累計発行部数260万部を突破する乃木坂太郎の同名漫画を映画化した『夏目アラタの結婚』の初日舞台挨拶が9月6日に新宿ピカデリーで開催され、柳楽優弥、黒島結菜、中川大志、丸山礼、市村正親、堤幸彦監督が出席した。客席を通って登壇した面々がタイトルにもある“結婚”にちなみ、客席に向かってブーケトス。華やかに初日をお祝いした。
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元ヤンキーで児童相談員の夏目アラタ(柳楽)が、死刑囚に“プロポーズ”することから始まる本作。その目的は、“品川ピエロ”の異名を持つ死刑囚、品川真珠(黒島)に好かれ、消えた遺体を探し出すこと。面会時間である1日20分の駆け引きに翻弄されるアラタは「ボク、誰も殺してないんだ」と真珠から告白を受け、やがて2人の結婚が予想を超える展開へと突き進む様子を描く。
上映の興奮冷めやらぬなか、大きな拍手を浴びながら会場の中通路に花束を抱えた登壇者陣がラインナップ。ブーケトスをすることになると「こっち!」とあちこちから歓声が上がり、キャストたちも楽しそうな笑顔を浮かべた。
ブーケトスを終えた柳楽は、花束が大きめだったことから観客を心配しつつ、「盛り上がっていただけた気もしますので、いい思い出になりました!」と感謝の言葉。黒島も「初めての経験で、どこに投げたらいいかわらかずに目をつぶっていました」と照れ笑いを見せながら「いい経験ができて楽しかったです」と同調した。中川は「風の抵抗を考慮して、投げ方や角度を(変えた)」とちゃめっ気たっぷりに語り、丸山は「実生活でまだしたことがないので。リアル結婚式の練習ができました」、市村も「僕のほうをじっと見ている方がいた。あるところにずっと視線を感じたので、そこに目掛けて投げました」と初めての体験に心を躍らせていた。
アクリル板越しに、スリリングなやり取りを繰り広げる間柄として共演した柳楽と黒島。表情がコロコロ変わる死刑囚という難役に挑戦した黒島は、「毎日撮影が大変でへとへとになりながらやっていた」と告白。そんななか「ある日、柳楽さんが高級鰻弁当の差し入れを入れてくださった」そうで、「法廷のシーンは、100人くらいのエキストラさんがいらっしゃていたんですが、エキストラさんの分も用意してくださった。さすが!カッコいいと思いました」と柳楽の気遣いに惚れ惚れ。「鰻を食べて今日も頑張ろうと思えました。ありがとうございました」とお礼を述べた。
「鰻がとても好き」だという柳楽は、「現場に(差し入れを)入れて士気が上がるという感じが、自分を盛り上げてくれたりもする」と自身のエネルギーにもなっていたという。鰻弁当を食べられなかったという丸山は「法廷のシーンか…いなかったな…」と肩を落とし、「残り香だけいただいていきます」と話して周囲を笑わせていた。
また真珠の無罪を信じる弁護士を演じた中川は、「品川真珠は、いろいろな衣装を着ている。黒島さん的に一番のお気に入りの衣装は」と質問した。黒島は「意外と制服がまだ大丈夫なんだと思って」と目尻を下げ、中川が「制服、めちゃめちゃステキでしたよね」と続くと会場からも同意を表すように拍手が上がった。黒島は「恥ずかしいんですが、まだもしかしたらできるのかな…と思っちゃったり。うれしいような、もっと大人にならないといけないなと複雑になったり。すごく印象に残っている衣装です。これで最後かもしれないので」と制服姿への思いを打ち明けていた。
満席の会場を見渡して何度も喜びを噛み締めるようにしていた柳楽は、「『ありがとうございました』という気持ちの一心です」としみじみ。「僕が今回の作品で好きだった面というのは、『卒業』などクラシックの名作にあるような、映画だから描けるファンタジーみたいなところ。法廷シーンでは、マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンの時代の、映画のなかでのファンタジーみたいなものが描かれているなと思った。『どういうチャレンジになるんだろう。やってみたい』という気持ちで参加させていただいて、このように満席となって最高の初日になったなと思います」と力強く語り、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝
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