10月7日(月) 14:59
カップに届かなければ入るものも入らないから、“パットは強めのほうがいい”といわれている。しかし、「打たなきゃ」と思っても、インパクトが緩んで打ち切れずにショートしてしまうこともしばしば。どうしてもヘッドが出ていかないのだが、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏は「それならグリップエンドを動かす意識を持ちましょう」という。なぜヘッドではなく、グリップエンドなのか?
グリップエンドを動かすと、引っかけが直る理由【漫画で納得!】
「パターが苦手な人は引っかけのミスが多い傾向にあります。『入れたいからしっかり打たなきゃ、でも打ちすぎたら怖い』という気持ちから手が止まってしまい、ヘッドだけが先行してフェースが被ってしまう。そうならないために、グリップエンドを動かす意識を持つのです。フォローでグリップエンドを出して行く意識を持てば、結果として両手がしっかり動くわけです。このとき、両手をロールする動きは入れず、あくまで平行に動かしてください」
フォローで無理にヘッドを出そうとするから引っかけていたのか。なんでこんなことに今まで気づかなかったんだろう。でも、これだけで本番でもしっかり打てるのだろうか?
「ショートする人は、右に軸が傾いた構えをしていることが多い。これではアッパーに打ってしまいますので、パターのときは少し左足体重にしてください。これならフォローでヘッドが低く出て、球を押していけます」
これが球を押すという感覚か。少し左足体重にしただけで、ヘッドが動きやすくなった。
「この打ち方はシャフト1本分ぐらいのハンドファースト状態を作り出せます。そうすることで右手甲に角度がつく。これは右手のコックがわずかに入った状態をあらかじめ作っておくということ。インパクトで右手甲のコックが解けてしまえば、当然ヘッドがグリップエンドを追い越してしまいますが、角度が保たれていればいくらかヘッドが遅れるため引っかけません」
なるほど、ハンドファーストのほうが引っかけないのはそういう理由か。
「ただし、極端なハンドファーストではロフトがなくなってしまい、出球が弾んでイレギュラーな回転がかかってしまう。ですから、手でハンドファーストの形を作るのではなく、シャフトを地面と垂直に構えた状態から左足に少し体重を乗せることで、シャフト1本分のハンドファーストを作り出せるのです」
シャフト1本分、それだけでしっかり打つことができるのか。しっかり、打つ……。
「別に打たなくても大丈夫。パットは『打つ』ではなく『送り出す』と考えるのはどうでしょう。『打つ』という表現が苦しめているなら、そのイメージを変えていきましょう。受ける印象が変われば、プレッシャーを感じることなくパッティングができますよ」
「打たなきゃ」という強迫観念からショートしたりヒッカケてしまう人は、グリップエンドを動かす意識でパットを“送り出して”やると、カップイン率が上がるだろう。
◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。
◇◇◇
●もしかしたらアタナは、まだ秘めた力を隠し持っているのかも!? 関連記事『あなたの飛距離は何ヤード? 3ステップで分かる「飛ばしのポテンシャル」診断!』をチェック!