10月4日(金) 9:15
日々、ゴルフ代の捻出ばかりを考えている編集者K。錬金術のプロたちからいろいろ学んできたが、「もっと知って儲けたい」という思いが募る。そこで、信頼を置く美人トレーダーの若林史江さんに、株や投資信託で儲けるための「中級講座」を受けることにした。
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――かれこれ1年以上勉強していますが、まだまだ初心者です。僕は!
(笑)。そろそろ中級者へステップアップするために、今回は株式の指標について勉強しましょう。株式の投資情報サイトの銘柄紹介を見てください。企業名の横などにPBR、PERとありますね。これにROEを加えた株の3大用語を理解することが、中級への第1歩です。
――何ですか、それ?
まず、PBR(株価純資産倍率)は、企業の株価が1株当たりの純資産の何倍まで買われているかを示す指標。株価を1株当たりの純資産で割った数値です。目安は1倍。0.8など1倍割れ銘柄は、例えば、企業が解散して財産を株主で分けた方がお得という水準です。企業が解散した場合に分配される金額の方が高いと評価されているともいえます。
――なるほど。
ここ2、3年、政府は1倍割れ銘柄の企業に対して「株価対策、株主還元などをして正当な株価まで上げる努力をしなさい」と言い続けてきました。それで銀行株中心にPBRが上がったんです。政策に則ったものを選ぶのは銘柄選びでは重要です。
――そうなんですね。PERは?
PER(株価収益率)は株価を1株当たりの純利益で割った数値です。その会社に投資したら、何年で元を回収できるかという指標です。10倍だったら10年、投資したら回収できるというもの。PERは大体20倍以下だと割安だとされています。割安とされる銘柄を買って株価が上がるのを待って利益を得るという考えがあります。
ただ割安だから上がる、割高だから下がると一概には言えません。例えば宇宙関連などの夢のある銘柄はPERが100倍になることも。一方で銀行株だとPERが20倍割れなどザラで、ずっと上がってこなかった。安けりゃ上がるわけでもないんです。
――難しいですね。
だから自分が長期で投資をしようと思ったとき、PBRとPERを参考にして自分が持つ株価の位置がどの辺なのかを見ることがすごく大事。ここ3年くらいはPBRが1倍割れの企業を中心に買うのが一つの成功モデルでした。あとは国策に注目するのもあり。半導体など国策で進める分野の株価は上がりやすいです。
――ROEは?
ROE(自己資本利益率)は株主が投資したお金を、会社がいかに効率よく運営運用して利益を得ているかを示す財務指標です。当期純利益を自己資本で割って100をかけた数値。大体8~10%で超優良企業といわれています。この会社はちゃんとした財務体制だな、というのを見るのがROEです。
――分かりました。この3つは心してチェックするようにします!
【覚えておきたい用語】
■PBR
株価純資産倍率。企業の成長性を分析する指標。1倍であれば株価と企業の資産価値が釣り合っていると考えられ、1倍を下回れば割安。
■PER
株価収益率。利益面から株価の割安度を測るための指標。数値が小さいほど株価は割安、数値が大きいほど割高と判断する。回収期間は短い方が効率が良いため、株価は同じでもPERの低い銘柄の方が割安。
■ROE
自己資本利益率。投資家が投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げているかを表す重要な財務指標。ROEの数値が高いほど経営効率が良い。
解説/若林史江
20歳で株式投資を始めた元祖・美人トレーダー。近著に『証券口座の開き方から教えます! 投資の学校 1年生1学期』(宝島社)。TOKYO MX『5時に夢中!』出演中。ゴルフ歴23年、ベストスコア76。
(構成/日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗)
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