10月3日(木) 7:00
<アジア太平洋アマチュアゴルフ選手権事前情報◇1日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7217ヤード・パー70>
アジア太平洋地域NO.1アマチュアを決める一戦が、2日(木)から始まる。開幕前日の水曜日には、松井琳空海(まつい・りうら)、佐藤快斗、本大志(もと・たいし)の3人が記者会見に登場し、それぞれが今大会への思いを話した。
3年連続3回目の出場となる17歳の松井は、昨年の「四国アマチュアゴルフ選手権」をはじめ、2022年の「日本ジュニア男子」(15歳~17歳の部)で優勝するなどの実績を持つ。海外経験も豊富で、豪州で開催された試合で優勝するなどその実力は折り紙付きだ。今大会の印象については、「優勝すればマスターズ、全英オープンに出場できるので、なかなかできない経験をさせていただける」。過去には松山英樹(10、11年)、金谷拓実(18年)、そして中島啓太(21年)が、ここから海外メジャーへの出場を叶えていったこともあり、まさに世界への登竜門になる大会と位置づけている。
2年連続2回目の出場となるのが東北福祉大の18歳・佐藤。落ち着いた受け答えでいわば優等生タイプと言ったところか。「アジアのトッププレーヤーが集まって、優勝すればマスターズに出場できるということで、緊張感のあるフィールドになっているという印象です」と今大会の印象について述べる。
そして初めて出場する本。アリゾナ大への進学が決まっている19歳は、松山の活躍が特に印象深いようで「日本開催の時に松山さんが優勝されて、人生が変わる大会というか、1年に1回の大きなイベントだと思います」と目を輝かせながら話していた。
こうして、それぞれが今大会への思いを述べたところで、続いてはコースの印象について質問が飛んだ。三人とも同じコースで開催される国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」に出場経験があり、事前の知識は持ち合わせている。
特にグリーンが難しいと口をそろえたのが佐藤と本。「狙ったところにタッチを合わせて打たないといけないコース」(佐藤)。「三井住友VISA太平洋マスターズの時期に比べるとそこまで速くないけど、すごいグリーンが硬く仕上がっていて難しいコース」(本)。両者にとって御殿場Cといえば“グリーン”という共通認識を持っているようだ。ただ、松井に関しては「僕はすごく苦手で、狭いし長いです。それでもこの苦手意識を吹っ飛ばすぐらいのいいプレーをしていきたいと思います」と、二人とは異なる視点から、このコースの難しさを話していた。
2009年に第1回大会が開かれ、ここまでに4勝を挙げている日本勢にとって、“相性のいい大会”ともいえる。さらには14年ぶりの日本開催という、またとない好機もめぐってきた。今大会への意気込みについて聞かれると、「日本人としてチャンスだと思います。出場できなかった選手の分、頑張っていきたいです」と力を込めた本。「今年は日本開催ということもあるので、最後まで優勝争いに絡んでいきたいです」と静かな闘志を燃やす佐藤。そして「今回は苦手なコースですけど、自分を信じて、仲間を信じて頑張りたいです」と苦手払拭でタイトル獲得を目指す松井。三者三様の回答だが、今大会にかける思いは皆同じだ。(文・齊藤啓介)