【写真】70年前当時の服を完璧に着こなす賢将役の清水尋也
神木隆之介が主演を務める日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)が10月20日(日)よりスタートする。このたび、主人公・鉄平(神木)の幼なじみ・賢将を演じる清水尋也のインタビューコメントが到着。賢将は鷹羽鉱業の幹部職員の息子で、小学生の頃に父の転勤をきっかけに端島にやってきた。温かな家庭で育った鉄平のことが羨ましく、時に劣等感を抱いているという役どころだ。神木への印象や作品への意気込みなどを聞いた。
■これまでの日曜劇場とは一線を画す“ヒューマンラブエンターテインメント”
同作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。
戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいくと同時に、現代の“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代”を描き、過去から現代に通じる希望を見つけだす、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントだ。
脚本は野木亜紀子、監督は塚原あゆ子、プロデューサーは新井順子が務め、「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年、共にTBS系)などを手掛けたヒットメーカーたちが、完全オリジナル作品で初の日曜劇場主演に挑む。
■昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ登場人物を演じるのは…
神木は、1950年代の端島に生きる主人公・鉄平に加え、現代の東京に生きるホスト・玲央の一人二役を演じる。
また、鉄平の良き理解者である兄・進平役で斎藤工、鉄平に思いを寄せる食堂の看板娘・朝子役で杉咲花、端島に突然現れた謎の女性・リナ役で池田エライザ、鉄平の親友でありライバルである賢将役で清水、ある過去を抱える自由奔放な鷹羽鉱業職員の娘・百合子役で土屋太鳳が出演。
さらに、謎多き行動で物語をかきまわしていく婦人・いづみを宮本信子が演じる他、國村隼、沢村一樹、中嶋朋子、山本未來、さだまさしといった実力派俳優陣がストーリーを盛り上げる。
■幼なじみメンバーによる群青劇には「すごく尊いものがある」
――出演が決まったときの思いをお聞かせください。
日曜劇場に初めて出演させていただく緊張感と、脚本が野木(亜紀子)さんということで、野木さんの作品の世界に自分が登場できるんだという喜びがありました。
――脚本を読んだ印象は?
特に自分が関わっているところだと、鉄平、朝子(杉咲)、リナ(池田)、百合子(土屋)の若者たちの群像劇にすごく尊いものがあるなと感じました。揺れ動いていく関係性とともに心情が繊細に描かれていて、演じるのは難しいと思いますが、その役として生きられることに幸せを感じました。
――賢将の役柄の魅力を教えてください。
誰に対しても気さくに振る舞ういい奴という印象ですが、実はデリケートで可愛げのある人物です。一見チャラいようにも見えますが、話が進んでいくごとに自分の感情にうそをつきたくないという真っすぐな部分や、どこか臆病で繊細な部分が見えてきて、演じていてどんどん好きなっています。
あとは鉄平との関係性が重要ポイント。2人の幼なじみ感は監督の塚原(あゆ子)さんにアドバイスをいただきながらお芝居に臨んでいます。
――主演の神木さんの印象は?
今回初めてご一緒させていただくのですが、親友という立ち位置でずっと一緒にいる役柄なので、少しでも何か学ばせていただきたいなと思っています。
役者は自分の役のことを考えてアプローチして作っていきますが、ガチガチに固めて完成させてしまうとそこに手を加えることができなくなってしまう。役は演じる僕たちだけのものではなく、脚本や演出家さんの“こういう人間にしたい”という思いを汲む必要がある。その中で自分が思う筋を通す、いい塩梅を見つけていくことが役者の仕事だと僕は思っていて。
神木さんはまさに監督の意見や提案に柔軟に対応する中で、ご自身の役のイメージは崩さずに演じていらっしゃる印象です。 僕も周りの方々や、監督をはじめとしたスタッフの皆さんとコミュニケーションを取りながら現場で役を作っていくタイプなので、心地よくお芝居させていただいています。
――他の共演者の方々はいかがですか?
作品の規模も大きく、気を抜かないようにと変に硬くなってた部分がありましたが、いざ現場に入ると幼なじみのメンバーは共演経験のある方ばかりで変わらず温かくて、いい意味で力が抜けました。
杉咲さんは久しぶりにお会いしたのですが、楽しい方なので、神木さんと僕がちょこちょこふざけていると、笑いながらツッコんでくれたり(笑)。
土屋さんは「チア☆ダン」(2018年、TBS系)での共演の時に支えていただいて。今回も変わらず楽しいですし、見守ってくださっている感じです。
池田さんは以前、映画「貞子」(2019年)で僕のお姉ちゃん役だったんです。当時は“姉ちゃん”と呼んでいたので、今日も現場で「弟よ」と言われて(笑)。久しぶりにお会いして改めてごあいさつさせていただいたときは少し恥ずかしかったです…!
■「若い世代が少しでも光明を見出せる作品に」
――本作では各地でロケ撮影も行われているようですね。
昔と今を比べると、今のほうが絶対に便利なものは多いですが、人と人とのつながりや心の余裕など、そういう自由さはもしかしたら昔のほうがあったのかなと思う瞬間があります。
何もないからこそ、自分たちが頑張らないといけない、自分たちの足で立たないといけないというエネルギーがあったのではないかと思うんです。
端島は、狭い中で共に暮らす人々が一緒に頑張って島を発展させようとしていた活気あふれた場所。海や街並み、ロケ地のパワーを借りて、その活気を表現できたらいいなと思います。
実際に海を見ているのは気持ちがいいですし、撮影初日のシーンは神木さんと2人でサイダーを飲みながら、海を見ながら話して…楽しかったです。
――最後にメッセージをお願いします。
僕たちのような若い世代は、実際の70年前の時代を知りません。それでも未来にどう希望を見出していくかというのは、どの時代でも共通だと思うんです。
最近の若者は、家を持ちたがらないとか、結婚したいという人が減ってきているとか、ネガティブなイメージで言われがちですが、希望を持って日々を生きていた人たちの物語を見て、少しでも今を生きる若い方にもいい未来が待っていると感じてもらえたら。
僕自身も脚本を読んでたくさんパワーをいただいています。若い世代が少しでも光明を見出せる作品になるように、賢将という役を通して作品の力になれたらと思っています。
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