ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは、ホルモンの乱れと肌トラブル。肌のトラブルに影響するホルモンの乱れ。特にトラブルの多い生理前のケアをご紹介します。
生理前は肌の状態に合わせて食事、ケアの見直しを。
肌が荒れやすい生理前は保湿を徹底しトラブルを軽減。
毎月、特に生理前に肌荒れや吹き出物など、肌トラブルに悩まされるという人は多いはず。
「原因は、2つの女性ホルモンの変動です。月経前、肌の潤いを保ち、ターンオーバーを促す働きもするエストロゲンが急激に減ります。一方で、もう一つのホルモン・プロゲステロンは排卵を機に急上昇。そのため皮脂分泌量が増え、毛穴が詰まりやすくなるのです。プロゲステロンには、ターンオーバーの働きを停滞させ、メラニンを活性化させる機能もあるので、月経前は誰にとっても様々な肌トラブルが起こりやすい時期だと考えられます」
肌が過敏になる生理前は、保湿に徹しいたわってあげるのが肝心と言うのは皮膚科専門医の土屋佳奈先生。
「乾燥肌の人はいつも以上に保湿が必要です。混合肌、オイリー肌の人は吹き出物など気になる部位はケアしつつ、肌を守る皮脂を除去しすぎないよう、保湿も念頭に置いたケアが大切。肌が弱くなる時期なので、刺激しないことが何よりも大事です。食事なども含めた、全般的なケアでトラブルを減らしましょう」
生理前のトラブル対策
1、食事&生活
肌をいたわる生活習慣を実践しよう。
血行を促進するビタミンEが豊富な食材、健康な肌の元となるタンパク質、代謝に必須なビタミンを多く含む野菜などをバランスよく取り入れる食事を心がけて。油分が多いジャンクな食べ物は、肌トラブルを招くのでNG。また、毛先が肌に当たらないようヘアをまとめたり、枕カバーをシルク素材にしたり、肌への刺激を減らすアイデアを取り入れよう。
2、スキンケア
低刺激、高保湿のアイテムを使う。
普段の化粧品が合わないと思ったら低刺激タイプに替えよう。かぶれやすい時期なので、リッチなオイルやクリームを使うのではなく、化粧水でたっぷり保湿するケアがおすすめ。保湿成分・セラミドが高配合されたものや、ヘパリン類似物質配合など、高い保湿力の基礎化粧品を使うのも。この時期、ニキビができたからといって顔を洗いすぎると、逆に皮脂の分泌量が増えたり、ニキビ以外の肌トラブルや乾燥を加速させたりするので要注意。ニキビ部分にだけAHA配合のクリームを塗って不要な角質を取り除くなど、最小限のケアにとどめて。
3、メイクアップ
落としやすいメイク用品が活躍。
リキッドファンデーションは油分が多いので、吹き出物ができやすい人は生理前の使用は避けて。特にトラブルが出ている時は使わないこと。また、元々肌の負担になりやすい日焼け止めは、何種類も重ねづけするのはNG。1種類に厳選し、肌を触る回数を減らして負担をかけないようにしよう。メイクオフも重要。ただ、オイルクレンジングはオフする力が強いので、乾燥肌の人には向かず、毛穴に油分が残りやすいので吹き出物があると悪化する場合も。クリームやジェルなどの肌に優しいクレンジングや、洗顔料だけで落ちるメイク用品を使うのも手。
土屋佳奈先生皮膚科専門医。つちやファミリークリニック浅草院院長。“全て自分が試す”がモットー。肌への摩擦を少しでも軽減する「ミニマムスキンケア」を提唱し、オリジナル化粧水も開発。Instagramは@dr.kana_tsuchiya
※『anan』2024年9月11日号より。イラスト・二階堂ちはる取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)
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