【写真】劇中で身に着けていて、買い取ったという腕時計を披露する藤ヶ谷太輔

藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)と奈緒が、9月11日に都内で開催されたW主演映画「傲慢と善良」ジャパンプレミアに登場。共演の倉悠貴、桜庭ななみ、メガホンをとった萩原健太郎監督、原作者の辻村深月氏と舞台あいさつを行い、原作への思いや久々に共演して知った新たな一面などを語った。

■“2023年最も売れた小説”が映画化

同作は、現代に生きる人々のリアルな恋愛観や価値観を描き、第7回ブクログ大賞を受賞した辻村氏の同名小説が原作。20代から30代を中心に多くの共感を呼び、2023年最も売れた小説に選ばれた。このほど「人生で一番好きな小説」と映画化を熱望していた藤ヶ谷と「辻村作品に出演するのが夢だった」という奈緒のW主演、萩原監督の演出で映画化。マッチングアプリでの出会いから始まった2人が最後にたどり着く、“一生に一度の選択”を描いた感動の恋愛ミステリーとなっている。

映画化が決まる前から原作のファンだったという藤ヶ谷。冒頭のあいさつで、辻村氏から今回の映画について「原作のファンの方たちもきっと『これが見たかった』と思っていただける『傲慢と善良』になっていると思います」などと太鼓判を押されると、藤ヶ谷は「うれしいですね！ニヤニヤしちゃうっていうか…うれしいなあ」とにっこり。

そんな大好きな作品が映画化され、主役の一人である西澤架を演じることが決まったときのことを、藤ヶ谷は「本当に心からうれしかったですし、2019年に出会ったときは、この小説がすごくささって面白いとだけ伝えていて。伝えながらいつか自分がやりたいなという思いは1mmもなく、それが“言霊”として形になったことがすごくうれしかったです」と、好きな思いを公言したことで今回の大役につながったことを喜び、「原作がとにかく好きなので、原作の香りは絶対に残したいし、この映画ならではの良さも絶対に入れなくてはいけないなと。監督、奈緒ちゃんとも話し合いをしながらみんなで作っていったので、それもいい思い出として残っています」と、実際に演じるにあたって監督らと話し合いながら役にアプローチしたことを伝えた。

一方、今作に限らず辻村氏の作品が大好きだという奈緒は「この作品に携われる上で大事にしたいなと思っていたのが、『傲慢と善良』という2つの言葉があって、なるべく一つの物事をどちらかの一言で決定づけないように、ということを意識しました。『傲慢と善良』を“意識し過ぎないことを意識する”というか、そのためには自分だけの価値観じゃなくて、一緒に作るみんなの価値観とかいろんなものを共有しながら、話せば話すほど傲慢と善良の間で揺れ動くことができたので。クランクアップの瞬間までずっと揺れ動いていたいな、というのは自分の中で大事に追いかけていました」と、独りよがりにならないように、いろんな人の価値観を尊重、共有しながら撮影に臨んだことを明かした。



■藤ヶ谷、奈緒の意外な一面を暴露「倖田來未さんの物まね…」

藤ヶ谷と奈緒は、2020年に放送されたドラマ「やめるときも、すこやかなるときも」(日本テレビほか)以来の共演となる。

今回の作品が、“婚約者の知らなかった一面を知る”というストーリーということで、互いの意外な一面について尋ねられると、藤ヶ谷は「『休みの日に何をしている？』って話になったときに、奈緒ちゃんが『最近倖田來未さんの物まねにはまっていて、一人でカラオケに行って練習しています』って。そのエピソードのインパクトが強過ぎて、『そうなんだ』だけで終わらせましたけど、その日の夜に風呂に入っているとき、すごいエピソードだったな！って(笑)」と、時間差で衝撃を受けたというエピソードを紹介。

それを受けて、MCからどんな感じでやっているのか説明を求められると、奈緒は「お風呂場でちょっとやってみたら、全部(の言葉)に濁点をつけると倖田來未さんっぽくなることに気付いたんです。あ゛い゛の゛う゛た゛～」とそれっぽく歌いだし、藤ヶ谷は思わず「全然振られてないのにやってる！(笑)」とツッコミを入れ、会場からは大きな拍手と笑い声が起きていた。

さらに、今作はマッチングアプリで出会った2人が最後にたどり着く“一生に一度の選択”を描く作品ということで、それにかけて“一生に一度の選択”を聞かれると、藤ヶ谷は「劇中で架が着けていた腕時計を買いました。自分にとっても本当にものすごく大切な作品なので、その時間を過ごしていた架の物を何か買おうと。今日も着けているんですけど」と腕時計を見せ、「これ架が着けているやつです。何かこうお守りのような感覚ですね」と、あらためて自分にとって大切な作品であったことを強調した。

それを聞いた原作者の辻村氏は「すごくうれしいです。(藤ヶ谷と奈緒は)架と真実にしか見えないので。そんなにすごく思い入れを持って演じてもらえて、著者としてもすごくうれしいし、本当に書いて良かったなと思いました」と感謝を込めた。

原作者からの最大級の賛辞に、藤ヶ谷は「えっ…！すごいことだよ！書いて良かったなってすごくない!?」と奈緒に興奮気味に語り掛け、マスコミ席に向かって「記者の皆さん！ぜひぜひ太字でお願いします」と呼び掛けていた。

映画「傲慢と善良」は9月27日(金)全国公開。

◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)





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