埼玉県最古の映画館である「川越スカラ座」は、現在DCP(映写機)買い換えのための費用募集「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」を実施している。このたび、同感応援のためさいたま市在住で「Jホラーの父」と呼ばれる映画監督・小説家の鶴田法男と、川越市出身の特殊メイクアップアーティストである中田彰輝という埼玉に縁の深いホラー系映画クリエイターが、タッグを組み「ハロウィン映画祭」を企画。同映画祭は10月26日(土)から11月1日(金)の期間で開催される。
【写真を見る】イタリアンホラーの傑作『デモンズ』も上映!
「ほんとにあった怖い話」シリーズや、『案山子 KAKASHI』(01)、『戦慄のリンク』(20)、自主制作映画『トネリコ』などを手掛け、“Jホラーの父”と称される鶴田監督。そして、代々木アニメーション学院SFX特撮科に入学後、近年では『キャラクター』(21)、『変な家』(24)、「サンクチュアリ-聖域-」など、多くのヒット作の特殊メイク、特殊造形を担当した中田という、埼玉のゆかりのあるクリエイターが組んで贈る「ハロウィン映画祭」。
同映画祭では、中田が学生時代に川越スカラ座で観て衝撃を受けたというイタリアンホラーの傑作『デモンズ』(86)、鶴田と中田がタッグ組んだゾンビ映画『Z ゼット 果てなき希望』(14)、そして鶴田の最新作『戦慄のリンク』(22)の3本が上映される。開催中は鶴田と中田のトークイベントや、『Z-ゼット-』のキャスト陣の舞台挨拶なども予定されている。
また、10月19日(土)、20日(日)に今年も「川越まつり」が開催されているが、中田は「南通町、納曾利の山車」の人形を制作しており、その貴重な制作風景が10月上旬から劇場内に展示される。さらに、「ハロウィン映画祭」開催中は、『Z ゼット 果てなき希望』の特殊メイク制作風景も展示予定だ。
歴史ある劇場「川越スカラ座」で開催される本映画祭。ぜひこの機会に同館に足を運び、ここでしか見られない展示とホラー映画を楽しんでほしい。
■<コメント>
●鶴田法男(映画監督、小説家)
「『川越スカラ座』に来ると、私の父が経営していた『三鷹オスカー』を思い出して懐かしい気持ちになります。その劇場がDCP(映写機)の買い換えで苦境に立っていると知りました。そして、私の多くの作品で特殊メイクを担当する中田彰輝氏が川越出身で、同館のかつての常連客であり、しかも『川越まつり』の山車の人形も作っているとも知りました。映画の神様に『川越スカラ座を応援しろ』と言われている気がしてこんな企画を提案しました。皆様のご来場をお待ちしております」
●中田彰輝(特殊メイクアップアーティスト)
「今回の企画を聞かされた時、なにか運命の様なものを強く感じました。特殊メイクという仕事を目指すきっかけ、いや、トラウマを植え付けられた映画の一つ『デモンズ』を、当時に観た地元の映画館『川越スカラ座』で再び上映し、そして鶴田監督とご一緒させていただいた映画『Z ゼット 果てなき希望』まで上映されるなんて!こんな夢の様な故郷凱旋ができる事に感謝しかありません!ハロウィンの夜、ホラー映画の世界を素敵な劇場で一緒に堪能しましょう!」
●飯島千鶴(川越スカラ座、番組編成担当)
「川越スカラ座では普段ホラー映画をあまりかけないのですが、個人的に一番好きなジャンルはホラーなので、ご縁あって鶴田監督にこのような企画をしていただき感激しております。また、子どもの頃は特殊メイクアップアーティストという仕事に憧れを抱いていたため、プロの方、しかも川越市出身で当館に通っていたという中田彰輝さんに直接お話を伺える機会がいただけるとは夢のようです。いちホラーファンとして、いまから楽しみにしております」
文/鈴木レイヤ
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