10月5日(土) 18:14
<スタンレーレディスホンダ2日目◇5日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6610ヤード・パー72>
先週の「日本女子オープン」に出場できなかった佐藤心結は、最終日に現地を訪れた。最終組などのプレーを“ギャラリー”として観戦。ツアーを引っ張るトッププレーヤーの技を学んだ。
「ロープの外から見る機会はないし、上位で戦う選手がどういうプレーをしているのか、(女子オープンの)セッティングも見てみたかった。刺激をもらいました」。優勝して日本タイトル2冠を達成した竹田麗央は、同じ2003年生まれのダイヤモンド世代。「リオは飛ぶし曲がらない。ピンチになったときのカバーがうまい。パーでしのいだり、食らいついていくところに強さを感じた」と、自らには“粘り強さ”が必要であることも再確認した。
そんななか、この予選ラウンドのボギーは初日に喫した1つのみ。順延となった第1ラウンドを7バーディ・1ボギーの「66」、第2ラウンドをボギーフリーの「67」でプレーした。再開してすぐの13番では5メートルのパーパットを決めた。「ショットもパターも2日間良かった。ピンチもカバーできて、リズム良くラウンドできた」。トータル11アンダー・首位で最終日へと向かう。
3年前の2021年大会で、大きな脚光を浴びた。当時、明秀学園日立高3年生でアマチュアだった佐藤が、渋野日向子、木村彩子、ぺ・ソンウ(韓国)とのプレーオフに加わった。渋野に惜敗するも、全国にその名をとどろかせた。まさに「思い出の試合」だ。
忘れ物を取りに来た。そう言わんばかりに初優勝へ奮闘しているが、いまの自分自身を冷静に見つめてもいる。シード選手として2年目だが、今季のメルセデス・ランキングは84位。今季もすでに終盤戦に入り、「追い込まれた状況にいる」。結果を求めていきたいけれど、意識しすぎると体が動かなくなってしまう…というような“ジレンマ”も感じているが、「目の前のプレーに集中したい」と淡々とした表情で話す。
「あまり気合を入れすぎずに、リラックスした状態でできたらいいかな」。2週間前からは「いい意味で手が動く」と3年前に使用していたパターに回帰している。首位で最終日を迎え、最終組で回るのは当時と同じ状況。今年はうれし涙を流したい。(文・笠井あかり)