友人が困っているときは、助けてあげたいと思うはずです。那美さん(仮名・30歳)も、かつて職場の同僚に対して手を差し伸べるようなことをしたそう。ですが、それがあまりいい結果につながらなかったと言います。当時どんな状況だったのか、詳しく話を伺いました。
お金に困っている様子の同僚
「私の職場に、中途採用で女性が入社してきました。私と年齢が同じこともあり、親近感を覚えたんです。
女性の名は、香菜さん(仮名)。香菜さんは、お昼は毎日お弁当を作って持ってきていました。既婚者だったので、夫の分も一緒に作っているんだろうなと思っていました。ただ、内容がやや質素でした。それに、職場の飲み会に誘ってもほぼ参加したことがなく、かなりの節約をしている素振りがあり、お金に困っているように感じました」
不倫経験を告白され…
「放っておけない気配を香菜さんから感じ、あるとき私のほうから、“ご馳走するから”と食事に誘いました。
初めて二人で食事をして、そこでいろいろ話をしたんですが、驚くべき事実が判明しました。まず香菜さんが、“以前に不倫をしていた”と言うのです。そのせいで夫に慰謝料を払い続けていると。不倫の話はショックでしたが、よくよく聞くと不倫といっても肉体関係はなく、実際は何度か食事をした程度とのこと。しかしそれを証明することは困難で、夫にバレて激怒されたそうです」
弁護士への相談
「夫は、“男性を訴える”と激昂していたそう。肉体関係はないと伝えても信じてもらえず、“それならお前が慰謝料を払え”と言われ、香菜さんは要求を受け入れざるを得なくなってしまったのです。
金額を尋ねると、“300万円”だと。月々10万円ほど支払っているため、生活を切り詰めているとのことでした。私はその話を聞いて憤慨し、彼女のために何かできないかと思いました。私には、学生時代から付き合いのある弁護士をしている男友だちがいたので、相談を持ちかけたのです」
正式に弁護士に依頼すると…
「友人にだいたいの内容を伝えると、慰謝料の見直しを勧められました。そこで、香菜さんの同意のもと、友人に仕事として依頼し、状況を改善するために動いてもらうことになりました。
すると、慰謝料は正規の額よりもすでに払いすぎていたようで、そのぶんが香菜さんのもとに戻ってくることに。さらに離婚についても話を進めることになったようでした。日増しに明るくなっていく香菜さんの表情を見て、私も嬉しく感じました」
同僚を助けるためとはいえ、実際に行動に移すのは意外と難しいところ。相手も感謝していることでしょう。
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文・塚田牧夫
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