たっぷり丼飯に肉、タルタルソース、バター……提案する料理のほとんどが超ハイカロリー! 「ハイカロめし食堂」は、今注目の料理系動画クリエイターだ。Instagramのフォロワー数は約11万、YouTubeのチャンネル登録者数は約4万。男心をそそる背徳のラインナップに、なぜか女性ファンも急増中……!?
果たして彼は何者なのか。じつは、ふだんは年収300万円台のサラリーマンなのだとか。今回は、その魅力と正体に迫った。(記事は全2回の1回目)
ハイカロリーに振り切った斬新な料理提案
「リュウジ」、「ジョーさん。」、「ぐっち夫妻」など、近頃人気の料理家は、ほとんどがSNSから誕生している。インスタやTikTokを開けば、老若男女の自称料理家がそれぞれに工夫を凝らした料理動画を公開している。
多くが“時短”や“ヘルシー”をウリにしている中で、異彩を放っているのが、「ハイカロめし食堂」だ。コロナ以前から投稿をスタートし、じわじわと人気を集めて現在のSNS総フォロワー数は約15万人まで伸ばしている。
その名の通り、彼が提案する料理は、ほとんどがかなりのハイカロリーだ。「揚げドリア」、「コチュマヨ親子丼」、「肉巻きモッツァ丼」、「痛風ピザ」…。糖質、脂質のオンパレード。部活帰りの男子高校生が泣いて喜びそうなメニューがずらりと並んでいる。内容も洋食から麺、丼メニューまで、バラエティに富んでおり、ここまでハイカロリーに振り切った構成には、清々しささえ感じる。
ハイカロめし食堂の魅力は、イケボと動画編集の妙
注目しているのは、食べ盛りの男性だけではない。そもそも筆者が彼の存在を知るきっかけは、知人の30代女性からの情報だった。
「韓流っぽい、超イケてる料理系インフルエンサーがいるんですよ! 声もいいし、料理も面白いし、映像の作り込みが上手で、どんどん好きになっちゃうんです。ずっと見ていたい」(30代女性)
どれどれ、と試しに検索してみると、
韓流……? ハッ、なるほど、J.Y. Park……!
小さく膝を打ちながら、ポストを眺めていくと、なるほどこれはハマるわ、と納得した。ハイカロ料理のインパクトはもちろん、「20秒ください」からはじまって「ベリーヤム。もう一度!」で締める、小気味いい決め台詞。BGMのチョイスもいい。
終わりまで飽きさせない演出には動画編集へのこだわりを感じさせ、何度も繰り返して見たくなる。過剰に格好つけた演技にもそのうち引き込まれて、「本当にかっこいい人なのかも」と思えてくるではないか。
ハイカロめし食堂とは、実際にはどんな人物なのか。
「年収300万円のサラリーマンです」と自称する動画クリエイターに、さっそくインタビューを申し込んでみた。
その実像は、礼儀正しいサラリーマン!
「ハイカロめし食堂と申します。広告代理店で、営業職をしております」
昨年、九州から転勤で都内に引っ越してきたというハイカロめし食堂は、30代、既婚。新卒で現在の広告代理店に入社し、8年勤続している。
動画での弾けた姿とは印象が異なり、とても礼儀正しい好青年だ。メディアの取材を受けるのは、今回が初めてだそうで、少し緊張している様子。
料理をはじめたのは、中学生の頃。テレビの料理番組や、料理本を真似てきたという。
「『チューボーですよ!』とか、『男子ご飯』とか、よく観ましたね。一番影響を受けた料理家は、ケンタロウさんです。ライフスタイルとかも含めて、とても好きでした。ちなみに僕も本名がケンタロウで、母はカツヨ。勝手に親近感おぼえてました。料理は、会社に向かう電車の中とか、駅まで自転車に乗っている時とか、何かほかの作業をしている時に思いつくことが多いですね」
動画制作も独学だ。
「創作すること、何かを真似るということが、昔から得意でした。それで自然と、動画作りもできるようになったという感じですね。両親の影響で、ビートルズとか松田聖子さんとか、ちょっと昔の音楽を聴いたり、映画を観て育ちました。イギリスのビジュアルコメディが好きで、音楽の使い方や映像に関しては、かなり影響を受けています」
目指したのは、前例のないオープニングとエンディング。
「動画をバズらせる攻略法みたいなのも、レクチャーを受けたりしたことはないですね。こう見えてあまり人の言うことは聞かずに、独自路線なので。自分でやって、ウケるのを感じたい。そこに喜びを感じています。基本的に、はじめと終わりだけしっかりしていれば、トンマナ(トーン&マナー)が揃うと言いますか。ある程度見やすい動画になるのではないか、と考えています」
きわめて真剣に、オリジナリティを追究する料理動画男子。それがハイカロめし食堂なのだった。
【
ハイカロめし食堂
】
YouTube:@orehighdiner
Instagram:@orehighdiner
<取材・文/山野井春絵>
【山野井春絵】
ライター。愛知県出身。広告代理店、編集プロダクション、リゾート施設広報を経てフリーに。得意分野はインタビュー、ライフスタイル、フード、ワインなど。フランス語をマイペースで勉強中。X:@3mo6ab3jK2IHBoV
【関連記事】
・
「来来亭のラーメン」を16年以上毎日食べ続ける男性を直撃。体重の増減や健康診断の結果も教えてもらった
・
月見バーガーを“年間100個食べる”マニア女性を直撃。「期間中は冷蔵庫を空にする」
・
“4000日以上”毎日カレーを食べ続ける人物を直撃。「体調や体重」以外で現れた“変化”
・
“6年間毎日”ハンバーガーを食べ続ける人物を直撃「健康診断はオールA、体形も変わらない」
・
『水ダウ』で話題。153センチ、41キロの“最弱”お笑い芸人「一日一食で十分」