ふだん何気なく使っている言葉のなかに、実は略語がけっこうあります。これって略語だったの!?と驚く略語をご紹介。今回は、「ジャガイモ」です!
「ジャガイモ」って、なんの略?
煮ても焼いても揚げてもおいしい「ジャガイモ」。ポテトサラダやじゃがバターなど、人気のメニューもたくさんあります。
そんなおなじみのジャガイモも、実は略語。さて、いったいなんの略でしょう?
ジャガイモ、もともとは…
ジャガイモは、「ジャガタライモ」の略でした!
農林水産省のサイトなどによると、ジャガイモは17世紀のはじめ、インドネシアのジャガタラ(現在のジャカルタ)から日本に渡来したので、「ジャガタラから来たイモジャガタライモジャガイモ」になったそうです。
はじめは鑑賞用の植物だったのですが、その後、飢饉が起こるとジャガイモは食糧に使われるようになります。やがて、明治期になると北海道開拓使などがアメリカから品種を導入し、本格的に広まりました。
ジャガイモの原産地は南米のアンデス高地。15世紀の終わりにはスペイン人が南米から持ち帰ってヨーロッパにも広がり、寒冷地を中心に世界で栽培されるようになりました。
サツマイモ、もともとは…?
では、サツマイモの由来はご存じですか?
漢字で書くと薩摩芋なので、九州生まれかと思いましたが、こちらもジャガイモと同じく原産地は中南米。日本に来たのは16世紀の終わりごろで、中国から宮古島に入り、そこから琉球(沖縄県)や九州地域へと伝わりました。おもに薩摩で多く栽培されたことから「サツマイモ」となったそうです。
スーパーなどでは「サツマイモ」という呼び名が主流ですが、別名もたくさんあります。
・カライモ、トウイモ(唐芋=中国から来たいも)
・リュウキュウイモ
・アメリカイモ(明治時代にアメリカから入った品種)
・かんしょ(甘藷、中国での名前)
サトイモは縄文時代から!?
最後は、サトイモの由来をご紹介。
名前の由来は、山に自生していた山芋に対し、村里で栽培されていたので里芋となった説が有力です。
原産地は熱帯アジア。サトイモと日本のつながりはとても長く、なんと縄文時代にはすでに中国または南方アジアから伝わっていたそうです。稲作よりも古い歴史があり、縄文時代には主食だったと考えられています。
ジャガイモは「ジャガタライモ」!
ジャガイモは「ジャガタライモ」の略でした!サツマイモやサトイモの由来もご紹介しました。焼き芋などがよりおいしく感じられる収穫の秋もまもなくやってきます。今年もおいしいおイモがたくさん採れるといいですね。
参考資料
・『世界大百科事典』(平凡社)
・『日本国語大辞典』(小学館)
・『広辞苑』(岩波書店)
文・田代わこ
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