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松下奈緒が主演を務める木曜ドラマ「スカイキャッスル」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)が9月26日(木)の放送で最終回を迎える。
原作は、韓国のケーブルテレビ局・JTBCで放送されたドラマ「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」(2018~2019年)。中毒性あふれる物語にハマる視聴者が続出し、最終回の視聴率が23.8%という記録的大ヒットを収めた。今作は、そんな「SKYキャッスル」を制作した韓国の大手スタジオSLLと、世界的ヒット作「梨泰院クラス」のジャパン・オリジナル版「六本木クラス」(2022年)の制作陣がタッグを組み、日本ならではの創造性と刺激、中毒性をたっぷり詰め込んだドラマとなっている。
今回WEBザテレビジョンでは、同作を手掛ける浜田壮瑛プロデューサーにインタビューを実施。キャストの魅力や裏側、こだわりを語ってもらった。
■日本版にリメークする上では日本人らしい“心理戦”の表現を大事に
ーー最初に韓国版の「SKYキャッスル」を見た際に感じた印象と、それを日本版にリメークするにあたって思ったことを教えていただけますか?
韓国ならではの受験戦争の面白さはもちろんありましたが、登場人物がみな人間味あふれているところに魅力を感じました。自分の達成したいこと、あるいは自分の家族のためを思ってなりふり構わず進んでいく、その本音がむき出しになっている人物たちの群像の様が、原作でも面白いポイントかなと思います。
そして、日本版では第1話で描いた、先輩セレブの謎の自殺。この事故をきっかけに、物語の縦軸としての面白さがずっと続いていくサスペンスの要素もありますよね。「どんどん話の続きが気になる」と引き込まれていくところに感銘を受けましたし、日韓の受験システムの違いなどを超えて日本の視聴者の皆さんに楽しんでもらえるのではないかと思い、その2つのポイントを大事にしながらリメークを決めました。
ーー以前、キャストの皆さんのインタビューの中で日本版では“心理戦”を重視しているというお話があがっていました。リメークするにあたって新たに盛り込んだ部分や、原作の良さを残しつつ重視した部分はありますか?
“日本人らしさ”と“韓国人らしさ”のようなものは、リメークする上で重視しました。
どちらかというと韓国の方のほうが感情をはっきりと出しますし、それが韓国ドラマでもしっかりと描かれているかと思います。対して日本人は、笑顔の裏に隠されている腹心だったり本音だったりと、まさにおっしゃる通り“心理戦”が繰り広げられることが多いなと。
そこを松下さんをはじめとした皆さんが表現してくださっていますし、僕らもそういう台本にしようと思っていたので、日本人らしい表面と裏側での探り合いの差、そのつばぜり合いをより大事にしたいと思って日本版は制作しています。
■松下奈緒の「180度違う顔を見てみたい」とオファーを
ーー豪華キャストが勢ぞろいしている点も見どころの一つかと思います。キャスティングについてのこだわりを教えてください。
ルックを合わせようというつもりは全くなく、原作のキャラクター性を大切に、そこは変えずに描こうとしていたので、それに合うキャストの方々に集まっていただきたい、とキャスティングさせてもらいました。結果として、GP帯で主演を張るような豪華な方々が一堂に会してくださって、とてもありがたい限りです。
ーー具体的なキャスティング理由もお伺いできますか?
松下さんというと、クリーンで清廉潔白、清涼感があって爽やかというパブリックイメージがあるかと思います。実際もその通りでとても気持ちがいい方で、本当にすてきな俳優さんです。だからこそ、180度違う顔を見てみたいということでオファーしました。なので、紗英に関しては悪役に合うような方をキャスティングしたわけではなく、逆をやったらどのような化学反応が起きるのだろうという期待のもと、お声がけさせていただきました。
ご本人も、僕らが面白がっていることを一緒に面白がってくださり「じゃあやってみよう」と。パブリックイメージと真逆のせりふや表情を毎話見せてくれているので、狙いがバチっとハマっているし、松下さん自身もとても楽しそうに現場にいてくれたので良かったなと思っています。
木村文乃さん演じる泉は、実直で曲がったことが嫌いというキャラクターです。これはご本人のイメージにぴったりだと感じ、豪華すぎるとは思いつつも2番手でオファーし、ご快諾いただきました。
そして九条は、今となっては小雪さん以外考えられないほどハマっているかと思います。ミステリアスで物語のキーパーソンとなる役を、思い切って小雪さんにお声がけさせていただいたところ、原作を元々見ていて九条の役もとても好きだとおっしゃっていて。完成されているものに入り込むのはプレッシャーだと話されていたのですが、「そこを一緒にやっていきましょう」ということで演じてくださっています。
ーー撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか?
なかなかメインキャストの5名が一堂にそろうシーンは少ないのですが、それぞれが現場で一緒になった際はとても楽しそうで。現場の雰囲気は本編とは真逆で、カットがかかった瞬間に笑いが起こっています。
基本的に「本番、よーいスタート」で撮影が始まるのですが、“よーい”くらいまではまだオフの顔でケタケタ笑っていて。ですが、スタートの瞬間にキリッと顔が変わり、凄まじい芝居が始まるんです。集中力が素晴らしいからこそ、オンオフが効いていて、いいお芝居が撮れているのだと思います。
ずっと張り詰めた空気だと、逆にあれほど角が立つ芝居にはならないと思うので、そこのバランスがとてもいいですね。ムードメーカーの松下さんと比嘉さんを中心に、ずーっとみなさんで楽しそうにお話をされています。
■凄まじいスピード感と展開で進む物語も「要素としては全部ちゃんと残せた」
ーー長編の韓国版を日本版として収めるにあたり、“ここは残そう”と考えた部分はありますか?
20話分ある韓国ドラマを全9話に収めたので、尺としては2分の1から3分の1程度にしなくてはいけなかったのですが、実は物語を構成する上で必要な要素は全部落としていないんです。
子どもの人数を整理したり、夏目家の家庭の話や旦那側の話などコンパクトにしている部分は多々ありますが、僕らとしては「意外とまとめられた」という感覚でいます。なので、絶対に大事にしたいところはここというよりは、無理なく大切なところを残しながら脚本作業を進められた印象です。
とはいえ尺としては原作より短いので、凄まじいスピード感と展開で物語は進んでいきますが、最近は展開が早くスピード感にあふれている映画やドラマがたくさんあるので、むしろこれくらいのスピード感の方が、視聴者の皆さんに良いテンポで楽しんでいただけるのではないかと感じています。
ーーコンパクトにする作業もなかなか難易度が高いと思うのですが…。
そうですね。原作を全て紐解き、文字に起こし、そこから取捨選択をする作業を脚本の橋本裕志さんを中心に進めたのですが、全話のプロットを作る作業が一番骨の折れる作業でした。おそらくここに多くの時間を費やしたかと思います。
例えば“未久が突き落とされる”といった物語におけるポイントを何話のどこに持っていくかなど、どの面白さをどこに配置するかといったパズルを組み立てる作業を丁寧に行えたので、いい脚本に仕上がったのではないかと思っています。
■「それぞれの幸せの形がどのように帰結するのかを楽しみにしていただけたら」
ーー最終回前の第8話も怒涛の展開で進んでいきましたよね。最後に、最終回のヒント、見どころをお聞かせいただけますか?
これまではセレブ同士でのバトルが繰り広げられていて、そこから段々と九条先生の怖さが際立ってきて、九条先生とのバトルに発展してきていますが、結局のところベースにあるのは“誰かに対する愛”なんです。自分自身や子どもへの愛が強すぎて、自分あるいは家族の幸せを願うがあまりにぶつかってしまっているのだと思います。なので、最終回ではそれぞれの幸せの形が、最後どのように帰結するのかを楽しみにしていただけたらと思います。
そして、ここまでベールに包まれてきた九条の秘密が最終回で全部判明します。彼女がなぜこういったことをしているのか、最後どちらが勝つのか、勝つとは一体何なのか、そのあたりが見どころになっているかと思います。
「本当に終わるのか?」と思うくらいの第8話だったかと思いますが、あと1話でちゃんと終わるので(笑)、楽しんで最後まで見てもらえたらうれしいです。
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