを窪田さんの演技から感じられたのですごいなと思って見てました」と、その演技を称えた。
それを受けて窪田は「藤竹はあくまで研究者というか、プレーヤー側なので教える側ではないんですね。そこは軸にあって、先生らしくいようというのは全くないですし、回を重ねるごとに彼の裏側に人の温かさみたいなものが、生徒の皆さんを通して、彼が一人の人間というか有機物になっていくのかなって思います。あとは、まだまだいっぱい謎がある宇宙。その謎は一握りしか証明されていません。でもその真理に誰よりも興味を持っているのが藤竹だから、科学というか、宇宙、天体を好きだという気持ちを常に持って、ある種、ピュアな子どものような心のままでいる人だと思って演じてました」と、自身が演じる役柄を分析した。
ドラマ10「宙わたる教室」は10月8日(火)夜10時からスタート(全10回)。
◆取材・文=田中隆信
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