【写真】「IQ246~華麗なる事件簿~」で織田裕二が石黒賢と再共演
今から31年前に放送された織田裕二と石黒賢主演のドラマ「振り返れば奴がいる」(1993年放送、フジテレビ系)。本放送でご覧になった人はどれくらいいるだろうか。その後、幾度となく再放送されるなど、DVD等をお持ちの方も多くいるであろう不朽の名作だが、最終話には衝撃的なラストが描かれている。その視聴体験をしていないなんて、未見の人のことがうらやましいと思えるほどの幕の閉じ方。最終話である第11話と、その後放送された特別編「最後の戦い」についてレビューする。(以下、ネタバレが含まれます)
■FODで無料視聴キャンペーンが開催中
「振り返れば奴がいる」は、大病院に赴任してきた熱血漢の青年医師・石川(石黒賢)と、若くして天才的なメスさばきを誇る司馬(織田裕二)が、医師としての信念を巡って激しく衝突していく様が描かれる。公開中の映画「スオミの話をしよう」で監督・脚本を務める三谷幸喜が初めて脚本を担当した連続ドラマ作品としても有名であり、スリリングで容赦ない男同士の戦いは、あとから三谷作品と知って驚く人もいるだろう。
現在FODでは「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」キャンペーンを開催中。人気のフジテレビドラマを楽しむことができ、「振り返れば奴がいる」も第1~3話と特別編「最後の戦い」が10月5日(土)まで、第11話も10月3日(木)まで無料公開中だ。
■石川が司馬に命を助けてもらうなら「死んだ方がましだ」と吐露
最終話となる第11話。安楽死問題の責任をとり司馬が病院を辞めることになる。しかし、末期ガンを患う石川の病状が急変。緊急手術をしなくてはならず、沢子(千堂あきほ)はその手術を司馬に頼むが「オレは病院を辞める人間。それに助からない人間の手術はしない」と、司馬は病院を去ろうとする。それでも沢子は司馬にくいさがった。
ようやく司馬は手術すると決めるが、春美(松下由樹)は、これまでの司馬と石川の関係を考えて「いやな予感がする」と言う。春美が石川に、手術承諾書のサインを求めると、執刀医が司馬だと聞いた石川はサインを拒否。「あいつに助けてもらいたくない。死んだ方がましだ」と言う。
石川の命が尽きようというその時まで続く、司馬との攻防戦は見ている方もゾクゾクする。そこまでいがみ合う者同士が、自分の命を救える可能性を持つ天才医師だとしたら…たしかに両者にとってその決断は難しいだろう。ベッドで手を差し伸べる石川に司馬は「助かる可能性はゼロだ。それを俺が10%まで引き上げる。おまえは20%まで上げてくれ」と石川の生命力を信じたセリフを吐く。手術が成功して石川の命は助かるのか、というのが最大のクライマックスとなる。
そして、それだけでは終わらないのがこの作品のインパクトが何十年も消えない理由。主題歌のCHAGE and ASKA「YAH YAH YAH」が流れる中、雪の舞う中、司馬が顔をしかめて病院を去るラストシーンで、司馬に悲運が待っている。本当にラスト1分程の出来事で、もし結末を知らなければ必ず「え…!?」となるだろう。
■特別編は司馬の脳裏に浮かぶ数々の因縁が描かれる
その後、放送された特別編「最後の戦い」では、司馬が雪の中で回想するような形として、司馬と石川のアツい戦いが再び描かれる。暴力団同士の抗争で腹を撃たれた相楽(段田安則)が病院に来て春美がピストルで脅されたり、中川(鹿賀丈史)と稲村(佐藤B作)、良子(中村あずさ)が停電でエレベーターの中に閉じこめられたりなど、相変わらず医師たちはてんやわんや状態。
本編では描かれなかった新撮の過去エピソードがファンにはうれしい。積み重なる因縁の数々が司馬と石川の関係を深め、また大いにこじらせていったことがよく分かる特別編である。現代はエンタメファンにとって、何年も語り継がれる名作をサブスクで一気見できる良い時代といえるだろう。
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