お部屋探しをするなら、後悔せずに心地いいと思える物件を選びたいですよね。今回は、20代〜30代の女性が集まるanan総研メンバー約200名に「賃貸物件に住んでから気づいた不満」をテーマにアンケートを実施。女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに、アンケート結果を基に「イマイチな賃貸物件を選ばないための行動と対策」について教えてもらいました。
不動産会社の女性経営者が教える! イマイチな賃貸物件を選ばないために知っておきたい「NG行動と対策」
【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.72
――今回、女性約200人が所属するanan総研メンバーのなかで、賃貸物件に住んでいるかたを対象に「自分の家のイマイチだなと思うところはありますか?」とアンケートを実施しました。
「収納が少ない、キッチンの調理スペースが少ない」(33歳・会社員)
「ウォークインクローゼットなんですが、狭めのウォークインなので逆にデッドスペースが多くて収納力が低い気がしています」(30歳・会社員)
「収納が少なかった」(29歳・会社員)
「床がカーペットなのでなんだかおしゃれさに欠ける、築年数が古いので水回りが結構古く感じる」(31歳・会社員)
「荷物が増えてくるので十分なはずなのにもう一部屋ほしくなります」(33歳・フリーランス)
「オートロックではなかったこと。宅配ボックスがなかったこと」(31歳・会社員)
「ゴミ捨ての共用BOXがなく、朝決まった時間に出しにいかなくてはいけない。宅配BOXがなくて不在時に荷物を受け取れない」(34歳・自営業)
――上記の回答を見て、不動産のプロの平出さんにうかがいます。改善できる対策を教えてください!
平出さん収納が少ないという意見が多いですね。収納が少ない物件ですと、ものがあふれてしまいやすいため「本当は片付いた部屋で気持ちよく暮らしたいのに散らかってしまう」のは、ひとり暮らしあるあるだと思います。対策としては、まずご自身のもっているものの量を把握して厳選していくことです。どうしてもものが入りきらない場合、トランクルームに預けることを思い浮かべる人は多いと思うのですが、”宅配型の保管サービス”もリーズナブルでおすすめですよ。普段使わないものや季節ものを段ボール箱に詰めて送るサービスなのですが、私も冬服は毎年クリーニングに出したまま来シーズンまでまとめて保管して利用しています。
また実際にお客様から聞くお話で多いのは「使いづらい間取りを選んでしまいスペースが足りない」という物件。部屋の形が台形や三角形など、家具が置きづらい間取りもデッドスペースができてしまい住みにくく感じるかたもいますし、デザイナーズ物件で収納が少ないなど、おしゃれな見た目が気に入って選んだものの住んでみると不便だったと感じるかたも多いです。結局、シンプルな間取りがいちばん住みやすいのではないかと思います。
――賃貸物件に住んだ後に後悔してしまいがちな、NG行動はありますか?
NG1.「共有部の設備を確認しない」
平出さん内見の際に、部屋だけを見てマンションの共用設備は確認しないというかたもいらっしゃるのですが、できれば共有設備も案内してもらった方がいいです。宅配ボックスや24時間いつでもゴミ出し可能なゴミ捨て場は、あると便利な共用設備。物件によっては自転車置き場のないところもありますので、自転車を使うかたは駐輪場の場所や形状も確認してください。
NG2.「築年数が古い物件なのに、水回りをチェックしない」
平出さん家賃を抑えるために、築年数が古い物件を選ぶかたもいると思います。ですが築年数が古いということは、見た目だけではなく設備や耐久性も悪い可能性があるということ。”フルリフォーム済み”と記載があっても、配管などの見えないところはそのままになっているケースも珍しくありません。そのため、トイレや浴室は臭いやカビがないかはチェックした方がいいです。洗面台、洗濯機置き場の場所、キッチン周りなどの水回りも、生活をするなかで重要な場所ですので必ず確認するようにしましょう。
NG3.「家具を置くことを想定せずに、物件を決めてしまう」
平出さんひとり暮らしのかたに多いのですが、間取りによっては置きたい家具、家電が入らない場合も。特にネットで買い物をするときは要注意。家具の大きさは必ず確認し、自分の部屋にマッチするかをシミュレーションする必要があります。内見時に採寸をして、だいたいの家具の配置を考えておくようにしましょう。個人的には引っ越しをしても使えるポール型のラックがおすすめです。
――後悔せずに賃貸物件に選ぶには、どのように物件を探したらいいのでしょうか。
平出さん賃貸物件のなかでも、自分の工夫次第で改善できることと、自分では対応ができないことがあります。オートロックや宅配ボックスがないなどの共用設備や、水回りの古さ、外観などは自身で改善することは難しいです。ですが、物件を決める前にすべて確認できることでもあるので、物件を選ぶ際は、自分に必要な設備がついている物件なのかを”住む前”にしっかりと確認しておくことが大切です。
快適なひとり暮らしを始めるために知っておこう
物件探しは賢く丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん
宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。
文・市岡彩香
anan web、anan Beauty+を中心に執筆するフリーライター。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。インタビューライター、フードライターとして活動中。
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文・市岡彩香
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