【音楽通信】第164回目に登場するのは、個性豊かなメンバーが集結し、ジャンルレスな音楽性で人気急上昇中の令和世代の女性アイドルグループ、ミームトーキョー!
でんぱ組.incの妹分として新時代のグループが誕生
SAE。3月14日生まれ。趣味は映画館、神社・パワースポット、純喫茶巡り。特技はギター、中国語。
【音楽通信】vol.164
MEWさん、RITOさん、SOLIさん、SAEさん、MITSUKIさん、NENEさんの6人組ユニット「ミームトーキョー」。
2019年に結成、2021年7月に現体制となり、8月にメジャーデビューを果たした、でんぱ組.incの妹分となる令和世代の女性アイドルグループです。個性豊かなメンバーが集結し、唯一無二の新しいスタイルを披露し続けて人気急上昇中!
そんなミームトーキョーが、2024年6月26日にニューEP『MEMETIC WORLD』をリリースされたということで、グループを代表してSAEさんとNENEさんにお話をうかがいました。
――まず自己紹介からお願いします。
SAE赤色担当の最年長のSAEです。クリエイティブで熱いメンバーが多いなか、冷静に一歩引いてグループを俯瞰的に見る役割だといえますね。165cmと身長が高いので、スタイルや立ち姿がきれいだと言っていただくこともあって、そこがチャームポイントだと思っています。
NENEオレンジ色担当NENEです。グループのなかでも物怖じせず、やりたいことをどんどん発言する役割かなと。やりたいことがないなら作ればいいじゃん!と、曲を作ることも。チャームポイントは、顔の真んなかにあるホクロです。
――小さい頃に憧れていたアイドルと、2021年からミームトーキョーに加入されたおふたりの加入のきっかけも教えてください。
NENE。7月6日生まれ。ソロ名義「ロマンチック中毒」としても活動。趣味はヨガ、レコード集め。特技は英語など。
SAE人生で最初に好きになったアイドルはAKB48です。なかでも松井玲奈さんが初めての推しで、そこからずっとアイドルが好きで、自分自身でもアイドルを目指すようになりました。その頃、当時から好きだった(アイドルグループの)「バンドじゃないもん!」や、結成したばかりのミームトーキョーが所属する事務所DSPMのオーディションを受けたところ、奇跡的にミームトーキョーのメンバーに選んでいただき、加入することになりました。
NENE小さい頃に憧れていたのは、(ディズニー・チャンネルの海外ドラマ)『ハンナ・モンタナ』の主役ハンナ・モンタナです。普通の女の子がウィッグをつけると全米のスーパースターになるお話なのですが、そのキラキラなスタイルに憧れて、彼女の唯一無二なところに惹かれました。
ミームトーキョーに加入する前は、ソロでシンガーソングライター、フィメールラッパーというスタイルで活動していたんです。そのときにミームトーキョーのプロデューサーのもふくさんからインスタのDMにメッセージをいただいて。メジャーデビューのお話があったので、これは親孝行のチャンスだと思って、ミームトーキョーに加入しました。
――2021年8月にシングル「THE STRUGGLE IS REAL」でメジャーデビューされました。現在、デビューから4年目となりますが、当時と現在で心境の違いや変化はありますか?
SAEデビュー当時は私も加入したばかりで、アイドルとして右も左もわからず、正直なところメジャーデビューの実感もありませんでした。でも、これまで3年間活動をして何作もリリースさせていただき、自分でも作詞やスタイリングに挑戦するなかで、だんだんとミームトーキョーの作品や歴史の一部になれてきている感覚が持てるようになりましたね。
NENE私は「やるなら徹底的にやる!」がモットーなので、デビューのときから精一杯できることをしてきました。ただ、振り返ると、当時は少し勘違いしていたところがあったなと。自分さえ良ければいい、自分ががんばればどうにかなる、と思っていたんです。でも、グループ活動はひとりで行うものではないので、そんなわけはないんですよね。いまはみんなに「丸くなったね」と言われるくらい、自分の役割を合理的に考えて、ちゃんとコミュニケーションを取ることで、「みんなで一緒に上がっていこう!」という思いに変わりました。
EPは“ミームトーキョーの世界”を提示
――2024年6月26日に、ニューEP『MEMETIC WORLD』をリリースされました。まずタイトルの意味や今作で抱いた手応えからお聞かせください。
SAEこのEPは、いまのミームトーキョーのライブで代表曲になっている曲たちやメンバーが作詞作曲した自己紹介ソング「MEME THE WORLD」も収録されていて、その名の通り“ミームトーキョーの世界”はこれだ! と示せるような作品になっています。
NENEそうだね、タイトルは“ミームトーキョーの世界へようこそ”という意味もあるかな。今年の3月に、初めて東京のZepp Shinjukuで「世界」というタイトルのワンマンライブを行ったんですが、そのステージで披露したようにメンバーそれぞれのバラバラな世界観があってこそ、私たちのオリジナリティが発揮できているのかなと。
そんなミームトーキョーだからこそのサウンドとリリックで、今回のEPもクリエイターのかたがたが制作してくださって、みなさんからの想いを胸に私たちが世界へ示す“ミームポップ”を存分に詰めた作品になりました。良い作品ができたので、聴いてくださるみなさんと一緒に世界に広がっていけるという手応えがあります。
――EPは、TRFの名曲をハードでダンサブルにカバーした「Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~」から始まりますね。どんな点を意識して歌いましたか。
SAEミームトーキョーの普段の楽曲は、ラップだったり、激しめで強かったりするものが多いなか、この曲はアレンジはいつもの楽曲に近いのですが、ボーカルはあえて原曲のハッピーなポップスらしい雰囲気を残した歌いかたを意識しました。普段と一味違う歌声が楽しめます。
NENE私はもともとファンクがすごく好きなので、TRFさんの名曲と私たちらしさが組み合わさるということで「よっしゃー!」と思いました。ミームトーキョーのメンバーは声が可愛い割合が高く、ファンク×可愛い=新しい!最高!」となるので(笑)、完成を楽しみにしていたんですよね。私の声は可愛いほうではないからこそ、みんなとのギャップを生むようにかっこよくファンキーに歌い、原曲が発売された1995年当時のソウルを歌うように心がけました。
――2曲目は、ミームトーキョーの人気曲も制作したボカロPのSTEAKAさんが手がけた、アッパーな新曲「CUTE TURN」です。
SAESTEAKAさんの曲はいつもそうなのですが、聴いた瞬間からドストライクで、その日中、頭から離れませんでした。中毒性のあるサビと、この曲で初めて挑戦した間奏のヴォーグダンスがあるので注目してほしいです。
NENEダンスミュージックという枠に収まりきれないアガる曲で、めちゃくちゃカッコいい曲です!こんな海外でも戦えるような曲があるなんて。サウンド感がたまらないですし、ちゃんとのれるのに音の遊び具合も気持ちいいんですよね。歌詞の言葉遊びも楽しくて、語感もポイント。ただ、歌うのはとても大変でした(苦笑)。
――chelmicoさんが作詞の「AGAIN AND AGAIN」の聴きどころは?
SAEダークで攻撃的なラップから、サビで突然明るくポップに転調するのが印象的な曲で、初めて聴いたときに私もびっくりしました(笑)。でも、聴いたら幸せな気分になれるところがおすすめです。
NENEryo takahashiさんのトラックもものすごくカッコよくて。とくにベースからサビにいくところは、chelmicoさんへの解像度が高いなと。リリックで好きなポイントは、「脳 もう分かってるんでしょ?脳 無意識に侵入しちゃうから」とあって、最初にデモを聴いたときは「NO~」と歌っていると思ったら「脳」だと知ったときの興奮度は高かったですね。あと、自分が歌っている「苦しくなるほど楽しくなってきちゃうんだ」というラップパートは、ライブで息が続かなくて苦しいんですけど、最高に楽しいです(笑)!
――サクライケンタさんが手がけた「story, story」のポイントは?
SAEなんといってもサビの「What は 話 わ 輪 わ 和 わ wa は? わ わ わ わ」という部分が中毒になるので、頭を空っぽにして一緒に歌って踊ってもらいたいですね。さらに、サビ前の「聞いててよ」というところは、実は何度も録り直したこだわりポイントなので、気にして聴いてもらえたらうれしいです。
NENEミームトーキョーにありそうでなかった楽曲。リリックの意味を深く考えず、めっちゃ楽しいので、音楽を感じてほしいですね。耳心地も最高。とくに私が好きなポイントは、SAEちゃんのパートで「やば ば ば ば ば but バ バ バ ば ば ば ば」のところ。ライブでお客さんの立場に自分がいたら、来てほしいときにくるこのハーフのビート感がクセになります!
――どの曲も独創性にあふれていますね。ラストには、メンバー全員で作詞作曲した「MEME THE WORLD」が収録されています。
SAE自己紹介の曲になっているんですが、自分を客観的に見なければ自己紹介の歌詞が書けないので難しくて、メンバーにも助けてもらいながら完成できました。この曲はNENEちゃんが一人ひとりのイメージに合ったトラックを作ってくれていて、ステージではひとりずつ入れ替わりながら歌っているので、ゲームのキャラクター紹介のようになっているのが見どころです。
NENE絶対に爪痕を残したかった初のZepp Shinjukuのステージでこの歌を披露することが決まっていて、新しいことがしたくて作った曲です。そこで、自分ができる最大限のことを考えて、ラフでトラックを制作すると、みんながのってきてくれて。音を作っていくのは本当に大変でしたが、作ってよかったです。
ただ、ステージングや歌詞についてはそれぞれが自分の強みをわかっているグループなので、曲が完成してしまえば何も心配はありませんでした。ミームトーキョーのライブを初めて見た人にも“メンバーのキャラクターを魅せる”ということを意識して制作したので、それぞれのパートを楽しんでもらえたらうれしいです。
――今回のEPをどんなふうに聴いてほしいですか?
SAE爆音で聴いてアガれる曲、ハッピーな曲、心が折れそうなときに背中を押せる曲など、いろいろな場面で聴いてもらえるEPになっています。メンバー自身が制作に関わった曲もありますし、ミームトーキョーをいつもそばに感じながら、聴いてもらいたいですね。
NENE長年のファンのかたは、EPで聴く新しいミームトーキョーの行き先はどこに向かうんだろうと思っているかもしれません。でも、新しい魅力を見せ続けることは、最高に面白いことではないかと思っているので、一緒にこれからもミームトーキョーの歴史を作っていってほしいですね(微笑)。
――今後のライブやイベントのご予定はありますか。
NENE対バンイベントなどに最近は出演していますが、もっとファンのみなさんと会いたいなと思っています。今後も濃厚な時間をみなさんと過ごすために、できることをやっていきます。
SAE2024年10月10日に秋葉原ディアステージで久しぶりの主催ライブ「木曜日のミームトーキョー」を行いますし、ハロウィンイベントも予定しています。ミームトーキョーは毎年、ハロウィンにも気合を入れていて、今年は自分たちで世界観を決めてスタイリングをしました。秋も盛り上げていきたいと思います!
世界中に唯一無二のグループを知ってもらいたい
――お話は変わりますが、最近ハマったものはありますか?おやすみの日の過ごしかたもお聞かせください。
SAE秋の味覚が大好きで、とくに栗をこよなく愛しているので、カフェを巡って“栗活”をしています!おやすみの日は、ひとりでも映画館に行くことが多いですね。最近だと、『ラストマイル』という映画が面白かったです。
NENE最近はストリートスタイルにハマっていて、髪型を変えるたびに、趣味嗜好も少し変わったりするので、面白いですね。おやすみの日は、曲を制作したり、本を読んだり、寝ずに映画とドラマを観たり。いまは、パーティに行きたいです(笑)!
――わぁ、楽しそうですね!ちなみに美容面で日頃から気をつけていることは?
SAE食べたものを毎食、記録するようにしています。食べすぎや足りていないものに気付くことができるので、体調管理にも役立っています。あとは、毎日しっかり湯船に浸かって、からだを温めるのも欠かさないようにしていますね。
NENE私はメンタルヘルスのために運動をしています。以前、ワンマンライブのときには、体力作りのために走り込みをしました。いまも1時間は散歩をしたり、ヨガをしたり。
――では、お気に入りのファッションやこだわりのコスメなどはありますか。
SAEファッションだとモードっぽい服装が好きなんですが、最近はデニムやストリート系の服装にも挑戦しています。お気に入りコスメはNEOGENのマスカラとSO NATURALのフィックスメイクスプレー。ライブで滝汗をかいても、アイドルメイクがキープされるのでおすすめです!
NENE今日どんなスタイルになりたいか、マインドになりたいかで、いつも服を選んでいます。メイクは服に合わせたり、自分のなりたいにようにするので、どんなメイクにも対応できるように、アイパレットもリップも無限にカラーを持っています。だから、こだわりすぎてコスメがたくさんあるんですよ。
――いろいろなお話をありがとうございました!最後にグループの今後の抱負を教えてください。
SAE最高のクリエイターさんと作る自分たちの作品に自信を持っているので、いろいろなフェスに出演するなど、ジャンルを問わず、たくさんの人に知ってもらえたらうれしいです。ミームトーキョーという唯一無二のグループがいることを世界中のかたに知ってもらえるように、私たちの世界を広げていきたいです。
NENEこれからも自分たちが誇りを持って「カッコいい」と思えるグループでいられるように、全力を尽くしていきます。今後は、ワンマンライブツアーがしたいですし、SAEちゃんも言っていましたがフェスにも出演したい。さらに、話題になってワンマンが全公演ソールドするようなグループになっていけたらと思います。
取材後記
6人のメンバーそれぞれが独自の魅力を持ち、令和時代を鮮やかに駆け上がっているアイドルグループ、ミームトーキョー。今回ananwebの「音楽通信」には、グループからSAEさんとNENEさんが登場してくださいました。新作では、EDMやラップ、ダンサブルな楽曲などを取り入れて、アイドルのフィールドを超えた歌唱力やパフォーマンスを見せてくれています。そんなミームトーキョーのEPをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!
取材、文・かわむらあみり
ミームトーキョーPROFILE
MEW、RITO、SOLI、SAE、MITSUKI、NENEによる6人組ユニット。
2021年8月、でんぱ組.inc の妹分ユニットとして、シングル「THE STRUGGLE IS REAL」でメジャーデビュー。
「ミーム」とは、人から人へ伝染し、広がっていく文化的な遺伝子のこと。さまざまなカルチャーを横断しながら、自分たちのコンセプトやスタイルを世界中に拡散させ、次世代へとバトンをつないでいく令和世代の女性アイドルグループとして活動中。
2024年6月26日、ニューEP『MEMETIC WORLD』をリリース。
Information
New Release
『MEMETIC WORLD』
(収録曲)
01. Overnight Sensation 〜時代はあなたに委ねてる〜
02. CUTE TURN
03. AGAIN AND AGAIN
04. fight/flight
05. story,story
06. MEME THE WORLD
発売中
(完全生産限定盤)
TFCC-81068(CD)
¥3,000(税込)
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