「正面からぶつかって解消したい」予選落ちに終わった石川遼のほぼ”全ドラ”の意味

予選落ちに終わってしまった石川遼(撮影:福田文平)

「正面からぶつかって解消したい」予選落ちに終わった石川遼のほぼ”全ドラ”の意味

10月5日(土) 11:30

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<ACNチャンピオンシップ2日目◇4日◇三木ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6993ヤード・パー71>

1週間のオフを作って2戦ぶりに出場した石川遼は、2日間トータル2オーバー・85位タイで今季5度目の予選落ちに終わった。



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初日は悪天候により5時間遅れて10番からスタート。出だしから6メートルを流し込んでバーディを先行させると、11番パー3では3メートル、12番パー5は1.8メートルを沈めて3連続バーディと幸先のいい滑り出し。

しかし14番パー4ではティショットを左に曲げてOB。ダブルボギーにすると続く15番パー3では1メートルほどのパーパットを外してボギーと貯金を吐き出す。イーブンパーで9ホールを終えた時点で日没サスペンデットとなった。

2日目は第1ラウンドの残り9ホールと第2ラウンドの18ホールの合計27ホールの長丁場。第1ラウンドの残りは1バーディ・1ボギーとして「71」のイーブンパー・63位タイで終えると、第2ラウンドは2バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「73」に終わった。

「昨日(初日)はいい方向に行っている中で左のミスみたいなのがあって、それが今日は修正できつつあったんですけど、その中で細かいミスがあったり、スコアにつながらなかった」と振り返る。

この2日間は意志を感じた。開催コースは“関西特有”の白いOB杭が目立つホールも少なくない。この2日間、他の選手がフェアウェイウッドなどで刻むホールでもドライバーを振った。パー3を除く14ホール中13ホールでドライバーを握っていた。

「関西のこういうロケーションってすごく苦い思い出があったりします。刻むのはすぐにできるんですけど、(コースが)狭いとはいえ自分の練習どおりのことができれば、OBにいくわけではないですし、いいショットを打てばそこにはフェアウェイがある。スイングもそうですし、メンタルを含めてもうちょっとで整うかなみたいな」と過去の苦い経験との戦いでもあると話す。

今季は「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by
サトウ食品」で通算19勝目を挙げたが、翌戦の「日本プロゴルフ選手権」では予選落ちに終わっている。初めて回る富士C可児Cは、決して広いコースとは言えず、ティショットのOBなどスコアメイクに苦しんだ。

そのときは「自分のロングゲームの精度の現在地が知りたくて、今までなら安全策を取るようなホールでも、少し背伸びをして(1Wを握り)、それがハマらなかった」と話したが、ハマらなかった理由として「スイングだけの問題じゃなくて、この10年ほどずっとドライバーで悩んできて、スイングでそれが払しょくできたと思っていたけど、自分の中にこびりついている問題があって、それに引っ張られてしまった」とも吐露した。

今回のほぼ“全ドラ”にも理由がある。「ドライバーがしっくりこないことにはなかなか次に進めない。しっくりこなくてもやりくりしていくのは当然なんですけど、大きな視点で見ると、ロングゲームの部分、長い戦いではありますけど、今は正面からぶつかって解消していきたいなと思っています」。

ベテランプロほど過去の“苦い経験”がスイングに影響を及ぼすことがある。左へのミスを無くすためにスイング改造をはじめて5年。「試合になると練習では出ない球も出る」と、練習やプレッシャーの少ない場面でのスイングは固まりつつある。今はスイング固めから一歩進んで、実戦の中で過去の“苦い経験”が現れたときのスイングとメンタルの戦いでもあるようだ。

2日間で“結果”を残すことはできなかったが、「少しずつできつつあるところもあるので、愚直にコツコツとやっていくしかないです。落ち込んでいるというより、燃えているというか感じです」。試合の中でしか得られない経験は多い。課題克服に向けてしっかりと正面から向き合っている。(文・小高拓)


<ゴルフ情報ALBA Net>
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