10月5日(土) 10:00
<アジア太平洋アマチュアゴルフ選手権2日目◇4日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7217ヤード・パー70>
濃霧の影響で6時間半遅れでスタートした第2ラウンドは、120名の選手のうちホールアウトできた選手はわずか。その中で松井琳空海(まつい・りうら)が5バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「69」で回り、スコアを伸ばした。
1番からバーディ発進を決めると、3番パー5のセカンドショットは「行くしかない」と直ドラも披露。フェースの下目にあたりグリーン手前のバンカーに入れるもきっちり寄せてバーディとした。
しかし、4番パー3では「ダフってしまった」とまさかの池ポチャ。3打目のアプローチも寄せきれず2パットのダブルボギーとした。さらに6番でも落とし「すごくいい感じだったのに、最悪だと思いました」と肩を落とす時間もあった。それでも「キャディと楽しい話をしながら立て直しました」と8番のバーディでイーブンに戻すと、後半も1つ伸ばしホールアウトした。
練習日には御殿場Cは苦手と話していたが、連日のアンダーパーを記録。「個人的にすごく苦手ですが、その中で誰よりも頑張って練習してきたので、負けるわけにはいかない」と3年連続出場の17歳は、並々ならぬ思いで今大会に挑んでいる。昨年のアジアアマ後に胸郭出口症候群を発症し、手術を敢行。リハビリを4カ月行ったことでゴルフを離れる時間もあった。その分を取り返すつもりで必死に練習をしてきた。
今大会には日本人選手10人が出場しているが、松井(愛媛県)を含む四国出身の選手が2人いる。「四国は我慢強い子が多いと思います。狭いコースが多いので、かなり鍛えられます。古瀬(幸一朗)選手もドライバーが曲がらないので、そういう部分ではすごく強いと思います」と四国特有のコースが選手を強くしていると松井自身も感じており、古瀬(香川県)も上位に名を連ねている。
最近はポーカーフェイスでラウンドをする選手も多いが、松井は喜怒哀楽を表しながらプレーを進めるキャラクター。「トップが誰であろうと、僕はもう勝つ気でいる」とその負けん気は誰よりも強い。アジア太平洋地域NO.1アマチュアを決める一戦の優勝候補に名乗りを挙げて、決勝ラウンドに挑む。(文・齊藤啓介)