婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第55回は、初めてわが家に保護犬を迎えたお話。動物が好きなかた、保護活動に興味のあるかたなど、すべてのかたにお届けします!
元保護犬のポメラニアンの女の子。服を着るとモフモフが小さくなります。お気に入りのワンピースでニッコリ
【ママライフばんざい!】vol.55
「小さい頃から犬が好き」「猫といると癒される」など、男女や年齢問わず、動物好きな人は少なくありません。実際に犬や猫と暮らすとなると、まずどこから家族を迎えればいいのか。ペットショップやブリーダーからと思う人、保護犬や保護猫を考える人、知り合いから譲り受ける人とさまざまです。そこで筆者の場合、保護犬の里親になることを選んだお話をご紹介します。
保護犬を迎えるまで
筆者は、夫と娘との3人暮らし。家族は動物好きなので、いずれは一緒に暮らせたら…と、話していました。そんなとき、保護活動を知りました。善意あるところもあるものの、一部の安易な繁殖業者や悪徳ブリーダーによる無理な繁殖や、一般家庭での多頭飼育崩壊や飼育困難になった犬や猫を保護する活動を知り、ここ何年かは保護活動を知らせる団体や個人のかたのブログなどのSNSを見ることが日課に。保護はこうするんだな、団体によってもそれぞれ決まりが異なるんだな、いまはこんな犬や猫が里親を募集しているんだなあと、知識はどんどん増えていきました。
小さな行動だけれど、保護された犬や猫を自分が引き取ることで、また保護できる動物のスペースが増えて、劣悪な環境から抜け出せたり、殺処分される予定だった動物が救えるなら…と、わが家は保護動物を迎えることに決定。
保護犬パークのサークルでぐうぐうぐっすり眠っていた大きなポメラニアン
大切な命を迎えるわけですから、飼ってから何かの理由で飼えなくなった、とならないよう、念のため家族のアレルギー検査を実施。すると、犬は大丈夫でしたが、猫も大好きなのに私も夫もなんと猫アレルギーとの結果が! その点、娘は犬や猫、小動物すべてのアレルギーはありません。結果、飼うなら、ワンちゃんとなりました。
ワンちゃんと暮らしてみたいなら、我が家のように「保護犬を迎える」という選択肢もあります。環境省の統計によると(※)、犬・猫の引取り及び処分の状況は、平成16年度は引き取り数約42万、返還・譲渡数約3万、殺処分数約40万だったのが令和4年度になると、引き取り数約5万3千、返還・譲渡数約4万、殺処分数約1万2千に。引き取り数と殺処分数が年々減少し、返還・譲渡数はむしろ増加。それは保護活動に取り組む人や団体が増え、一般的にも保護活動が広く認知され、保護犬や保護猫を家族に迎える人が増えていることもひとつの理由だと感じました。
いざ保護犬を迎える
サークルから出てきてもベッドでねむねむしていました
いろいろな状況を鑑みながら、筆者が地元の大阪に帰省するたびに、時にひとりで、時にじいじ&ばあばと、時に娘&夫と一緒に、実際に保護犬とふれあえる保護犬カフェ系列の「保護犬パーク長居店」に通っていました。東京に戻ってからも、「あのときのワンちゃんどうなったかな?」と、お店のインスタグラムを見ると、家族が決まったり、まだ里親を探していたり。そうして何年もお店に通って熟考し、今夏、ついに運命の日が到来!娘がある一匹のポメラニアンにひと目ぼれしたのです。
この夏休み期間にお店に行った1度目の時はいなくて、2度目に行ったときに現れたポメラニアンの女の子。一見、スピッツかチャウチャウかと思うほど、一般的なポメラニアンの成犬の標準体重2kg前後をはるかに超えた7.2kg!現在多く見られるポメラニアンは品種改良されたドイツ原産の小型犬ですが、たまに先祖の大型犬であるサモエドやジャーマンスピッツに先祖帰りして、デカポメ(大きいポメラニアン)になる場合もあるようです。でも洋服や小物じゃないですから、気に入ったからと即決できないと、連日お店に通って、家族会議。
トリミングサロンからプレゼントされたピンクのスカーフでニッコリ
やがて最終的に「家族にしよう!」とみんなの意見がかたまりました。里親になるには、まず審査があります。飼育できる住居環境かどうか、万が一飼育できなくなった場合の二次飼育者がいるかどうか、毎年のワクチン接種ができるかといったいくつかの条件をクリアしないと譲渡されません。たまに里親詐欺で、引き取られたほうが環境が悪化、または虐待目的といったことを防ぐために、保護団体によって譲渡条件はさまざまあるようです。
わが家の場合、家が東京にあるため、審査のための書類などが不足しても大阪から早く取りには戻れないため、以前から事前に必要な条件などを確認して準備は万全。1日で無事に審査を通過し、晴れて里親になることが決まりました! 当日はお店に併設された「トリミングサロンwanwanwan長居店」でスペシャルコース(!)をしていただき、ふわふわいい香りとカットでスッキリ
「ゼリーやで!」と元気に挨拶していそうな表情
大阪から東京へ、新幹線で移動します。新幹線では、ペットを入れて運ぶケースの制限内(タテ・ヨコ・高さの合計が120センチ以内。ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内)であれば、当日窓口で駅員の方がケースを確認して「普通手回り品きっぷ」を購入し、一緒に乗車できます。こうして帰路へ。
わたしたちができること
お気に入りのクマのおもちゃをかじって遊ぶこともあります
東京の家に到着。“食べ物の名前を付けると長生きする”という言い伝え(!?)などを取り入れて、新しい家族を「ゼリー」と命名しました。穏やかないい子ですが、わが家ではペットを飼うこと自体が初めてなので、本を読んだり、お店のかたにアドバイスをいただいたり、動物病院で獣医師に聞いてみたり。トイレトレーニングやお散歩など、家族みんなで一歩ずつ進んでいるところです。先日は詳しく健康診断を実施したところ、僧帽弁閉鎖不全症ステージB1だと判明。保護犬は繁殖犬としての役目を終えてやっとブリーダーが手放すケースも多いため、いつから心臓病だったかはわかりませんが、わるくならないよう、これからも家族で大切に育てていきます。「ゼリー、長生きしてね!」
わが家に慣れ親しんできたゼリー、元気な女の子です!
今回は、ライターのママが保護犬を迎えたお話をお届けしました。みなさんのおうちの環境や仕事の状況や経済状態など、人それぞれ違うものですが、もしも保護動物を迎えてみたい、飼うのは難しいけど協力することはできるかも、といった場合は、保護犬や保護猫の里親を考えたり、募金をしたりするのもいいですね。とはいえ、どれも無理してまで行えないものですから、1人ひとりがちょっとずつ、まずはできるときにできる範囲のことからやっていけたら、幸せの輪が広がっていくはず!
すべてのママにとって、そしてすべての人にとって、「ばんざい!」と思える、心身ともにすこやかな毎日を送れますように!!
※環境省統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」(参考)平成16~令和3年度の犬・猫の引取り及び処分の状況より。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
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写真・文:かわむらあみり
©Oksana/Adobe Stock
写真・文:かわむらあみり
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