【写真】サプライズ登場したユ・ジェミョンとトークを繰り広げる松重豊松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」(2025年1月10日[金]公開)が、「第29回釜山国際映画祭」オープンシネマ部門に正式出品。10月3日にワールドプレミアが行われ、舞台あいさつにサプライズで駆け付けたユ・ジェミョンが本作に特別出演していることが発表された。
■“グルメドキュメンタリードラマの金字塔”が映画化
原作・久住昌之、作画・谷口ジローによるハードボイルド・グルメ漫画「孤独のグルメ」。輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎が、営業先で訪れた土地で見つけた食事処にふらりと立ち寄り、食べたいものを独り自由に食す様子を1話完結で淡々と描いた作品で、単行本はシリーズ累計150万部を超えるベストセラーとなっている。
2012年1月に松重の主演でテレビ東京系連続ドラマとしてシリーズ化されると、国内のみならず海外でも絶大な支持を得てシーズン10までシリーズを重ね、“グルメドキュメンタリードラマの金字塔”として大人気長寿ドラマシリーズとなった。
そして今回、テレビ東京開局60周年記念特別企画として「劇映画 孤独のグルメ」の公開が決定。先日には内田有紀、磯村勇斗、塩見三省、村田雄浩、杏、オダギリジョーの実力派俳優6人の出演が解禁された。
■「孤独のグルメ」らしく“もぐもぐ”しながらレッドカーペットに登場
「釜山国際映画祭は」1996年に創設された、韓国・釜山で開催されるアジア最大規模の映画祭で、10日間にわたって国内外の約300作品が上映され、国内外から約20万人が訪れる一大イベント。
「劇映画 孤独のグルメ」が出品されたオープンシネマ部門は本映画祭を代表する部門の1つで、人気や芸術性に富んだ新作、国際的に評価された作品が選出され、「釜山シネマセンター」(通称:映画の殿堂)の野外スクリーンにて上映される。
10月2日のオープニングセレモニー登場前、「海を越え、アジア最大と言われている『釜山国際映画祭』で、自分が撮って出演した作品が出品されたことは非常に名誉なことだと思っています。そして、(自身の出身が福岡のため)身近に感じていた釜山でこの作品のお披露目をできるのは、ある意味“運命の巡り合わせ”だとも感じます。映画祭を楽しみたいです!」と話していた松重。
世界中から集まった監督や俳優ら映画人たちが次々とレッドカーペットに登場し、会場が熱気に包まれる中、松重は「孤独のグルメ」らしく“もぐもぐ”しながら姿を現す。
その“もぐもぐ”姿に黄色い悲鳴や「ゴロウサーン!」「マツシゲサーン!」といった熱い歓声が現地のファンから上がり、さらに他の登壇者が作品名と名前のみで紹介される中、松重に関しては「監督兼俳優である“五郎さん”松重豊の入場です!」と役名も含めて紹介。松重はレッドカーペットを堂々と歩き、多くのメディアや現地ファンに手を挙げて応えていく。
そして、自身のカメラで会場の様子を写真に収めるなど、監督として初めて参加した映画祭のオープニングセレモニーを楽しんだ松重は、興奮冷めやらぬ様子で「こんなお祭りに参加できてうれしい!!」とレッドカーペットを歩いた感想を話した。
■オープントークの会場を笑いに包む
10月3日には映画祭公式イベントの1つ「オープントーク」が実施され、松重は「アニョンハセヨ、松重豊イムニダ!」と韓国語であいさつ。会場に集まった観客から温かい拍手が送られた松重は、約50分間にわたって作品について、監督・主演という2つの目線でトークを繰り広げることに。
「劇映画 孤独のグルメ」を作るにあたっての思いを、「料理をおいしく食べることだけで、アジアからこんなにも愛されるドラマになったことは奇跡だと思います。だから、アジアの懸け橋になるようなストーリーにしたいと思い、作りました。そして何より、これだけ長くやってこられたのはファンの皆さんのおかげなので、ファンに納得してもらう作品を届けないといけないと思っていました」と真剣に語る松重。
さらに、MCから「レッドカーペットを歩いている時に、何かを食べていたと思いますが?」と聞かれ、「ネタバレになってしまうから言えないけれど、実は映画の中で重要なモチーフになっている物を食べていました。本編を見て『これを食べてたのか!』と思ってもらえたらうれしいです」と、ストーリーのヒントを交えながら回答。
また、「レッドカーペットに降り立ったとき、作品ならではの“孤独カット”を演出してみました。お気付きいただけましたか?」と監督・松重による演出の種明かしをすると、会場は笑いに包まれた。
■ユ・ジェミョンがサプライズ登場し特別出演を発表
迎えたワールドプレミア上映、満を持して松重が上映前舞台あいさつに姿を見せる。世界で1番最初に本作を鑑賞するファンを前に、「こうして皆さんの前でお披露目することができるのが、本当にうれしいです!皆さんの反応をこれからの励みにしたいと思います!」と喜ぶ。
さらに、ここでサプライズ発表が。MCの呼び込みで登壇したのは、日本でも話題となった大人気ドラマ「梨泰院クラス」で主人公の因縁の相手であり、飲食業界のトップに君臨する大企業「長家(チャンガ)」の会長チャン・デヒを熱演したユ・ジェミョン。本作で彼が、五郎の入国手続きを行う韓国入国審査官役として特別出演していることが、この登壇をもって解禁となった。
釜山を訪れた松重を激励すべく、舞台あいさつに駆け付けたジェミョン。本作の撮影から約1年ぶりの再会に、ガッチリと握手を交わす2人。日韓の欠かすことのできない名優の共演が解禁となり、会場は驚きと共に大きな歓声に包まれる。
松重は「この作品を愛してくれる方が韓国にたくさんいること知り、劇映画にする上で韓国を大きな舞台として考えたいと思いました。シナリオを考える上で、言葉の壁を越え、友情が芽生える作品にしたいと思ったときに、この人しかいないと恋焦がれて出演していただきました」と、ジェミョンの出演を熱望していたことを明かす。
ジェミョンは、そんな松重に対して「『孤独のグルメ』は独特で、愉快で、すてきな作品だと思って楽しく見ていました。だから、本作のオファーをもらったことに非常に驚いたけれど、感謝の気持ちで受けることにしました」と話し、「撮影中も松重さんは親切に説明してくれて、幸せな思い出になりました」と出演への思いを口に。
松重から「ユ・ジェミョンさんに、ごはんをごちそうしてもらいました!」とお礼を伝える場面では、2人の現場での雰囲気の良さが垣間見え、会場からも歓声が上がる。
最後のあいさつで、ジェミョンは「今日は釜山に着いてすぐミルミョンを食べ、明日の朝はデジクッパを食べる予定です。釜山はまさに美食家の街だと思います。皆さんの幸せな笑顔を見ることができて、うれしいです」と、釜山グルメに絡めておちゃめにコメント。
松重は「食べ物を通して、人と人との心の触れ合いや、愛情を感じてもらえる作品にしたつもりです。でも、気持ちが温かくなったけれど、“孤独のグルメ”らしくお腹がすいた!という作品にしたいとも思っています。きっと、見終わった後はおなかがすくと思うので覚悟してください!」と松重節を効かせたユーモラスな言葉で締めくくった。
■韓国語で感謝を伝えワールドプレミアは終了
その後、会場を埋め尽くすファンと一緒にワールドプレミア上映を鑑賞した松重。本作のワールドプレミア上映は、ほぼ満席の会場で実施。たびたび笑いが起き、時においしそうな料理へのリアルなため息が漏れるなど、会場は盛り上がった。松重も監督として、観客のその反応を肌で感じた様子で、作品が観客の元へ届く様子を見守る。
上映終了後は、松重に観客から大きな拍手と歓声が巻き起こり、それに対し松重も大きな声で「カムサハムニダ!」と感謝の言葉を叫び、笑顔で会場を後にした。降壇後、「韓国の皆さんに見てもらえてよかった!カムサハムニダ!」と本作への手応えを話した松重。監督として初めて映画祭に参加し、忘れられないワールドプレミアになった様子だった。
■スケジュールの合間には釜山で観光とグルメを楽しむ
映画祭公式行事の合間に釜山を観光した松重は、2020年にオープンした韓国南部・海雲台(ヘウンデ)のLCTランドマークタワー内にある人気展望台「釜山 X the sky(プサン・エックス・ザ・スカイ)」を訪問。
釜山で1番目に高いこの展望台は、標高441.6m、100階建てのフロアから釜山の海や山、市街地を一望できる人気スポット。松重は展望台から望む絶景を眺めたり、床が強度ガラスで作られた「ショッキング・ブリッジ」の上から地上を見下ろしたりと、釜山の新名所を楽しんだ。
また、韓国を代表するビーチ「海雲台(ヘウンデ)ビーチ」も訪れ、つかの間のリラックスタイムを堪能。そして、「孤独のグルメ」と言えば欠かすことができないのは、“おいしい料理”。
海雲台ビーチの近くにある、1910年代に発祥したとされる歴史ある市場「海雲台(ヘウンデ)伝統市場」にも足を運んだ松重。「まずは胃袋の意見を尊重したい」という井之頭五郎のように、食べてみたい料理を探し求め、新鮮な食材や出来立ての惣菜の並ぶ屋台や、韓国伝統料理を味わえる店が立ち並ぶ市場内を散策。
最終的には“ムルトック”(餅をおでんの出汁で煮た釜山名物料理)や、市場でも人気のハチミツをかけたアイスなど、釜山グルメを存分に満喫していた。
また今回、登場人物が総出演する90秒の最新予告映像も解禁。内田、磯村、村田、ユ・ジェミョン、塩見、杏、オダギリの7人の豪華キャスト陣が総出演している。
千秋(杏)と一郎(塩見)から“スープ探し”の依頼を受け、フランス、韓国、日本と世界中を駆け巡ることになる様子が映し出されている。
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